行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

第11節 ロアッソ熊本戦

2021-06-12 13:40:10 | カターレ富山
J1・浦和レッズに果敢に挑むも及ばず、敗退となった天皇杯2回戦より中3日。
今シーズンをリーグ戦のみに集中することとなって迎えることになる試合。勝ち点2差の5位・ロアッソ熊本をホーム・県総で迎え撃ちます。
前節・第10節は試合が無く、その前はアウェイで3-0で勝った鳥取戦。そのさらに前は高岡スポーツコアで行われた天皇杯1回戦。
県総で開催されるホームゲームということで言えば、実に4週ぶりとなります。
首位堅持を期して臨み、5000人の動員を目指すなど、ただの1試合ではないことをみなが意識共有する試合。
必勝を誓い、カターレを応援するすべての人に歓喜を届けねば。

J1・鳥栖に0-1で敗れて天皇杯敗退となってから中3日というインターバルは同じながらも、前節休みであったカターレとは違い、3連戦の3戦目となる熊本。
前節はホームで連敗中であった沼津と対戦。3連勝中、しかも無失点で、という充実度、さらには勝てば試合無しの富山を抜いて首位に躍り出るとあれば、気合も入った一戦だったことでしょう。
しかし。よもや気が緩んだということでもないでしょうが、0-1で敗れる結果に。
連続無失点が途切れ、自慢の攻撃陣も不発。さらには首位奪取のチャンスを逃す、と。
そんななか、気を取り直して臨むこととなった天皇杯。しかしながら、力及ばず敗戦。J1クラブ打倒ならず。
そして迎える、今節。連続アウェイ戦として富山に乗り込んできます。
ここで敗れて連敗となっては、ただの1敗以上の大ダメージとなることは必至。覚悟をもって挑みかかってくることは、間違いありません。
そんな熊本の挑戦を迎え撃ち、勝って返り討ちとせねばならないカターレ。
首位のプライドを示すは、今。大事な一戦を制し、ホーム無敗を継続せねばならないことは、言うまでもなく。
ただ・・・懸念がぬぐえないのは、これまでの戦績ゆえでしょうか。
過去2勝5分け10敗と、相性が悪いどころではないほど一方的にしてやられています。勝ったのはカターレのJ初年度・2009年にまで遡らねばならないという。
カターレの降格によって対戦のない時期もあったものの、J3で再び対戦するようになってからも、まったく勝てず。
今回の対戦ですが、3連戦で連続アウェイの2戦目という熊本に対し、前節は試合無し、浦和との対戦もアウェイではありつつも比較的近く。そして、今節はホーム戦。
コンディション的な条件で言えば、カターレのほうが有利と見て良いかと。
それでも。
やはり、思い出されるのが昨シーズンの同カード。
9月の第13節、平日開催のホーム戦でした。ホームであることに加え、前の試合が直前で中止となった中での試合。対して熊本は連戦の中でのアウェイ戦。コンディションではカターレに分があった試合。
しかし、前半のうちに連続失点していきなり流れを悪くすると。意地を見せて同点に追いついたにもかかわらず、試合終盤にこらえきれず失点して敗戦。シーズン序盤戦の悪癖をぶり返すかのような嫌な負けかたで敗れたのでした。
不意の試合中止だったのか、熊本戦敗戦だったのか、直接の理由は定かでないにしろ。
その敗戦後、それまでの良かった部分が影をひそめることになってしまい。
讃岐、ガンバ大阪U23に連勝したものの、内容が良くて勝ったものではなく。最下位にあったセレッソ大阪U23に敗れたのを皮切りに4連敗など、泥沼にはまり。昇格戦線から大きく後退することとなってしまったのでした。
シーズン最終盤でのアウェイ熊本戦、リベンジを期した対戦であったにもかかわらず、返り討ちに遭って敗戦。同カード連敗。
その結果、数字の上でだけ残っていた昇格の可能性も消滅。意地を見せなければならなかった試合を落とし、そこから3連敗でシーズンを終えることになってしまいました。
そういった過去があるだけに。一抹の不安がよぎったとしても、無理からぬところもあろうかと。シーズンも、まだ残り2/3ほどあるなかで、もしも去年の繰り返しとなってしまっては・・・そう思うと。

