2018,2,28発売
待ちに待ったアルバム。
このシリーズ、過去に雑誌やラジオや噂で見聞きしていた教授の活動の一端。
どんな曲なんだろう、どんな表現があるんだろう?って思いを巡らしつつも、きっと一生知ることはないままに終わるんだなーって思っていたものが今、目の前に出現した。
付属のトールサイズブックレットは当時の写真や資料写真を用い、充実した内容の約52ページで構成される。
これは一気に読み切ったけど、あらためて当時のアルバムなども重ねて聴いてしまいそうになっている。
■DISC 1 [TV War] / 坂本龍一 <未編集版は初製品化>
※1985年、茨城県国際科学技術博覧会会場に於けるラジカルTVと行ったパフォーマンスのライブ録音。
『TV WAR』の編集版は1985年に映像作品として発売されているが、本作はその全長版のライヴ音源。
(1)Opening
(2)City
(3)Robot
(4)Live
(5)War
(6)Ending
「TV War」はこの15年間くらいでDVDで編集版を既に何度か見ているけど、全長版のライヴ音源をステレオで聴くのはこれが初めて。NHKの「YOU」でラジカルTVとのコラボを目にして感動していた。
音を聴いていると、当時の教授の音が散りばめてあるだけではなく、「async」に繋がる要素もあるように感じる。
いきなり1枚目から飽きない魅力的な音が流れ続けている。
■DISC 2 [Inkstick Session] <初公表>
/坂本龍一(KB)、ビル・ラズウェル(Bass)、近藤等則(Tp)、山木秀夫(Drums)、カーロス ・アロマー(Gt)
※コード進行もテンポも事前の打ち合わせなしに行われた東京・六本木インクスティックでの1985年の即興演奏のライブ録音。
坂本龍一はフェアライトで参加。
1. エンディング
2. 都市
3. ロボット
4. ライヴ
5. 戦争
6. オープニング
ビル・ラズウェルの東京でのレコーディングの予定が飛んでしまったので、急遽シークレット・ライヴ的に行われた事前打ち合わせ殆どなしの即興ライヴ。集まっているメンバーも凄いけど、教授が、フリージャズではなかったであろうフェアライトを持ち込んで演奏したというのが他にはないこの時だけのものになっているようだ。
教授は客受けは無い方が面白いと思っていても、目の前にお客さんがいると演奏家たちは盛り上がる方に持って行ったとのことで当時の不満な思いがあったようだ。「Asian game」や生田朗の話題もあり、あの頃を重ねて聴いていた。
■DISC 3&4 [マタイ1985 〜その人は何もしなかった〜] <初製品化>
/ 渡辺香津美+三宅榛名+坂本龍一+高橋悠治+如月小春とNOISE
+サポートミュージシャン:グレッグ・リー(Bass)、村上“ポンタ"秀一(Drums)、YAS-KAZ(Perc)、崎元譲(harmonica)、徳江尚子(Vln)
※1985年にバッハ生誕300年を記念して製作された音楽パフォーマンス。
如月小春と劇団「NOISE」が空前絶後の受難の物語を演じ、その合間を縫ってミュージシャンたちがそれぞれの解釈による独創的な世界を描き出す。舞台公演録音。
1. インクスティック・セッション
2. インクスティック・セッション
3. インクスティック・セッション
4. インクスティック・セッション
5. インクスティック・セッション
単なる演奏だけと思っていたら、セリフっぽいものも入っていた
2枚に渡る演奏 聴きごたえあります。
■DISC 5
最後にワクワクして聴いている。
(01) レイチェル / サンディー・アンド・ザ・サンセッツ <初CD化>
「レイチェル」はブレードランナーでショーン・ヤングが演じたアンドロイドの役名
フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の原作まで読んで、映画も見ていた。
サンディー・アンド・ザ・サンセッツもYMOファミリーと呼ばれて、当時よく聴いていた。
12インチ・シングルのカップリング曲
この曲は聴いてすぐ教授っぽさを感じた。1985年の曲。
(02) NHK『科学万博ハイライト 』エンディング・テーマ曲 / 坂本龍一 <初製品化>
短い曲
