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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



FCソウル 0対1 水原
(2007/4/8 ソウルW杯スタジアム)

試合はキックオフ直後から、激しい、荒々しいものになった。

3月21日のカップ戦の雪辱を狙う水原と返り討ちにしたいFCソウル。しかし、ウォーミングアップの間に放映されたカップ戦のダイジェスト映像が、水原の選手たちの闘志に火をつけてしまったようだ。

互いに中盤で激しいチェイシングでボールを奪うと、すかさず前線にボールを運び、積極的にゴールに迫る。序盤の主導権争いでは、やや水原が優勢。しかし、互いに最終ラインまでを崩すことはできない。ただ、そのめまぐるしい攻防は、観客の目をピッチに釘付けにし、心を奪う。

Jリーグと比較すると、プレーのスピード感はあまり変わらないが、ボールを持っている選手が果敢に1対1を仕掛けていくこと、そしてそれを止める守備の激しさが格段に違った。試合全体のスピーディで激しい流れのなかに、1対1の局地戦が随所に見られる。

代表チームのプレーにもあわられているが、日本(Jリーグ)の場合、パスワークで相手を崩し、チャンスをつくろうとする傾向が強い。しかし、韓国(Kリーグ)では、まずドリブルで1対1の局面を崩すことで、突破口を開こうとする。

そして、それに対する守備は激しい。かなり汚いやりかたで止めようとするシーンも多い。「いまのはイエローカードだな」と思っていても、笛がならないことさえある。ファウルの基準に、それほどの違いがあった。Jリーグなら、前半で、2、3人退場になっていたかもしれない。それに、はっきり言って、レフェリーの判定もかなり怪しかった。

しかし、その汚さやあいまいさを、両チームの選手たちは、一応受け入れていて、ことさらレフェリーにクレームをつけるわけでもない。さすがに、終盤になって、FCソウルのキャプテン、イ・ウルヨン(元韓国代表)がレフェリーに文句を言って、イエローカードをもらっていたが。

良くも悪くも、この激しさとあいまいさが、Kリーグのスタンダードなのではないか。選手もそのスタンダードを基準にしてサッカーをし、それを見ている観客も、むしろ魅力的なものとして受け入れている。

その証に、この試合の観客数は、55,397人と、韓国国内のスポーツの公式戦としては過去最高だった。(2002年W杯や2006年のFCソウル対FC東京の親善試合はそれ以上だったが対象外とのこと。)

1点をリードしていた水原は、後半5分間のロスタイムの間も、ボール・キープによる時間稼ぎをすることもなく、果敢に攻め続けていた。勝利とともに、最後まで攻めるサッカーをして、満員の観客の期待にこたえる。これも、Kリーグ標準と言えるだろう。

2002年のワールドカップ共催を機に、「近くて近い国」になった韓国に、Kリーグという、Jリーグとは違う魅力をもつサッカーがあることを再認識した。

試合は、前半に1点を奪った水原がそのまま逃げ切り、カップ戦の雪辱を果たした。試合が終わってすぐに、両チームの激突を再び見たいと思った。

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