しかし。
ピンチは、チャンス。それを証明する試合とすることができたなら。
負ければ抜かれる試合ということは、逆に言えば勝てば突き放せる試合。
過去の戦績?それがどうした。
前回ホームゲームでは、これまでホームで1度も勝てていなかった沼津を撃破したじゃないか、と。相性の悪さで言えば、沼津だって相当のものだったところを、しっかりと勝ってみせた。
だったら、熊本も打ち倒さねばならない。そう出来ない理由なんて無い。
プレッシャーがかかるのは、熊本のほう。だったら、去年泥沼にハマってしまったカターレの苦しさを、勝って今度は熊本に押しつけてやるくらいで。
逆に、これまでがこれまでであるだけに。やってやれないことなど無いと、手応えと自信を首位堅持とともに一挙両得を目指さねば!

期待したいのは、姫野。
浦和戦の失点は、反則級助っ人のユンカーによるスーパーゴール。あんなのを決められたらどうしようもねぇよと、忘れて切り替えろ、と同情されるようなゴールであったかもしれません。
けれど、姫野にとって無念の失点であったようで。「ボールを奪い切るという自身の持ち味を思うように発揮できなかった」と悔しさをにじませています。
それは、絶対的に格上であるJ1の強豪相手でも。相手が相手であったから仕方ない、などという諦観はありません。
ならば、やるべきことはひとつ。熊本に、連続無得点での敗戦をくれてやれ、と。ピンチの芽を摘む・・・いや、相手にチャンスそのものを与えないような鉄壁守備で、それを成し遂げてほしいです。
そして当然、勝つためには攻撃陣の奮起にも期待。
なかでも、リーグ戦3試合連続ゴールの期待がかかる高橋には、是非ともそれを実現してほしいです。
浦和のユンカーのスーパーゴールは、いわゆるFWの本能とでもいうべきものが眩しいまでの輝きを放ったものでしたが。
個人的に、カターレにあってそういった領域にいちばん近い・・・「FWらしいFW」というのが、高橋であると、そう思っています。
浦和戦の無得点により、ここまでの今シーズン全試合得点が途切れてしまいましたが。
そんなことは心配無用、むしろリーグ戦では引き続き記録更新していくぜ!という、そんなゴールが見たいです。
そしてもうひとり、松岡のリーグ戦デビューにも期待したいところ。
浦和戦でスタメン出場した大野、吉平、そして途中出場の高橋は、さすがにフル出場とはならないかもしれないなかで。
それでなくとも前節が休みだったこともあり、コンディションの問題がない松岡の出場は、充分に有り得るかと。
このところ評価を高めており、天皇杯1回戦ではゴールも決めた。そんな彼が、必勝を期した熊本戦でその力を存分に発揮したならば。これから夏場に入っていくシーズンにあってコンディション管理も慎重に検討しなければならないなかで。
若手の台頭、その旗頭となってほしいです。
思い起こせば・・・過去の対戦で熊本にホームで唯一勝った試合、その決勝ゴールを決めたのが、地元出身のノジーコこと野嶋 良でした。
2009年5月5日のこどもの日、詰めかけたファン・サポーターの期待に応えてみせた姿、よく覚えています。
だったら。
高橋でも、松岡でも。今回もまた、地元出身選手にヒーローとなってもらおうじゃないかと。
この試合が初観戦という人もいるでしょう、そんな人に、「あの選手は富山出身なんだぜ!」と、誇らしくアピール出来たなら。
そんな期待に、是非とも応えてほしいです。

4週ぶりの県総、5000人の動員を目指し、フロントスタッフも営業にだいぶ力を入れているようで。
もう、勝たねばならない理由しかないでしょうよ。
そう、初観戦の人もいるでしょう。そういった人に、「J3首位は伊達じゃない!」と言える、そんな勝利を!

