行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

劇的決勝ゴールで4試合ぶり白星!勝利にかける気概が結果につながる  鹿児島ユナイテッドFC戦

2016-07-25 21:27:34 | カターレ富山
2-1で勝利!
J3初年度でありながら上位争いを繰り広げている鹿児島は、それが運やまぐれなどではないという確かな力を見せつけてきました。手ごわい相手に苦戦を強いられ、引き分けもやむなし・・・むしろ、その勝ち点1すら獲り逃すかも、という事態すら頭をよぎった試合最終盤。
ドラマが待っていました。
最後の最後まで諦めず、勝ち越しゴールを狙っていく―――そんなメッセージを託され、パワープレイ要員として今季初出場として投入されたレンペー。見事に期待に応える、まさに値千金のゴールを決め、ホームスタジアム・県総に歓喜をもたらしたのでした。

上位陣との直接対決を勝っていくことこそが、10もの勝ち点差をつけられている首位・栃木に追走していくための道。
今節、この富山-鹿児島戦だけが19時30分試合開始であり、その時点ですでに栃木の9連勝が成し遂げられていました。わかっていたことではありましたが、それでも再確認。引き分けすらダメで、勝つしかないのだと。これ以上引き離される敗戦などは、もってのほかだと。
今節のトピックは、ルーキーの西室が今季初出場・初スタメンでJデビューとなったということでしょう。
かつてカターレで活躍した長山が引退後、母校である法政大学サッカー部の監督に就任。その長山監督の薫陶を受け、活躍が認められてカターレ入団となった西室。
「あの長山の弟子」ということで、個人的に思い入れをもっていた選手であったものの、これまではベンチ入りこそあったものの、出場は無し。
初の実戦でどのようなプレーを見せてくれるのかと、関心も高く見ていたのですが。
これまでレギュラーとして左SBの定位置についていた國吉に代わっての出場だったのですが、試合開始早々、いきなりやってくれました。
後方からボールを回してペースを整える役割だけでなく、機を見て果敢にドリブルで上がっていくという動き。5分、そのドリブルから前線の萱沼にパス、その萱沼が相手のブロックをものともしないタフさでボールを保持すると、そこからシュート。グラウンダーのボールがゴール左ギリギリに吸い込まれ、見事に先制点を挙げたのでした。
今季6ゴール目となった萱沼の積極性が生んだゴール。そのすばらしさに賛辞は惜しまないものとして。起点となったのは、西室のドリブル。果敢に前を向いて攻めていくという姿勢が呼び込んだゴールと言ってもいいのではないでしょうか。
ですが。幸先よく先制ゴールを挙げても、鹿児島のペースは乱れませんでした。
16分、CKのピンチでMF中原 優生にヘッドで決められてしまい、同点に。セットプレーが試合のカギを握ると予想していましたが、悪い意味でそれが的中してしまったかたち。
相手のうまさというよりは、マークにつききれなかった自分たちの甘さが招いた失点、という意味合いが大きかったように思います。
振出しに戻った試合。そこで意気消沈してしまっていたならば、これまでの良くない流れの繰り返しであり、それが続いたならば逆転も時間の問題であったかと。

しかし。
今節のカターレは、ここ最近の良くないプレーぶりではありませんでした。
逃げのパス回しの挙句にリズムを自ら悪くし、結局ボールを奪取され、ピンチにつながってしまう―――そんなことを繰り返してしまっていたここ最近でしたが、今節はどうではなかった。前述の西室のプレーぶりもそうですが、パス回しにしても、意図を、繋げる意識をきちんと感じるものであったかと。
経験の浅さゆえに「もうちょっと良いところにポジショニングしないと」とか「そこはもっと相手に詰めていくとこでしょ」なんてところのあった西室ですが、初出場で完璧を求めるのもいささか酷ではありましたが。それでも、ひとつ前のポジションの脇本とのルーキーコンビで頑張っていた左サイド、右SB起用された三上、それらをつなぐ代と平出のコンビともども、きちんと悪い意味でのこれまで通りではないプレーぶりであったのが印象に残りました。
ただ、相手の鹿児島もさるもの。
浅野監督が特に力を入れているところなのでしょう、とにかくよく動く。ひとりふたりでなく、全体できちんと攻守の機を見た動きができる、というか。
もちろんカターレの側もしっかりと対応してそう簡単にはやらせないプレーぶりではあったものの、なかなか主導権を確保するには至らず。
試合序盤で1点ずつ得点したものの、その後はお互いになかなか決定的なチャンスにまで至れない展開が続きました。

