前節、勝てば順位を入れ替えて昇格圏復帰という大事な試合で敗れ、絶好のチャンスを逃してしまったカターレ。
確かに痛すぎる敗戦ではあったものの、それでも。
可能性そのものが無くなったわけでは、決してなく。
むしろ、敗れてなお1試合の結果で覆せる状況にいることは、僥倖とさえ言えるのであって。ならば、再び立ち上がり、勝利に向けて邁進するのみです。
11月の遠距離アウェイ3戦のうち、2戦目となる今節。1戦目がJ3の南の果て・沖縄であったことを思えば、今節は北の果て。八戸市・プライフーズスタジアムへと乗り込み、ヴァンラーレ八戸と対戦します。
残り3試合で2位・鹿児島とは勝ち点差2。得失点差11の大差をひっくり返すことは現実的ではない、すなわち同勝ち点ではアウトということ。
鹿児島が少なくとも1敗することを、勝ち続けた上で期待せねばならない状態。
確かに他力本願なところはあるにせよ、それでも。
4位以下のチームが残り全勝しようが、カターレが残り全勝すれば関係ないこと。
自分たちのやるべきことをやる他は、鹿児島の動向だけを気にしていればいい。それは、充分に現実的な目標の範疇と言えるでしょう。
これがもし、「自分たちが全勝しなければならない、かつ、上位が都合よく総崩れすることが条件」では・・・さすがに、たとえ可能性的にはゼロではないとしても、実現は非現実的と言わざるを得ないところでしょう。
まさに、そうした状況に置かれているのが、今節の対戦相手・八戸。
勝ち点49で、2位鹿児島の58とは9差。数字の上では昇格の可能性が残されてはいるものの。
残り全勝必須、しかも鹿児島が全敗しても同勝ち点、得失点差で上回るためには3試合で最大14点を挙げねばならないという無理ゲーっぷり。しかも、富山をはじめとした間のクラブもまた都合よく負けていなければならず、勝ち点を積み上げたら即アウト。まさに、数字の上だけの非現実的な可能性。
そんな可能性すらも、今節のカターレの勝利でもって、バッサリとカイシャクしてやらねばならないところ。
それでなくとも勝たねばならない理由しかないカターレにあっては。
一片の容赦もなく、勝利を、勝ち点3を奪取しなければならないことは、言うまでもありません。
実におよそ半分ものクラブがシーズン途中の監督交代に踏み切るという、異例のシーズンとなった今季J3にあって。
カターレの前監督であった石﨑 信弘監督の指揮の下、2023シーズンを戦い抜いてきた八戸。現在13勝10分け12敗、最近5試合では3勝1分け1敗と、培ってきたスタイルの浸透が、この最終盤のチームを支えているようで。
シーズン中に4連敗を喫したカターレだけでなく、上位でも連敗して落ち込んだ時期があったクラブもあったなかで。大型連敗がなく、2連敗でとどめていた八戸。
ただ、その2連敗が複数回あったこと、大型連勝がなかったことが、上位進出にまでは至らなかった要因になっていたようで。
それでも。
カターレがシーズンダブルをくらって敗れた鹿児島を相手にシーズンダブル勝利を挙げるなど、その実力は決して侮ってはなりません。
前節は宮崎対戦し、乱打戦を制して4-3で勝利。
同点で迎えた試合終盤の80分に勝ち越しゴールを挙げるも追いつかれ、88分には逆転をゆるしてしまい、万事休す・・・かと思いきや。
その直後に再び同点として、90+4分に逆転し返すという劇的な幕切れで勝利をもぎ取ってみせました。
その勢いそのままに連勝を狙う、今節のホームゲーム。
たとえ昇格が数字の上だけの可能性になろうが、勝利にかける情熱は失われてなどいないことでしょう。それでなくとも富山には6月の前回対戦では敗れていることもあり、上位につける相手に一泡吹かせてやろうと、士気も高く待ち構えていることかと。