ここぞ!の試合を勝ちきれ!!
浦和戦の奮戦がまぐれなどではないことを、我らが県総で、みせつけろ!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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奮戦実らず、スペシャルな一撃に屈す。ジャイアントキリングならず敗退 浦和レッズ戦

2021-06-10 18:09:04 | 日記
0-1で敗戦。
カターレ富山史上初の、J1きってのビッグクラブ・浦和レッズとの公式戦。
J1とJ3、2カテゴリの差を覆してのジャイアントキリングを期して臨んだカターレ。
格上相手にも敢然と立ち向かい、試合終盤までスコアレス。「まさか」は有り得るんだぞ、とばかりに浦和を追い詰めました。
・・・が。
やはり、強豪には強豪たる理由がありました。
いわゆるガチメンバーであった浦和にあって、さらにここまで出場8試合で7ゴールという反則級の助っ人・ユンカー。その彼に、「そんなシュートを放たれては、どうしようもない」と脱帽せざるを得ないほどの、華麗なシュートを叩きこまれ。
最後まで勝利を信じて抗ったカターレだったものの、ついに強豪・浦和という壁は崩せず。
今季初の無得点試合。ジャイアントキリングを成し遂げることは今年度も叶わず、天皇杯2回戦で姿を消すことになったのでした。

カテゴリの差を超えて格上クラブに挑戦することが出来る希少な機会であるところの天皇杯。望んだからとて得られるチャンスではないからには、機を逃すことなく果敢にぶつかっていかねばなりません。
一方で、それに気を取られるあまりリーグ戦のほうがおろそかになってしまったのでは、本末転倒というもの。
それでなくとも、昇格を争うにあたって全身全霊でもって勝たねばならない上位対決・熊本戦が直後に控えているとなれば、なおのこと。
どちらが、ではなく、どちらも大事。
そんななかで、ここまでほぼ固定メンバーでリーグ戦を戦ってきたカターレにあって、やはりスタメンを変更しつつ挑むことに。
GKは古巣対決となる西部。
DFは鳥取戦の戸根・林堂・柳下の組み合わせから、林堂が控えに回り、代わって鈴木がスタメンに。
MFは、不動のアンカー・姫野とウイングの音泉はそのまま、椎名、花井、安藤といった面々が控えとなり、碓井、陽次、ユウスケを起用。
FWには大野と吉平の2人が。
いつも通りではないものの、さりとてあからさまな主力抜きでもない。ある意味、絶妙なラインの編成と言えたかと。

コロナ禍のこんなご時世でなければ、“あの”浦和との対戦ともなれば、あたりまえのように応援バスが運行されていたところだったでしょう。そして、現地応援しない理由のほうが無かったはず。つくづく、残念でなりません。
リーグ戦でないのでDAZNで視聴というわけにもいかず、試合内容についてはダイジェストで見た限りの印象ですが。
やはり思い入れのある駒場スタジアムでの試合、気合の入っていた西部。GKとして、いわゆる“当たっている日”というものがありますが、この試合がまさにそうであったようで。
決定機を何度も阻止。昨年までJ1にいたベテランだから、というだけでは、こうはならなかったであろうという充実ぶりでした。
その意気に応えて、得点を奪いたかったカターレであったものの、どうにもわけにいかず。
攻守のミスを、見逃してはくれない。あるいはJ3であったならば誤魔化しが効いたかもしれないところでも、強豪たる浦和は見逃してはくれない。
事前にわかっていたはずのことではありましょうが、それでも。あらためて、上位カテゴリクラブとの差というものを実感させられたのではないかと。
それでも、辛抱づよく0-0の状態を続けていたカターレでしたが、試合が動いたのは終盤、80分のこと。
攻め上がりの精度を欠いてボールを奪われると、MF大久保 智明が果敢にドリブルで攻め上がり。そこから中央のユンカーに鋭いパス。
左斜め後方からのボールは、並みの選手であればトラップすること自体が難しかった
かもしれないところ。
それを難なく受け取ると、1ステップ、2ステップで守備を引き付けて、そのまま狙いすましたコースに蹴り込むゴール。
そんなんやられたら、どうしようもないじゃないか・・・半ばあっけにとられるシュートでもって、先制点を許してしまったのでした。
鮮やか過ぎて、わけがわからないレベル。
W杯や欧州サッカーのトップレベルなんかでは、因果が逆転しているようなゴールがよくありますが。
普通であれば、シュートがまずあって、それが入るかどうかですが、そうではなく。
つまり、ゴールが決まるという結果が確定してしまっているなかで、シュートそのものはその結果をなぞるための作業でしかない、というような。
このユンカーのゴールも、まさにそれ。J1レベルというよりも、ワールドクラスのそれに近かったのは間違いないかと。
それでも、あきらめなかったカターレ。試合最終盤にあっても高橋が果敢に狙っていくなど最後まで抗った・・・のですが。やはり及ばず、そのままタイムアップ。
今季初の無得点試合で、天皇杯敗退が決まったのでした。