夜空に花火が打ちあがったハーフタイムを挟み、後半開始。
あるいはルーキーコンビのサイドを重点的に狙われてしまうのでは?という危惧もありましたが、そうしてこなかったのか、あるいはそうさせなかったのか。
カターレの側として「そうさせない」ための一手として、59分、今節はスタメンを外れていた北井を投入。今季ここまで多かったSBではなく、攻撃のための起用でした。
スタメン発表でベンチスタートと知ったときから「後半の勝負どころでの投入だろうな」とは思っていましたが、やはりそれは相手のスカウティングもまたそうであったようで。カターレの警戒すべき選手として、ときに北井ひとりに3人がつく、なんて場面があったり。
その北井が切れ込んでシュートを放つもサイドに流れてゴールならず、という場面を含めても、後半、なかなか攻めきれず。
どちらのチームも、主導権を掌握するには至らないまま、じっと耐える展開。両チームとも後半はシュート3本と少なかったことからも、なかなか決定的チャンスを形成するまでには至らなかった我慢比べという構図であったかと。
81分、足がつってしまった西室が交代。初出場に「緊張はしなかった」とのことですが、やはりそこは実戦。ペース配分など、出場したからこその経験を、今後につなげねば。

「次の1点」がどちらにも入らないままに、いよいよ試合も最終盤。
敗戦を最悪の結果とするならば、このまま引き分けもやむなしか?という雰囲気ではありましたが。
それでも。
それでも、勝たねばならなかった。勝たないと、差は広げられてしまうばかり。縮めるだけのチャンスが減っていくばかり。
勝たねばならない、どうしても。
86分、衛藤に代わってレンペーを投入。
これがもし引き分け狙いであったなら、守備力の高い吉井であっただろう場面。しかし、そうではありませんでした。
明確な、勝利へ向けた勝ち越しゴールを狙えというメッセージ。ここまで来て、引き分けではないだろう、勝たねばならないだろう、と。
そして迎えた、90分、CKのチャンス。
プレビューで書きました。ここぞという場面でしっかりと決めきる力を発揮せねばならない、と。
まさに、その「ここぞ!」という場面。キッカーの精度の重要性についても書きましたが、萱沼の蹴ったボールにファーサイドで飛び込んだレンペーが頭で合わせ、ゴールへ!
劇的勝ち越しゴールに、県総のテンションもMaxに!見事に、日曜の遅い時間になるのを覚悟で詰めかけたファン・サポーターが願う勝利を手繰り寄せる貴重な勝ち越しの得点を挙げたのでした。

先月26日のYS横浜戦以来の勝利。あのときはPKの1点のみで実質的に引き分けだったようなもので、勝利にも複雑な気持ちにしかなりませんでしたが。
もちろん、100点満点の勝利ではなく、課題であったセットプレーから失点してしまったことをはじめ、反省点もいろいろとありました。
しかし、それでも。
勝利への意志をしっかりと示した試合。そこで、勝ち切った。その意味の大きさ。
初出場初スタメンであった西室、今季初出場で決勝ゴールを挙げたレンペー。
サッカー選手として、試合に出場してナンボ、という思いはあったかと。出場できない日々のなか、活躍してチームの勝利に貢献したいという思いも、やはり大きかったことかと。
それでも腐ることなく精進を重ねてきたこと。それが、こうして確かな実績につながったこと。
当然ながら、サッカーはひとりでやるスポーツではなく、出場できない選手も含めて全員が一丸となって勝利を目指すもの。
その原則を、あらためて認識する結果となった、という見方もできるかと思います。

勝ち点1止まりである可能性が濃厚であったところ、自分たちの意志が、勝利への執念が、それを変えた。勝ち点3へと変えた。
この成功体験を、今節だけのものとしないために。糧として、次なる勝利へと結びつけ、更なる勝利へと繋げていくために。
心の底からのファン・サポーターの歓喜は、きっと選手たちに届いているはず。
何度だって、歓喜します。願う勝利が達成されたなら。
さしあたっては、次節。次も上位との直接対決となる、長野戦。
優勝への道を、切り拓いていくために。
この勝利を、つなげなければなりません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする