一昨日、福島県等で基準値を超えて放射能で汚染された野菜が見つかったという報道があった。
しかし政府は、「汚染されたホウレンソウを1日に100g程度1年間食べ続けたとしても、健康上問題は生じないので、冷静に判断するように。」と繰り返し国民に訴えた。
このニュースを聞いて私は、ホウレンソウが汚染されたなら、他の野菜類も汚染されているに違いないし、普通の人は1日250~300gの野菜を食べているので、政府の試算は余りにも低すぎると思っていた。
所が昨日になると「福島県で生産されたほうれんそうや小松菜、キャベツなどは食べてはいけない。これに蕪、原乳を加えて出荷停止にする。同じく茨城産、栃木産、群馬産のホウレンソウやかき菜も出荷停止にする。」という方針に変わった。
そしてこの段階でも政府は、「基準値を超えたホウレンソウを1日100g程度10日間食べ続けたとしても、健康には影響は出ないから安心してください。」と言うのだ。もし一般的な人が摂取量に近い300g程度の葉菜類を毎日食べたら、一体どうなるのかをなぜ言わないのだろうか。
また、「福島産のすべての露地野菜と千葉旭市産の春菊は出荷自粛せよ。」という指針だ。
そして合わせて「基準値を超えていない野菜、すでに流通しているもの、農家による自家消費も飲食禁止」だという。(今朝の新聞では、ビニールハウスの野菜も汚染されていたので、露地栽培と同じ取扱いにしたという)
このニュースの後で、NHKの解説員は、「体内に入れていい放射性物質はありませんから。」と付け加えた。これが正しい言い方だと私は思った。
伯母の部屋でこのニュースを聞いて帰宅してから、冷蔵庫に残っていたホウレンソウを確かめた。群馬産だった。
捨てたレシートをごみ箱から拾って、いつ買ったのかを確かめた。15日だった。すると逆算して群馬を出た日は多分12~14日だろう。
大震災が発生した後の新聞は全部取ってあるので、取り出して調べた。
福島第一原発の1号機が爆発して建屋が破壊したのは12日15時30分だった。また、4号機が火災を起こして炎上したのは15日だったから、もしも最初の1号機の事故による放射能の飛散が原因なら、これは汚染されているかも知れない。
すでに1袋は食べてしまったのだが、これは捨てる決心をした。
普段私は、生ごみは全部、庭のコンポストに入れて堆肥を作っているのだが、少量でもセシウムなどに汚染されていたらその半減期は30年、完全になくなるまで100年近くもかかるらしい。庭の土壌を汚染するような堆肥は作りたくないので、コンポストには入れられない。
私の市では、現在生ごみを埋め立てているが、それに出すことにするしかない。
今朝になって汚染地域の膨大な汚染野菜や汚染原乳の処分の仕方が、急に気になって来た。
焼却処分なら、大気中に放射性物質が拡散するのではないだろうか。埋めても土壌を汚染するし、海に捨てたら海水を汚染する。一体、国はどの様な処分方法をJAや農家、酪農家に指示するのだろうか。
今朝の新聞には、放射物質で汚染された土壌は、入れ替えないと農業ができないとも書いてあった。
そして未だに、放射性物質がどこから漏れているかの特定がされていないというのだ。だから漏えいをストップさせることも、当面、考えられないので、汚染の垂れ流し状態は今後も続き、汚染地域も拡大して行くに違いないのだ。農業や酪農業で生活をしている人たちの心情を考えると実に切ない。
また今後、品薄や価格高騰が起きれば被害は全国に及ぶのだ。
放射性物質を避けるために野菜や乳製品は選んで食べれば良いが、水道水の放射性物質による汚染は深刻だ。
乳児には汚染された水を飲ませないようにという国の指示が出てから、東京都を中心とした地域でミネラルウオーターを買う人たちが殺到し、今日は乳児のいる家庭に自治体が数本のミネラルウオーターを配布することになった。
私の予想では、この先、水源地の放射性物質による汚染はさらに広がって行くに違いないのだ。周辺地域住民の不安は、いつに成ったら解消されるのだろうか。
とうとう11日の津波に端を発した福島第一原発の事故による重大な影響は、こうして際限なく広がり、そのつけは今後、数十年以上も続く事になった。
国民の1人として、毎日のニュースを注目して行きたい。
(この原発の建設時、最大でも高さ7mの津波を想定したと言うが、今回は14mを越えた津波だったという。想定の根拠も今後厳しく問われるべきだろうし、また電源が海側に造られていて、しかもそれが破壊された時の次の電源を考えていなかった事も私には驚きだった。全く人命を軽視していたのだと思う)
最新の画像[もっと見る]
- 2025年新年を迎えて 4日前
- 今年も届いたお餅 2週間前
- 娘から歳暮が届く 3週間前
- 娘から歳暮が届く 3週間前
- 娘から歳暮が届く 3週間前
- 初めて雪かき 4週間前
- 早くも「カレンダー」を来年のものに 1ヶ月前
- ベッドサイドテーブルを組み立てる 1ヶ月前
- 11月の庭仕事(11)冬囲いほぼ完了・挿し芽が開花 1ヶ月前
- 11月の庭仕事(11)冬囲いほぼ完了・挿し芽が開花 1ヶ月前
お粗末・・・では済まされない事態になってきましたね。
人体に影響は無いって言っても
ほうれん草に牛乳に水、空気って重なればその何倍にもなっていくし・・・
心配は尽きませんよね。
特に未来ある子供たちは守ってあげたいって思います。
どれくらい犠牲者を出せば本気になって国民のことを考えるのでしょうかね。
考えるとイライラします。今は一日も早い終息を願うだけです。
原子力を推進して来たのは政府ですが、原子力安全・保安院も国の機関なので、第三者としての正確な情報を出せない様ですね。
生活者の実情に沿った説明を、国も東電も安全・保安院もわざと避けているとしか思えません。
Pioneさん、こんにちは。
新聞によると2006年に国会で「非常用電源が破損した場合はどうするのか」と質問された時、「そんなことは日本ではありえない位の安全設計をしている。」と答弁した安全・保安院寺坂委員長が、今も安全・保安院のトップだそうですからお粗末ですよ。
まだしばらく収束しないでしょう。
今回の事で、原発周辺住民の生活は破壊されますが、福島県と県民が原発の建設を許可した事実も、厳しいようですが、思い出すべきだと思います。