勝って次につなげる、強豪撃破で3回戦進出を成し遂げるという目標は、果たせませんでした。
他会場ではHondaが横浜Fマリノスを撃破、順天堂大がFC東京に競り勝ち、同じJ3でも、岩手が仙台に勝ちました。ジャイアントキリングがJ1相手でもなされていたと。
強豪相手だから仕方ない、負けても恥じゃない、で済ますのは簡単かもしれませんが。
この敗戦を、単なる「いい経験」で終わらせてしまうのも、もったいないでしょう。
負けた悔しさ、自分たちの未熟さを知ったことを、きちんとリーグ戦で昇華できるかどうか。
忘れてはならないのは、カターレが現在J3の首位であり、優勝、J2復帰を成し遂げねばならないクラブであるということ。
自省しながらも、自信を失っている場合ではなく。
むしろ、やらねばならないことと言えば・・・「この敗戦を、今シーズン最後のものとする」というくらいの気概で臨むことではないかと。
リーグ戦残り試合を勝ち抜くことが、これから成すべきこと。それに全集中していくために。

今回の試合で初めてカターレ富山というクラブのことを知った浦和サポーターも多かったかと。
おおむね、「伊達にJ3首位じゃないな、よくやったよ」という評価であったようで。
だったら。
その評価を下げることなく、残りシーズンを邁進せねば。
そしてシーズンが終わるころには、優勝、J2復帰を成し遂げた頃には、「あれだけやれていた富山なんだし、別に驚くことじゃないな」と評されるくらいでなければ。
まずは、中3日での熊本との上位対決。
「浦和を相手に敢然と立ち向かった富山なんだし、勝利も納得」
そう言われるだけの試合ぶりを、みせつけねばなりません。

天皇杯の挑戦は、終わった。けれど、戦いはまだ続きます。
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天皇杯2回戦 浦和レッズ戦

2021-06-08 15:06:24 | カターレ富山
リーグ戦のアウェイ鳥取戦を3-0で制してから中9日。試合無しの第10節を経て、ウイークデーの水曜日に挑む、天皇杯2回戦。
浦和駒場スタジアムにて、浦和レッズと対戦します。

