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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



MLB ロイヤルズ対レッドソックス
(2007/4/6 NHK-BS1)

早朝3時に起きて、松坂大輔のMLBデビュー登板の様子を見た。

画面に映るロイヤルズの本拠地は、観客席もスカスカで、どこか盛り上がりに欠けていた。スタンドの観客はフードをすっぽりとかぶって、まるで冬のNFLを観戦しているかのような格好だった。実際に、気温は0度近かったようだ。

松坂が投げるときのホームベース後方の看板は、1回裏が「男のエステ ダンディハウス」、2回裏が「CASIO」、3回裏が「PENTAX」と日本企業が並ぶ。特に、デビュー回の「ダンディハウス」は、スポンサー様には失礼だが、「なんだかなぁ」という感じだった。松坂の目にはどう映っていたのだろうか。

こんなことだったこともあり、松坂がMLBのマウンドに立った姿を見ても、かつて野茂がデビューしたときのような高揚感はまったくなかった。本人の表情からも、特別な感情は感じられなかった。ただし、執拗に追い続ける松坂カメラが、松坂のほんの些細な変化も見逃さなかったせいかもしれないが、ベンチでの振る舞いにやや落ち着きがなかったように見えた。

時折見せる笑顔とは裏腹に、ピッチング自体はあまり調子がよさそうには見えなかった松坂だが、7回を1失点で終え、見事に初勝利を飾った。松坂の「投球術」がMLBの打者を抑え、打線を断ち切った結果だった。すでに証明されていることではあるが、日本人ピッチャーの繊細なコントロールがあれば、MLB相手といえども、恐れるに足らずである。そのことは、ロイヤルズの先発グレインキが、やはり低めにコントロールして、レッドソックスの強打者から三振を奪っていたことでもわかった。ただし、やはり次回は、松坂が「ボールの力」でMLBの打者を沈黙させるのを見てみたい。

この試合で、もっとも印象的だったのは、松坂がベンチからマウンドに向かうとき、本塁と三塁をむすぶベースラインとアンツーカーの幅約1メートルのところを、ピョンと飛び越える姿だった。日本では、白線を踏まないようにまたぐだけだったと記憶する。松坂の活躍とともに流行るのではないか。


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