1-2で敗戦。
どうしても勝たねばならなかった一戦。選手たちに気迫は存分に感じられたし、先制ゴールを奪って勝利への道筋もつけた。
ただ・・・結果が、伴わなかった。
バーに救われたり決定機を外されたり、負傷で1人少ないなどのピンチをどうにかこうにか乗り切っていたものの、最後の最後、まさにラストプレーで暗転。
前回対戦のお返しとばかりに逆転負けをくらい、痛すぎる敗戦。
ただでさえ低かった昇格への可能性は、ほぼ数字だけの状況へと追い込まれることとなってしまったのでした。
前節より大きくスタメンを入れ替えて臨むこととなった今節。実に8人を変更することに。
DFでは髙山が初スタメン、小田切体制初スタメン起用の鎌田。怪我の離脱から復帰の碓井とシルバのボランチ。安藤が控えに回り、陽次を起用。FWは高橋と吉平が務めることとなりました。
アウェイの地、そして雨というコンディションのなかで、いかに自分たちのサッカーをやり遂げるか。各メンバーがベストを尽くす活躍が求められました。
前節・藤枝戦の敗因として、前半から相手に試合状況に慣れる時間を与えてしまったということがあったかと。それを繰り返さないためにも、早い段階から主導権を握る展開が求められたところ。
そんな意図と、藤枝ほどには圧が強くなかったこともあったか。序盤は、カターレ側が優勢に。
そんななかで、16分。
前線へのロングボールをペナルティーエリア内で高橋がしっかりと収めると。そこに走り込んできた吉平にパス、そのままエリア外から勢いよくグラウンダーのシュート!
それが見事に決まり、先制に成功。
前節の反省を踏まえ、良い時間帯にしてやったりの先制点。吉平も、見事に起用に応えてみせました。
勝利に向けての道筋をつけたカターレ。
その後、松本が痛んで前半のうちに交代してしまうというアクシデントもあったものの、それでも。
負けられない戦い。勝利に向けて、1-0で前半を折り返し。
・・・しかし、後半開始から早々でした。
49分、変化をつけたCKからの流れで、ゴールライン際から元カターレの萱沼 優聖が上げたクロスを近石 哲平にヘッドで決められてしまい、追いつかれてしまうことに。
相手にとっては、反撃の後半に理想的なかたちで試合を振り出しに戻すことに成功したかたち。
一方のカターレにとっては、引き分けすらNO、勝つしかないなか、どうしても勝ち越しゴールが必要という展開に。
たらればを言っても仕方ないけれど。
もし、このタイミングで「次の1点」を挙げたのがカターレであれば、試合展開、そして結果は違っていただろうな、と。
ここ5試合で4勝1敗と調子を上げている八戸にとって、闘志が沸く同点ゴール。
カターレにとっては、どうしても勝たねばならないなかで、厳しい同点ゴール。
だんだんと、八戸の側に勢いが増していくなかで。
バーに救われて事なきを得るという大ピンチがありながらも、なんとかしのぎ続けたカターレ。
押され気味のなかで、さらなる痛手となったのが、84分、途中出場から奮戦していたガブが負傷でピッチを出ることとなってしまったこと。
交代枠を使い切った状態であり、ただでさえキツイ試合最終盤にあって、ひとり少ない10人となってしまったこと。
正直、劣勢は明らかでした。
ただ、それでも。
あきらめなかったカターレ。88分には、松岡が得意なかたちでゴールライン際まで攻め入り、中央へクロス。それを髙山が頭で合わせ、最後は高橋が蹴り込むものの・・・今度は、カターレ側がポストに嫌われることに。
92分には高い位置でボール奪取した高橋がほぼ1対1という状況で蹴り込むものの、ゴールならず。
チャンスを逃したしっぺ返しとでも言うように。そこで得たCKの流れからカウンターをくらい、GKの山田まで前線に上がっていたガラ空きのゴールに蹴りこまれてしまい・・・。
しかし、九死に一生、ボールは僅かにゴール左にそれて事なきを得ることに。
チャンスとピンチが交錯するなか、5分のアディショナルタイムも残りわずか。
実質、ラストプレーでした。
右サイドから中央へというクロスを上げられたところ、対応していた高橋の体に当たってゴールラインを割ってCKか・・・と思われていた、その刹那。
ボールはラインを割っておらず、そこに詰められてゴール前へと蹴り出されると、それを押し込んだのは、萱沼。
油断があった、というには、あまりにも・・・。
八戸にとっては劇的決勝ゴール。カターレにとっては、悪夢以外のなにものでもありませんでした。
よく、「スポーツは筋書きのないドラマ」なんて言われ方をしますが。
実際のところは・・・「これ、絶対誰かがシナリオ書いているだろ⁉」ってなことを実感することなど、しょっちゅう。
劇的な勝利に歓喜!など、ポジティブに「こんなん、誰かが仕組んだとしか思えない!」ということも、まぁ、無いではないですが。
経験上、その8割くらいはネガティブな意味で、となるでしょうか。
例を挙げるなら・・・忘れもしない2014年。「せっかく勝ったのに降格確定」とかね。
今節にしても、そう。
前節、藤枝に力の差を見せつけられて大敗。そんななかでの唯一の希望は、最後の最後まであきらめずにプレーを続けて、ラストプレーで一矢報いるゴールを挙げたことでした。
そうして迎えた今節・八戸戦。
連敗阻止に向けて幸先良く先制したのに追いつかれ。
「言ってたよな?最後の最後まであきらめないことが大事だって」とばかりに、前節とは真逆にラストプレーで失点してしまう。それが、前回対戦では逆転勝利した相手に逆転負けという事態につながり。しかも、過剰演出としては、元カターレの萱沼による恩返しゴールとか。
これが、悪辣なシナリオライターがゲラゲラ笑いながら仕向けたことでなくて、なんなのか・・・そんなことを考えてしまうような。
閑話休題。
そんな考えても詮方ない妄想にとりつかれてしまうくらいには、精神的ダメージの大きさを実感せざるを得ない敗戦であったかと。
なにからなにまで自分たちのサッカーを貫けなかった自己責任で負けた、とかならともかく。勝てるチャンスを活かせず、取りこぼしと言うには、あまりにも痛い敗戦。
けれども。
後悔は、シーズンが終わってからすれば良い。
まだやるべきことが残っているなか、“先悔”のようなことをしている場合ではないのであって。
今やるべきは、悔やんでうつむくことではない。ファイティングポーズを取り続けることでしかないはず。
だったら。
自分たちのチカラを証明するための戦い。それを、体現するために。
戦い続けるために。
前を、見据えていかねばなりません。