前曲同様にスクリッティ・ポリティ (Scritti Politti 英国の音楽ユニットでデジタル・シンセサイザー[YAMAHA DX7]やゲート・リバーブを多用した音楽は80年代に影響が出ている。) の影響が出ているとのこと。
更に、アート・オブ・ノイズ(The Art of Noise 英国のエレクトロ・ユニット)の影響もあるとのこと。
(03) Steel cathedorals / デヴィッド・シルヴィアン
デヴィッド・シルヴィアンとのコンビは多数ある。
これは映像作家の山口保幸とデヴィッドが作成したビデオのための曲 19分近くある曲。
ミニ・アルバム「Alchemy An Index of Possibilities」に入っているので聴いていた。
ギターは土屋昌巳、エンジニアはオノセイゲン。
メロディーも和音の展開もないリズム・パターンも同じままでの行きっぱなしの魅力的な曲
(04) ネオ・プラント / 如月小春
マルチパフォーマーの如月小春
「イエローマジック歌謡曲」で既に聴いていた。当時は12インチ・シングルで発売されていた。「都会の生活」にも収録。
2017年にこの曲を英国で12インチ・シングルで発売したいオファーがあったとのこと。
エレクトロ・ファンクと言うのか、これも教授っぽいなーとつくづく思う曲。
(05) Futurista(『未来派野郎』アルバム未収録曲 ) / 坂本龍一 <初公表>
これは滅茶苦茶聴きたかった。1986年の「未来は野郎」に入る予定で録音されたが、何故か入らなかった曲。
クレイジー・キャッツっぽいラップ「日本一の未来派野郎」という歌詞もある。
コミカル。
A面と違って、B面はデヴィッド・リンチの「砂の惑星」の影響が色濃く出て、合わなかったから外したのかもしれないとのこと。
更に、もう1曲、アウト・テイクになっている「ハイスクール・ララバイ」に影響された曲もあるとのこと。それも聴きたいじゃないかー
(06/07) フジテレビCM『しなやか思想』テーマ曲Aタイプ+Bタイプ/ 坂本龍一 <初製品化>
おニャン子と教授が一緒に写っている写真が入っています。
The Art of NoiseとScritti Polittiの影響が出ていて、自分でも気に入っているので、4、5分の尺の曲にしておけば良かったとのこと。15秒ほどで確かに魅力的。
(08) チェイシン・ジ・エアー / 山下洋輔+ビル・ラズウェル・坂本龍一
「Asian Games」に入っているので聴いていた。生田朗についての話題を思い出すアルバム。
「NEO GEO」の頃。
山下+ビルで録音、山下+坂本で録音したものをベースとして1988年には完成していたが、日米欧で発売されたのは1993年。
(09) Undo - Demo #3 / 坂本龍一 <初公表>
「Undo #1」のためのデモ版
教授とアート・リンゼイの二人で録音されたものがいくつかデモである中の1曲
この曲は「Beauty」では「アモーレ」とタイトルが変更される。
その由来についての説明もあって面白いが、確かに、あの頃、サッポロ・ドラフト ビールCMに使われていた。
プエルトリコの街で、友人や共演したいミュージシャンを集めて撮影したいとのことで、フラメンコのギターリストであるカルロス・ロマスなども参加して撮影されたとのこと。
(10) 風の道(NHK-FM特番『アコースティック・コンサート』より)/大貫妙子+坂本龍一 <初製品化>
名曲中の名曲 UTAUのツアーの前に行われた大阪でのライヴで聴いて感動した。
1989,12,19 NHK-FM「アコースティック・コンサート」のために録音された。
大貫さんとアルバムを作ってきたけど、どっぷり1枚作るということが難しくなってきて、別々の道にやっていくんだなあという気持ちがこもっていて、辛い曲でもあるそうだ。
(11) The Garden(非売品『Tokio Kumagai』より) / 坂本龍一 <初製品化>
1988年にメキシコで自動車事故で亡くなった教授の盟友 生田朗の死を悼んで作られた曲
1989年に熊谷登喜夫によるファッション・ブランド「Tokio Kumagai」が教授のソロ・ツアーの衣装をスポンサーになってくれたお礼に非売品CDを制作。
生田さんが写っているパーソナルな映像を繋ぎ合わせて、その映像につけた曲とのこと。
穏やかな海を眺めながら帰らぬ人に思いを巡らす気持ちになる
