0-2で敗戦。
15周年記念ユニフォームを纏って臨んだ試合。カターレ富山15年の軌跡を、歴史の重みを感じながら臨む試合であった・・・はずだったのですが。
確かに、歴史は感じることができました。
ただし、負の歴史。
いわゆる「ダメなときのカターレ」を晒してしまうかたちで、今シーズン2度目の2連敗。しかも、前節に続いて無得点敗戦という。
相手以前に、自分たち自身に負けての敗戦ーーーそんな自滅に近い敗戦で、6000人を超えたホームのファン・サポーターの期待を裏切ってしまったのでした。
普段のナイトゲームであればおおむね18時キックオフで、19時のときもある、という試合開始時間ですが。今節は例外的に18時30分の開始。ただ、その試合開始時間に合わせたかのように雨が降りだし、ときに豪雨の中での試合となりました。
お盆も過ぎたというのに、日中は猛暑日という厳しい暑さ。なんでよりによって試合に合わせて降るのか、なんてぼやきたくもなりましたが。
やはり、いやおうなく思い出されたのが、先の天皇杯3回戦・新潟戦。
今回もまた落雷の影響で中断、後日途中から再開、なんてことは勘弁してくれ、と。それならば、格上相手にも敢然と立ち向かって好勝負を繰り広げた、その気概だけを再現してくれ、と。
しかし。
そんな雨の中、16分という比較的早いタイミングで失点。前節福島戦に続いて相手に先制点を許してしまい、追うかたちとなってしまったのでした。
カウンターから綺麗にくずされてしまい、なんというか、いいようにやられてしまった、というような印象。監督にして、「あっさりやられたという感じ、もったいない失点でした」と振り返ったくらいの。
先制点を許し、そこからの反撃が及ばずに無得点のままに敗れてしまった前節のことを思えば。その反省を活かしてしっかりと防ぎ切らねばならなかったところ、それができないままに失点。どうにも、嫌な雰囲気が漂うことに。
失点してしまった、そのこと自体を悔やんでもはじまらない。いかに追いつき、逆転するか。
反撃に出なければならなかったカターレでしたが・・・どうにも、その質が。
まったくチャンスが無かったわけではなく、攻め込んではいました。自分たちのペースとなる時間帯も、ありました。
けれど。
そこで「同点、逆転も時間の問題か」という期待をいだかせる攻めを見せられたらよかったのですが・・・そうは見えませんでした。
相手ゴール前での、もう一押し。その迫力というものに欠けていました。
なんで、シュートの場面で躊躇、自分ではない誰かに任せようとするのか。
練習でやっていないことを本番でいきなりやろうとしても無理が出る、ならば愚直にやってきたことを繰り返すだけーーー確かに、そういう一面はありましょう。けれど、“それだけ”になってしまってはないないか?
なんというか・・・こういうシーンは、この試合だけじゃない。
むしろ、これまで幾度となく見てきた。
今節、15周年ユニフォームを身にまとって試合に臨む選手たち。
15年の歴史を積み重ねてきたカターレですが、そのなかで、幾度となく見てきた、そのたびに苦い顔をしてきた、そんなシチュエーション。
なんで、得点を挙げる、チームを勝たせるという責任から、逃げてしまうのか。
選手たちにはそんな意識はないかもしれません。それぞれに一生懸命やっているのかもしれません。
けれど、そう見えてしまうことそれ自体が問題で。
差をつけられてしまっている首位・愛媛を追わねばならないところ。差を縮められている3位以下を引き離さねばならないところ。
そんな大事な試合で、積極性を見せてゴールに迫れないとか、どういうことだ?と。
0-1で前半を終え、ハーフタイム。
雨で中止か?と思われた花火も予定通り打ち上げられたハーフタイムを挟んで、後半。
同点、逆転を目指さねばならないことは言うまでもなかったはずだったのですが・・・。
54分という早い段階で、再びMF和田 昌士に決められてしまい、反撃のムードがしぼむことに。
それも、警戒していたはずのカウンターから、人数が足りていないところをまんまと決められてのもの。攻勢に出ていた、リスクを負っていたとはいえ、あきらかに自分たちの至らなさでの失点であっただけに、余計に質が悪かったというか。
その後、大野に代えて吉平、前節に続いての出場、ホーム戦デビューとなったショウセイなどのカードを切って反転攻勢に出るも、奏功せず。
勝てないまでも同点、ならばせめて1点でも、という願いも届かず。
2試合連続無得点での2連敗。
足踏みというには痛すぎる敗戦で、好調を続けてきたホーム戦を落とすことになってしまったのでした。
他会場では、奇しくも首位の愛媛も2点ビハインドとなったものの、そこから逆転勝利。底力を発揮して勝ち点3を積み上げ、少なくともキープせねばならなかった勝ち点差を7に広げられることに。勝たねばならなかった試合で勝てなかった代償というものは、高くつきました。
他方、敗れたことで陥落も止む無しという昇格圏でしたが、3位の沼津も敗れたために、差は変わらず。結果的に2位をキープしたのでした。そのあたりは、単にラッキーだっただけ。このままでは、陥落が1節伸びただけ、ということにもなりましょう。
大事な試合に限って落とすという、悪い意味で、これまでのカターレの伝統にのっとった試合。そんな姿を6000人超に晒してしまう失態。無念です。
それも、相手云々ではなく、自分たちの至らなさがまねいたかたちで。
重い、連敗。
これが試練というなら、どう乗り越えていくか?
次節もまたホーム戦、下位の相模原を迎え撃つことになりますが。
3連敗などもってのほか、是が非でも勝たねばならないというプレッシャーがかかる試合になるなかで。
ここで踏ん張らずして、なんとするか。
今季カターレの真価が問われます。