言わずと知れたビッグクラブ・浦和レッドダイヤモンズ。日本のサッカーシーンにおいて、その名を知らぬ者などいないでしょう。
JリーグのみならずACLすら制覇したことのある、名門中の名門。
「カターレ富山?ああ・・・なんか、そんなチームもあったような気がするね」というのが、浦和サポーターの正直なところではないかと。
かつて所属していた西部がいる、ということで僅かな接点が見出せるかもしれませんが、チームの印象など皆無と言っていいのではないかと。
Jリーグのオリジナル10のひとつという歴史と伝統を誇るクラブに対し、2009年のJ参戦から右肩下がり、J2からJ3に陥落、そこでくすぶり続けているような底辺クラブなんぞ、月とスッポン、クラブの格では、まさに天と地の差かと。
カテゴリ違いのJ1クラブとの公式戦の機会というものは、天皇杯でしか無いなかにあって。
初めての対戦となる、浦和レッズ。
過去、「公式戦の対戦は天皇杯でだけというJ1クラブ」と言えば、2009年の川崎、2011年、2016年の鹿島がありますが。
いずれも、同カテゴリでは有り得ない精度のプレーに戦慄させられたのが思い出されます。
今回の浦和戦も、また同じではないかと。
浦和にとっても、過去に1度も対戦したことのない富山は未知の相手。
データと実戦とでは違う、ということで、まったくのノーチャンスではなく、あるいは隙もある可能性も。
しかし。
勝てるかどうかは、また別の話。
たとえ善戦できたとしても、それが最終的な勝利につながるかどうかは、別であって。
正直言って、勝てる見込みはとても低いと言わざるを得ない相手。
しかし、それでも。
挑戦なくして勝利なし。
通用するかしないかは、やってみてからの話であって。やる前から負けたような気になっているのでは、勝てるものも勝てません。
もちろん、勝つ。
闘志を力に変え、挑みかからねば。

101回を数える天皇杯にあって、前身である三菱重工時代を含めて優勝7回を誇る浦和レッズ。
近いところでは3年前、2018年度に優勝しています。
連覇をかけた2019年は、JFLのHonda FCにジャイアントキリングをくらうかたちで敗退。昨年2020年は新型コロナの影響でレギュレーションが大幅変更、リーグ戦上位クラブのみの参戦となったことを受けて、不出場。3年ぶりの栄冠を目指し、この緒戦に挑むこととなります。
リーグ戦においては、開幕当初こそもたついたものの、次第に真価を発揮。主力級のみならず、ルヴァンカップに出場するような若手にまで好調ぶりは波及しているようで。
日本サッカー3大タイトルがひとつ・天皇杯優勝をひっさげ、ACLの舞台へと返り咲くために。
そして、前々回大会でアップセットを許してしまった汚名返上をかけて。
日程的にルヴァンカッププレーオフステージ・神戸戦の谷間となるこの試合。
となると、あくまで怪我などのリスクを避けることは前提ながらも、調整も兼ねてリーグ戦の主力を起用してくる可能性も大いにあり。
ガチなメンバーで富山の挑戦を返り討ち、となることも、充分に有り得るでしょう。
10年前の2011年、天皇杯で鹿島と対戦したときのこと。そのメンバーを見て、「これってこのあいだナビスコカップを優勝したときのメンバーじゃん」と青くなった、ということがありましたが。
あるいは、それに近いことが起こるやもしれません。
このところ好調なリーグ戦主力が、格下相手とか関係なくそのまま出てくる、とか。

今回で天皇杯出場12回目となるカターレ富山。
しかし、これまで上位カテゴリに勝った経験は、町田を破って3回戦に進出した前々回大会の1度だけ。
町田を過小評価するつもりはないものの、それでも。J3優勝、J2復帰を目指さねばならないカターレにあっては、翌年度は同カテゴリとせねばならない相手に勝つことはジャイアントキリングには当たらない、と言わざるを得ないところかと。
それでは、ジャイアントキリングとはなんぞや?と言うならば。
J3クラブのカターレにあっては、打倒J1クラブ。それで間違いないでしょう。
それが、天皇杯制覇を具体的目標として掲げるビッグクラブ・浦和であれば、言わずもがな。
相手にとって不足なしどころか、充分すぎると言っていいでしょう。
もちろん、言うは易く行うは難し。
本気で優勝を狙う浦和に、たとえ善戦できたとしても。
それが勝利につながる可能性は、正直言って非常に低いと言わざるを得ません。
振り返れば、前々回大会の3回戦、仙台戦。
仙台にとっては10年ぶりの公式戦における富山戦であり、富山県総合運動公園陸上競技場での試合。
そこに想定外の富山の頑張りが加わり、なかなか決め手を欠く展開のままに試合は終盤へ。
ただ・・・懸念していた通りの展開となってしまいました。
「たとえ善戦出来ていたとしても、個の力で無理やり試合を決められてしまうかも」と思っていたところ、その通りに。0-1で敗れ、3回戦敗退となったのでした。
今回にしても。
善戦は、できるかもしれません。「お、J3首位だけあって少しはやるようだな」と思わせることはできるかもしれません。
それでも。
勝つためには、善戦止まりではダメで。
そこを、突破するだけの力の発露。それが、不可欠です。
そんな力を、発揮できるかどうか。
それは、この天皇杯だけではない。これ以後のリーグ戦で、それこそ優勝を争うにあたって、必ずや求められるであろう力。
それを、負けたら終わりの一発勝負という場で、しっかりと発現できるかどうかが問われます。

得点しなければ勝てないということは真理ながらも、逆もまた真なり。
失点していては、負けてしまう。
しなくてもいい失点をせず、いかにしなければならない得点を挙げるか。
そのためにも、相手に得点を許さず守り切る堅守は不可欠。
期待したいのは、西部。
今年で40歳というベテランの彼ですが、プロキャリアの原点である浦和との対戦。期するものがあることは間違いないでしょう。
浦和でプロ生活をスタートさせ、移籍ののち、清水の顔と言うべき選手とまでなった西部。
愛着ある清水で現役を引退する選択肢もあったなかで、そうはしなかった。
完全燃焼を期して、J3クラブであるカターレに移籍を決意。
それは同時に、天皇杯以外では日本サッカー最高峰であるJ1クラブを相手取って戦う道を閉ざす、ということでもありました。
そう、天皇杯以外では。
しかして、実現した天皇杯でのJ1クラブとの対戦。その相手が古巣・浦和とは・・・なんというか、数奇な運命だな、と。
所属するクラブのカテゴリを落とすことにはなった。
けれども、決して燃え尽きたわけではない。むしろ、不完全燃焼のまま引退するを良しとせず、完全燃焼を遂げるための移籍。
その覚悟をプレーでもって示す、千載一遇の舞台とも言えるかと。
だったらもう、やらない理由がない。
勝ってジャイアントキリングを成し遂げねばならない理由しかない。
キャプテンの闘志の火が、カターレの力を存分に引き出し、難敵撃破を成し遂げる炎となることを信じて。

正直言って、勝ち目は薄いと言わざるを得ない対戦でしょう。天皇杯優勝を狙うJ1の浦和を相手に負けても恥じゃない、負けて元々の話。それよりも、中3日で迎えることとなるリーグ戦の首位攻防戦・熊本戦のほうに集中すべきだーーーそんな意見がでることも、無理からぬことかとも思います。
しかし。
だからと言って、どうせ勝てないなら無理する必要はないと、あっさり負けてもいいのか?
良いわけがない。
先の県選手権決勝・富山新庄クラブ戦で5-0勝利。そして天皇杯1回戦FC北陸戦を8-0勝利。
いずれも大差がついた試合でしたが、「勝ってあたりまえの相手に勝ったに過ぎず、特に得るものが無かった」などという試合では、決してなかったはず。
その2試合で得た手応えをリーグ戦にもしっかりとフィードバックできたからこそ、沼津戦、鳥取戦で3-0の快勝につながった。
リーグ戦に影響しない捨て試合などではなく、真摯に向き合ったからこそ身についた力と結果。
それは、この浦和との2回戦でも変わらないでしょう。
敵わない相手だから、負けて当然の強豪だからと戦意喪失するなど、とんでもない。
ここで全身全霊で挑みかかかることこそが、次へとつながる最善手。ここで半端な試合をしてしまったのであれば、きっと次の熊本戦でも勝てないことでしょう。
むしろ、逆だ。
ジャイアントキリングを成し遂げた暁には、「いかにJ3と言っても、その首位のクラブに負けたなら仕方ない」と言わせるくらいでなければ!