待ちに待ったアルバム。
このシリーズ、過去に雑誌やラジオや噂で見聞きしていた教授の活動の一端。
どんな曲なんだろう、どんな表現があるんだろう?って思いを巡らしつつも、きっと一生知ることはないままに終わるんだなーって思っていたものが今、目の前に出現した。
付属のトールサイズブックレットは当時の写真や資料写真を用い、充実した内容の約52ページで構成される。
これは一気に読み切ったけど、あらためて当時のアルバムなども重ねて聴いてしまいそうになっている。
■DISC 1 [TV War] / 坂本龍一 <未編集版は初製品化>
※1985年、茨城県国際科学技術博覧会会場に於けるラジカルTVと行ったパフォーマンスのライブ録音。
『TV WAR』の編集版は1985年に映像作品として発売されているが、本作はその全長版のライヴ音源。
(1)Opening
(2)City
(3)Robot
(4)Live
(5)War
(6)Ending
「TV War」はこの15年間くらいでDVDで編集版を既に何度か見ているけど、全長版のライヴ音源をステレオで聴くのはこれが初めて。NHKの「YOU」でラジカルTVとのコラボを目にして感動していた。
音を聴いていると、当時の教授の音が散りばめてあるだけではなく、「async」に繋がる要素もあるように感じる。
いきなり1枚目から飽きない魅力的な音が流れ続けている。
■DISC 2 [Inkstick Session] <初公表>
/坂本龍一(KB)、ビル・ラズウェル(Bass)、近藤等則(Tp)、山木秀夫(Drums)、カーロス ・アロマー(Gt)
※コード進行もテンポも事前の打ち合わせなしに行われた東京・六本木インクスティックでの1985年の即興演奏のライブ録音。
坂本龍一はフェアライトで参加。
1. エンディング
2. 都市
3. ロボット
4. ライヴ
5. 戦争
6. オープニング
ビル・ラズウェルの東京でのレコーディングの予定が飛んでしまったので、急遽シークレット・ライヴ的に行われた事前打ち合わせ殆どなしの即興ライヴ。集まっているメンバーも凄いけど、教授が、フリージャズではなかったであろうフェアライトを持ち込んで演奏したというのが他にはないこの時だけのものになっているようだ。
教授は客受けは無い方が面白いと思っていても、目の前にお客さんがいると演奏家たちは盛り上がる方に持って行ったとのことで当時の不満な思いがあったようだ。「Asian game」や生田朗の話題もあり、あの頃を重ねて聴いていた。
■DISC 3&4 [マタイ1985 〜その人は何もしなかった〜] <初製品化>
/ 渡辺香津美+三宅榛名+坂本龍一+高橋悠治+如月小春とNOISE
+サポートミュージシャン:グレッグ・リー(Bass)、村上“ポンタ"秀一(Drums)、YAS-KAZ(Perc)、崎元譲(harmonica)、徳江尚子(Vln)
※1985年にバッハ生誕300年を記念して製作された音楽パフォーマンス。
如月小春と劇団「NOISE」が空前絶後の受難の物語を演じ、その合間を縫ってミュージシャンたちがそれぞれの解釈による独創的な世界を描き出す。舞台公演録音。
1. インクスティック・セッション
2. インクスティック・セッション
3. インクスティック・セッション
4. インクスティック・セッション
5. インクスティック・セッション
単なる演奏だけと思っていたら、セリフっぽいものも入っていた
2枚に渡る演奏 聴きごたえあります。
■DISC 5
最後にワクワクして聴いている。
(01) レイチェル / サンディー・アンド・ザ・サンセッツ <初CD化>
「レイチェル」はブレードランナーでショーン・ヤングが演じたアンドロイドの役名
フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の原作まで読んで、映画も見ていた。
サンディー・アンド・ザ・サンセッツもYMOファミリーと呼ばれて、当時よく聴いていた。
12インチ・シングルのカップリング曲
この曲は聴いてすぐ教授っぽさを感じた。1985年の曲。
(02) NHK『科学万博ハイライト 』エンディング・テーマ曲 / 坂本龍一 <初製品化>
短い曲
