0-4で敗戦。
勝てたはずの試合を落とすかたちでドローとなってしまった前節を受け、奮起が求められた試合。それは天皇杯・川崎戦の善戦から8得点と大爆発して勢いに乗る長野が相手でも例外ではなかったはず。
しかし。
先制点を奪われて相手の士気が上がったところを対処しきれず、2失点で試合を折り返し。後半の逆襲に繋げねばならなかったところ、相手にとっていい時間帯で突き放す追加点を奪われ。敗色濃厚であっても意地を見せて一矢報いねばならなかったはずが、試合終了間際にダメ押し失点。
8試合ぶりの敗戦、それも惨敗と言える負け方によって、ヘタをすればこれまでの勝ってきたチーム状態の自信そのものを揺るがされかねない事態。
連続得点試合もストップしてしまい、その傾向はさらに顕著か?とも。
これまでの戦績は、まぐれだったのか?
積み重ねてきた輝きは、メッキでしかなかったのか?
危機的状況に立たされたと言っていいカターレ。
「長いシーズン、そりゃ、負ける試合もあるでしょうよ。たかが1敗で悲観的過ぎでは?」と言われるかもしれませんが。
1敗を、無得点大量失点負けを、「たかが」と言っていられるほどの余裕があるならばいいのですが。
シーズンたったの28試合しかないなかにあっては、各クラブの力の差が大きくないなかにあっては。
悲観的と言われようが重く受け止めねば、最後の最後で泣くことになることは目に見えています。これまでのシーズンもそうであったように。
これまでと同じでないと言うのならば。本気でJ2復帰を目指す、優勝を目指すというのならば。
「たかが1敗」で済ませて良いはずなど、ありません。
必要以上に悲観してプレッシャーに押しつぶされるなど論外にしても。
決して軽んじてはならず、巻き返しに全集中していかねばならないところです。
コロナ禍にあってはアウェイ行きもなかなかままならないというなかで、「せめて近い長野くらいは」との意気込みで応援に駆け付けたファン・サポーターも少なくなかったことでしょう。アウェイ側スタンドを多くの青色が占め、選手たちを鼓舞しました。
前節と同じメンバーが名を連ねたスタメン。やや風の影響があるか、というなかでもピッチ状態は良好。いかに自分たちの力を発揮しきることが出来るかが問われました。
・・・しかし。
試合序盤は、互角というよりはカターレのほうが押している感があったくらいでしたが。
試合経過、結果は上記の通りで。
「勢いのある相手に対し、こちらが受け身になってしまうとこうなる。最近の長野の試合を見ていてそれは分かっていて、自分たちがサッカーの内容やメンタルでどれだけはね返せるかが問われた。受けてしまった感覚はなかったが、結果的にそうなってしまった。」
試合後、キャプテンの西部はそのようにコメントしたようですが。
個人的印象としては、まさにそのコメント通りであったかと。
上位につけているカターレと言えど、圧倒的な有無を言わせぬ戦力でもって相手をねじ伏せて勝っている、というわけではありません。
にもかかわらず、受け身に回ってしまった。それも、勢いのある相手に対して。
それは、試合を通じてひしひしと伝わってきたのでした。
横綱相撲のように、相手に力を出させて、受け止めてなお勝ちきるというようなことが出来れば言うこと無しなのでしょうが・・・現状、カターレはそうではありません。
その結果、どうなったか。
大量4失点を喫し、反撃及ばず無得点。
いや・・・反撃及ばず、というのも、ちょっと違うかもしれません。
反撃そのものが、うまく出来なかった。
相手のプレッシャーにのまれてしまい、自分たちのサッカーがまるでできていなかった。
その意味で、厳しいことを言うようですが、この結果は残念ながら当然です。
メンタルの強さで及ばなかった、というところについては。
失点のたびに・・・というか、最初の失点の時点から既に、各選手がガックリと落胆しているように見えて仕方がありませんでした。
サッカー専用スタジアムで、それこそホームの県総とは比較にならないくらいにピッチと近いゴール裏。実際に、試合前のウオーミングアップの時に飛んできたボールがぶち当たって痛ぇ!ってこがありましたが。
そこから見ていたからこそ見えた、ガッカリしている姿。見間違いではなかろう、と。
あと、西部ですが・・・。
失点直後、アウェイ側スタンド上部に設置されたビジョンのリプレイでそのシーンを確認していたようですが。
もちろん反省は必要ですし、検証しつつその後に活かさねばならないことはわかります。
けれども・・・本当にやらなければならんかったのは、すぐにメンバーを鼓舞し、1秒でも早く反攻体制を整えることではなかったのか?