アウェイ八戸戦と言えば、昨シーズンの第30節。
せっかく先制ゴールを挙げながらも追いつかれてしまい、試合は最終盤。なかなか厳しい状況ながらも、せめて勝てないまでもドローで勝ち点1をーーーその思いを、最後の最後、90+6分というまさにラストプレーで、元カターレの萱沼 優聖(現 YS横浜)に決勝ゴールを決められてしまい、痛恨の敗戦を喫してしまうことに。
昇格の可能性は数字の上でこそ残ってたものの、事実上の終戦。やりきれない敗戦となってしまったのでした。
そんな悪夢を払拭し、今度は逆に、八戸のわずかな可能性も消し去る勝利でもって引導を渡さねばならないカターレ。
相手が、他のどのクラブの監督よりもカターレを知り尽くす石﨑監督であっても。その石﨑イズムの体現者・元カターレの姫野 宥弥が立ちはだかろうとも。
現在3位につけているカターレが、昇格を現実的目標として捉えているカターレが八戸よりも上であるという事実を、勝利でもって知らしめねばなりません。
逆もまた真なり、と言うように。
石﨑監督がカターレを知るように、小田切監督もまた、石﨑サッカーのスタイルを知るわけで。
姫野の恩返しゴールなどは願い下げですが・・・だったら、むしろこちらがやり返せばいい。
かつての藤枝3人衆、吉平の活躍をもって。
前回対戦では、PKを決めた吉平のゴールが決勝点となって勝利につながりましたが。
前述の昨季アウェイ戦では、せっかくの先制ゴールが勝利に結びつかなかったという悔しい思いもしています。
そのリベンジの機会。そして藤枝時代からの恩師・石﨑監督への恩返しゴールでもって、カターレ富山の吉平 翼、ここにあり!そんな活躍が見たいです。
そして。
確かに前監督であり、他のどのクラブの監督よりもカターレ富山の選手たちの特色に精通している石﨑監督ではありますが。
必ずしも、知っていることばかりではないということ。
昨シーズンの石﨑監督在籍時には、ほとんど出場のなかった安光や大山、そして松岡。彼らが今や、チームの中核、スタメンとして活躍しています。その台頭があってこその今シーズンのカターレと言ってもいい。
吉平のみならず、彼らにとってもまた、恩返しの機会。成長ぶりを存分に見せつけ、八戸の攻撃をシャットアウト、こちらの攻勢につなげる活躍を見せてほしいです。
松岡に関しては、鳥取戦、琉球戦とゴールを決めたからには、アウェイ戦連続ゴール更新の得点でもって、チームの勝利をもたらしてほしいです。
前回対戦で勝てた相手だから今回も勝てる、というほど甘いものではないーーー痛恨の極みとなってしまった前節・奈良戦で思い知ったばかり。
今節の八戸もまた、同じでしょう。必ずしも勝てるとは限らない。
けれど。
それでも、勝たねばならない。勝たねばならない理由しかない。
不幸中の幸いという表現が適切かどうかはさておき。敗れてしまったものの、致命傷にまでは至らなかった前節。
ポジティブに考えるならば、「もう、なにがなんでも勝つしかないんだ」と、気を引き締め直す機会を得たとも言えます。
たとえ前節勝って2位となっていたとしても、そのあとが続かずに敗れて再逆転されて昇格出来ず、となっていたのでは、元も子もない。
そうではなく、可能性が残されている時点で、もう勝ち続けるしかないという不退転の覚悟が出来た。
だったら。
理屈じゃない。勝つんだ。
追われる側の鹿児島だって苦しい。絶対なんて無い。
ならば、カターレはやるべきことをやるまで。
残り全勝を、成し遂げるまで!
必ず、勝つ!
最北の地から持ち帰るは、勝ち点3のみ!それ以下は、あり得ない!
ならば、勝て!
勝って3連勝に連なる1勝目を!!!
勝たれ!!!富山!!!!!