前曲同様にスクリッティ・ポリティ (Scritti Politti 英国の音楽ユニットでデジタル・シンセサイザー[YAMAHA DX7]やゲート・リバーブを多用した音楽は80年代に影響が出ている。) の影響が出ているとのこと。
更に、アート・オブ・ノイズ(The Art of Noise 英国のエレクトロ・ユニット)の影響もあるとのこと。
(03) Steel cathedorals / デヴィッド・シルヴィアン
デヴィッド・シルヴィアンとのコンビは多数ある。
これは映像作家の山口保幸とデヴィッドが作成したビデオのための曲 19分近くある曲。
ミニ・アルバム「Alchemy An Index of Possibilities」に入っているので聴いていた。
ギターは土屋昌巳、エンジニアはオノセイゲン。
メロディーも和音の展開もないリズム・パターンも同じままでの行きっぱなしの魅力的な曲
(04) ネオ・プラント / 如月小春
マルチパフォーマーの如月小春
「イエローマジック歌謡曲」で既に聴いていた。当時は12インチ・シングルで発売されていた。「都会の生活」にも収録。
2017年にこの曲を英国で12インチ・シングルで発売したいオファーがあったとのこと。
エレクトロ・ファンクと言うのか、これも教授っぽいなーとつくづく思う曲。
(05) Futurista(『未来派野郎』アルバム未収録曲 ) / 坂本龍一 <初公表>
これは滅茶苦茶聴きたかった。1986年の「未来は野郎」に入る予定で録音されたが、何故か入らなかった曲。
クレイジー・キャッツっぽいラップ「日本一の未来派野郎」という歌詞もある。
コミカル。
A面と違って、B面はデヴィッド・リンチの「砂の惑星」の影響が色濃く出て、合わなかったから外したのかもしれないとのこと。
更に、もう1曲、アウト・テイクになっている「ハイスクール・ララバイ」に影響された曲もあるとのこと。それも聴きたいじゃないかー
(06/07) フジテレビCM『しなやか思想』テーマ曲Aタイプ+Bタイプ/ 坂本龍一 <初製品化>
おニャン子と教授が一緒に写っている写真が入っています。
The Art of NoiseとScritti Polittiの影響が出ていて、自分でも気に入っているので、4、5分の尺の曲にしておけば良かったとのこと。15秒ほどで確かに魅力的。
(08) チェイシン・ジ・エアー / 山下洋輔+ビル・ラズウェル・坂本龍一
「Asian Games」に入っているので聴いていた。生田朗についての話題を思い出すアルバム。
「NEO GEO」の頃。
山下+ビルで録音、山下+坂本で録音したものをベースとして1988年には完成していたが、日米欧で発売されたのは1993年。
(09) Undo - Demo #3 / 坂本龍一 <初公表>
「Undo #1」のためのデモ版
教授とアート・リンゼイの二人で録音されたものがいくつかデモである中の1曲
この曲は「Beauty」では「アモーレ」とタイトルが変更される。
その由来についての説明もあって面白いが、確かに、あの頃、サッポロ・ドラフト ビールCMに使われていた。
プエルトリコの街で、友人や共演したいミュージシャンを集めて撮影したいとのことで、フラメンコのギターリストであるカルロス・ロマスなども参加して撮影されたとのこと。
(10) 風の道(NHK-FM特番『アコースティック・コンサート』より)/大貫妙子+坂本龍一 <初製品化>
名曲中の名曲 UTAUのツアーの前に行われた大阪でのライヴで聴いて感動した。
1989,12,19 NHK-FM「アコースティック・コンサート」のために録音された。
大貫さんとアルバムを作ってきたけど、どっぷり1枚作るということが難しくなってきて、別々の道にやっていくんだなあという気持ちがこもっていて、辛い曲でもあるそうだ。
(11) The Garden(非売品『Tokio Kumagai』より) / 坂本龍一 <初製品化>
1988年にメキシコで自動車事故で亡くなった教授の盟友 生田朗の死を悼んで作られた曲
1989年に熊谷登喜夫によるファッション・ブランド「Tokio Kumagai」が教授のソロ・ツアーの衣装をスポンサーになってくれたお礼に非売品CDを制作。
生田さんが写っているパーソナルな映像を繋ぎ合わせて、その映像につけた曲とのこと。
穏やかな海を眺めながら帰らぬ人に思いを巡らす気持ちになる