ただでさえ1クラブあたり全28試合と、例年になく少ない今季J3リーグ戦。
そんななかで、真剣勝負の公式戦が増える。それは、僥倖というものでしょう。
ならば、それを十二分に活かさねば!
確かに、浦和も天皇杯優勝を狙っているかもしれない。
けれど、カターレだって困難に打ち克ってJ3優勝を目指すという強固な意志は、揺るがないのだから。
それにカップ戦とはいえ立ちはだかるならば、打ち砕くのみ!
勝って、今季カターレの力を見せつけるのみ!!!

得難いチャンスを、力に変えろ!!!
カターレの歴史に刻む勝利を!!!

勝たれ!!!富山!!!!!

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第10節 試合なし

2021-06-08 14:19:37 | カターレ富山
全15クラブによる今季J3にあって、毎節いずれか1チームが休みとなるなかで、第10節はカターレ富山の番であった、と。
毎度プレビューとレビューというかたちで書いているこのブログ、休みということで、スルーでもいいかとも思いましたが。
ざっくりと、覚え書き程度に今節の結果についてつらつらと。

まず、自分たちの試合がないなかで、最大の関心事はやはり、熊本VS沼津の結果だったのではないかと。
消化試合数の差があり、暫定順位ではあるものの。熊本が勝てば、勝ち点数で上回って首位の座を明け渡すことになる試合でした。
5月の3試合を3連勝、しかも無失点という盤石の状態で迎え撃つこととなった熊本。
対照的に、5月全敗であった沼津。
もしもtotoの対象試合であったなら、圧倒的にホーム・熊本の勝利が支持を集めていたことでしょう。
しかし、番狂わせ。アウェイの沼津が後半に均衡を破り、1-0で勝利。
その結果、試合なしながらもカターレが首位キープ。
今節での首位奪取から次節の直接対決で富山を突き放すという熊本の野望に、待ったがかけられた格好となりました。

また、福島と岐阜の上位対決は、柏木の移籍後初ゴールなどで2-1で岐阜が勝利。
勝ち点差を詰めるかたちで2位浮上に成功。まだ休みを消化していないながらも、首位・富山との差を1としました。
岐阜に関しては既に1巡目の対戦を終えている段階で、直接対決にも勝っています。得失点差でまくられないように気をつけねばならないものの、順調に勝ち進むぶんには、実質的に1試合ぶん、勝ち点差3までは消化試合数の差として見ることもできるかと。

その意味で言えば、直接的に差を詰められたと言えるのが宮崎ではないかと。
第9節は試合なし、県選手権決勝で敗れて天皇杯進出できなかったことから、この第10節は2週ぶん空いての試合となりましたが。
八戸を迎えたホーム戦でしっかりと2-0で勝利、3連勝を達成しています。
ともに休みを消化した状態で、勝ち点20のカターレに対し、19の宮崎。
1試合多い岐阜と同勝ち点、得失点差で3位となっているものの、実質的には首位と1差の2位と見ることも出来ようかと。
熊本が敗れたことでここまでで1敗のチームがカターレだけとなったなかで、その1敗をつけたのが、宮崎。
油断のならない相手に、隙を見せるわけにはいきません。

次節・第11節は、首位・カターレと勝ち点差2の4位・熊本との直接対決。
同時に、同勝ち点19で2位と3位の岐阜と宮崎とが直接対決。
どちらが上を行くのか、目が離せないカードとなります。
9日水曜日の天皇杯を経て、13日にホームで熊本を迎え撃つこととなるカターレ。
岐阜VS宮崎戦は12日土曜日であり、その結果を踏まえながらの試合となります。
シーズン中どの試合も、重要でない試合など無い、とは言いますが、それでも。
まさに、正念場。
シーズンのおよそ1/3というなかで。ここでの勝敗が、このあとの展開に大きく影響を及ぼすことは間違いありません。

まずは、天皇杯。そして、熊本戦。
どちらが、ではなく、どちらも大事。
二兎追う者は一兎をも得ず、などとは言いますまい。
一挙両得を目指し、全力で。
今季カターレの真価を発揮せねばならない。その時が、今。
勝たれ!!!富山!!!!!
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