素人の浅見、差し出がましさ満点な見方でもあるように自分でも思いますが、それでも。
正直言って、「失点がなんだ!それ以上に獲り返せば済むことだろうが!」という雰囲気の醸成が、出来ていなかったように見えて仕方がありませんでした。
プレッシャーに押されてしまう、メンタル。
そりゃ、長野の各選手も勢いそのままにアグレッシブなプレスをかけて来てはいました。
けれど、それにバカ正直に付き合ってしまっていた印象。
自分たちの強さを信じて、「そんなもん知らん!」というメンタルの強さを発揮出来ていたら、同じ結果にはならなかったでしょう。
各々が自分勝手なプレーをしてしまっては、簡単なパスひとつ繋がらないというのがサッカーというスポーツですが。
チーム一丸となって強者のメンタルを見せて、「絶対に勝つ!必ず逆転してやるぜ!」という雰囲気を醸し出し、それをプレーで体現出来ていたかと言えば。
残念ながら、ノーと言わざるを得ません。
1点獲られても2点獲り返す、2点獲られても3点、3点獲られても4点・・・そんなサッカーが出来ていたかと言えば、そうではなかった。
もちろん、相手あってのことであることは百も承知。そういつも上手くいけば誰も苦労しない。結果が出せないことも、当然のようにあります。
けれども。
相手にプレッシャーをかけられた状態で、反撃の糸口を掴めないままバックラインでパス回し、という場面も何度もありましたが・・・。それは、本当に相手強さのせいだったのか?と。
プレッシャーに抗えない、自分たちのメンタルの弱さのせいではなかったのか?と。
反攻の意志を見せることそのものは、相手云々ではなく、自分たち自身の問題。
それが出来ていなかった。出来ていなかったがゆえに、大敗を喫してしまった。
その事実は、重く受け止めねばなりません。
言うまでもなく、覆水盆に返らず。敗れてしまった事実を覆すことは出来ないのであって。
切り替えることが重要、引きずって連敗などもってのほか。
「この敗戦をバネに、次こそは!」その気概は、重要。
ただ。敗れて取り返しがつかなくなる前に、なんとかできないのか?と。
結果が出てしまった後では、どうにもならないけれど。
それが、試合中ならどうか?
負け試合を引き分けに、引き分け試合を勝ち試合にするチャンスは、試合中にならあるのです。頑張り次第で、結果を変えることは出来るのです。
それを思うとき・・・失点した時、ガックリと肩を落としている場合ではないでしょう。それは、自分たちからチャンスを遠ざけてしまうことにならないか?
「切り替えてやっていく」ということは、試合中にこそやっていかねばならないこと。
言うは易く行うは難し。けれども、それをやりきる。それこそが、強いチームでしょう。それこそが、J2復帰を、優勝を目指すチームの姿でしょう。
首位の岐阜が敗れたことで、敗戦を喫しながらも勝ち点差を引き離されることはなかったものの。一方で、岩手に並ばれ、大量4失点が響くかたちで3位に順位を落とすこととなってしまったカターレ。
3得点以上を挙げていない一方で、4失点を喫したこと。勢いある相手を叩けば、ただの1勝以上の価値があった試合を、逆に落としたこと。
そして、連続得点試合を途切れさせてしまったこと。
ネガティブに考えてしまうと、いろいろと出てきますが。
これでもし、次の第13節・今治戦にまでネガティブを引きずってしまったならば、続けてきたホーム戦無敗という拠り所も失うことになりかねません。
ここで踏ん張ることができるかどうか。
今ならまだ、「たかが1敗」で済ますことも出来なくはない。
けれども、シーズンが進行するにつれて、厳しいシチュエーションというものは、否応なくやって来ます。
「この一戦だけは、なにがなんでも勝たねば!」という、それこそメンタルの強さが問われる試合というものも、必ずやって来ます。
そのときに、メンタルの弱さゆえに敗れた、というのでは・・・これまでの繰り返しです。
優勝するんだろ?だったら弱音を吐いている場合じゃねーよ!うつむいている場合じゃねーよ!!
少なからず、今節の結果にはガッカリとさせられましたが。
今季のカターレが優勝を目指すチームだということを信じる気持ちまでもが失われたわけではない、ということは言っておきます。
だからこその期待。
次節は土曜日にすぐやって来ます。
踏ん張りどころで、屈しない。
そんな強さを見せる試合、そして勝ちきる試合。それを、ファン・サポーターに届けてほしいです。