存在する音楽

ジャンルに関係なく良いと感じた曲は聴く
誰かの心に存在する音楽は
実際に音が鳴っていない時にも聴こえてくることがある

Johann Johannsson / Englaborn (Remastered)& Variations

2018-03-28 22:40:13 | album j
2018,3,23発売

2018年2月9日に突然亡くなってしまったヨハン・ヨハンソン。
教授の「ASYNC」リワークアルバムに参加していて、肌が合うので聴いてみたいと思っていたところだったので、割とショックを受けています。
そして、その死がこのアルバムを発売することになったのかもしれないけれど、坂本龍一によるヨハン。ヨハンソンの曲をリワークしたものが入っているということもあり購入して聴きこんでいる。




(1)オリジナル アルバム 「Englaborn」

1. Odi Et Amo
オディ・エト・アモー(われ憎みつつ愛す)


2. Englabörn
エングラボルン

3. Jói & Karen
ヨーイとカレン

4. Thetta Gerist á Bestu Bœjum
人生は浮き沈みがある

5. Sálfræðingur
心理カウンセラー

6. Eg sleppi þér aldrei
「君を離さない」

7. Sálfræðingur Deyr
心理カウンセラーの死

8. Ba∂
浴室

9. Ég heyrði allt án þess að hlusta
「耳をそばだてずに全てを聴いた」

10. Karen býr til engil
カレンが天使を作る

11. Englabörn - tilbrigði
エングラボルン・ヴァリエーション

12. Ég átti gráa æsku
「私の幼年期は灰色だった」

13. Krókódill
クロコダイル

14. Ef ég hefði aldrei...
「もし始めてなかったら……」

15. ...eins og venjulegt fólk
…常人のように

16. Odi Et Amo - Bis1.
オディ・エト・アモー(ビス)

(2)Englaborn Variations

1."Eg heyrdi allt an pess ad hlusta" (A Winged Victory for the Sullen Rework)


2.Odi et Amo (Johannsson/Donadello Rework)


3.Englaborn (Vikingur Olafsson Piano Version)


4.Joi & Karen (Ryuichi Sakamoto Rework)


5.Holy Thursday (Eg heyrdi allt an pess ad hlusta) (Theatre of Voices Version)


6.Englaborn (Viktor Orri Arnason Rework)


7.Odi et Amo - bis (Alex Somers Rework)


8.Salfraedingur deyr (Hildur Gudnadottir Rework)


9.Odi et Amo - bis (Johannsson/Donadello Rework)


10. .…eins og venjulegt folk (Paul Corley Rework)


11.Odi et Amo (Theatre of Voices Version)



HMVより

奇しくも追悼盤に。
坂本龍一をはじめとしたアーティスト達がヨハンソンのデビュー・アルバムをリワーク!
オリジナルのリマスター音源も収録した2枚組。

2018年2月9日に突然亡くなってしまったヨハン・ヨハンソン。数々の受賞歴に輝く作曲家/ミュージシャン/プロデューサーの彼が2002年、イギリスのTouchレーベルよりリリースしたソロ名義のデビュー・アルバム『エングラボルン』。このリマスター版に坂本龍一、アレックス・ソマーズ、ア・ウィングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン、他 世界随一の作曲家たちによるヴァリエーションが加わった2枚組がDGから新たに登場! オリジナルの『エングラボルン』はハフナルフィヨルズゥル劇団が上演した舞台のための音楽。サティ、バーナード・ハーマン、パーセル、ムーンドッグといったアーティストから、ミル・プラトー・レーベルやメゴ・レーベルの電子音楽まで、ヨハンソンが受けた影響の広さを伺わせるものでしたが、今回そこに新たなアーティストたちのエッセンスがプラスされ、多彩な魅力を放つ音世界が生まれました。

【坂本龍一氏からの追悼コメント】
「ヨハンはぼくにとって、ごく新しい友達でした。しかし長時間、お互いの仕事の話しをし、あるいはぼくのスタジオで半日、ともに録音したり、知り合ってからはとても深い時間を過ごすことができたと思います。何も約束はしませんでしたが、ぼくはこれから何度も共に音楽を作ることになるだろうと思っていました。お互いのリミックスの交換は、その始まりだったはずです。 そんな彼が何も言わずに突然去ってしまい、ぼくを含めて残された者はただ呆然としています。」 2018年2月 坂本龍一(輸入元情報)

ユニバーサル・ミュージック・JAPANより
数々の受賞歴に輝く作曲家/ミュージシャン/プロデューサーのヨハン・ヨハンソンは、1969年アイスランド生まれ。電子音とクラシックのオーケストラ・サウンドを融合させたヨハンソンの音楽は、バロック、ミニマル、ドローン・ミュージック、エレクトロ・アコースティック・ミュージックなど、多様なジャンルの影響を受けている。映画音楽の分野では、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『ボーダーライン』(15)の音楽で米国アカデミー賞作曲賞、BAFTA(英国アカデミー賞)作曲賞、放送映画批評家協会賞作曲賞にノミネート。また、スティーヴン・ホーキング博士の実話に基づくジェームズ・マーシュ監督『博士と彼女のセオリー』(14)の音楽は批評家に絶賛され、ゴールデン・グローブ最優秀作曲賞を受賞したほか、BAFTA作曲賞、グラミー賞サウンドトラック作曲賞、放送映画批評家協会賞作曲賞にノミネートされた。

 ヨハンソンは11歳より故郷レイキャヴィークでピアノとトロンボーンを学び始めるが、高校在学中、音楽を勉強として学ばせるレッスンに窮屈さを感じ、正規の音楽教育を放棄した。大学で文学と外国語を学んだ後、10年間にわたってインディーズ・バンドに楽曲を提供し、ギターのフィードバックを多用した音楽や、複雑なマルチレイヤーからなるサウンドスケープ作品を作曲。ヨハンソンは生楽器のデジタル処理を駆使しながら、生音と電子音を融合させ、個性的で斬新な音楽を生み出した。

 2002年、ソロ名義のデビュー・アルバム『Englabörn』をイギリスのTouchレーベルよりリリース。その音楽はサティ、バーナード・ハーマン、パーセル、ムーンドッグといったアーティストから、ミル・プラトー・レーベルやメゴ・レーベルの電子音楽まで、ヨハンソンが受けた影響の広さを伺わせた。その後リリースしたアルバムに、金管アンサンブル、電子ドローン、パーカッションのために書かれた『Virðulegu Forsetar』(04)、オーケストラのために書かれた『Fordlândia』(08)と『IBM 1401 – A User’s Manual』(06)――後者はIBMの先駆的汎用コンピューターが発する電磁波の発振音にインスパイアされたアルバム――などがある。2010年にはアメリカの実験映像作家ビル・モリソンとコンビを組み、北東イングランドの廃坑の歴史と遺産を叙情的かつ内省的に描いたドキュメンタリー映画『The Miner’s Hymns』を発表。ヨハンソンは同作の生演奏上映のために金管バンド、パイプオルガン、電子音を含むスコアを作曲し、サントラ盤もリリースされた。

 このほか、ヨハンソンはロウ・イエ監督『二重生活』(12)、ヤーノシュ・サース監督『悪童日記』(13)、マックス・ケストナー監督『Drømme i København (Dreams in Copenhagen)』(14)など、ハリウッド作品以外のワールドシネマやドキュメンタリー映画のサントラも手がけ、高い評価を得ている。2015年には、気の遠くなるようなスローテンポでサウスジョージア島と南極半島の荒涼たる光景を旅していく短編映画『End of Summer』で監督デビューを果たし、同作の印象的なサントラも作曲した。管弦楽、室内楽、舞台音楽の分野では、これまでにカナダ・ウィニペグ交響楽団、バング・オン・ア・キャン、シアター・オブ・ヴォイセズ、オスロ・ノルウェー・シアター、アイスランド国立劇場のために作曲をおこなっている。

 2006年12月、アパラット・オルガン・カルテットのメンバーとして初来日。2007年2月には札幌スノースケープモエレIIの公演で単独来日を果たし、さらに同年7月には<東京の夏>音楽祭2007でコンサート「ヨハン・ヨハンソンの世界」を開催した。

 2016年、6年ぶりとなるスタジオ録音アルバム『オルフェ』をリリースし、ドイツ・グラモフォン・レーベル(DG)よりデビュー。同じくDGより、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とのコンビ第3作『メッセージ』(16)サントラ盤もリリースし、ゴールデン・グローブ作曲賞、BAFTA作曲賞、グラミー賞映画・テレビ・サウンドトラック部門などにノミネートされた。

 2017年には、構想7年のマルチメディア作品《最後にして最初の人類》をマンチェスターにて世界初演。同年、ダーレン・アロノフスキー監督と『マザー!』(17)で初めてコンビを組み、音楽をほとんど流さないアプローチが話題となった。

 2018年1月に最後の映画音楽作品となった『Mary Magdalene』(18)を完成させた後、2月にジェームズ・マーシュ監督とのコンビ第2作『The Mercy』(18)サントラ盤をDGよりリリース。最後のソロ・アルバム『エングラボルン(天使たち)』リマスタード&ヴァリエーションズを完成させた直後の2月9日、ベルリンのアパートで遺体が発見された。享年48歳。

(訳および加筆:前島秀国)
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