11月に3戦組まれている長距離移動アウェイ戦の初戦となった、前節琉球戦。これまで培ってきたチームとしての力を遺憾なく発揮し、3得点を挙げる大勝で制しました。
リーグ最南端のアウェイ戦を経て、迎える今節。11月唯一のホーム戦に迎えるは、前節終了時点で8位、数字上は昇格の可能性を残す奈良クラブ。
言うまでもなく連勝を成し遂げねばならないカターレにあっては、立ちふさがるならば撃破するのみ。
残り2試合となった今シーズンのホームゲーム。直近2試合では試合終了間際に失点して勝ち点を獲りこぼすという悔しい思いをさせてしまっているだけに。今節はしっかりと勝利し、地元のファン・サポーターと喜びを分かち合わねばなりません。
奈良クラブとの前回対戦は、7月22日。リーグ前半戦最後の試合でした。
今シーズンJ新参入の奈良クラブとの初対戦にして、初のアウェイ戦。それだけでも十分にやりづらさはあったろうに。
暑い盛りの7月に15時キックオフ、公式記録で32.7℃という酷暑の中での対戦。それそのものは相手も同条件といえたかもしれませんが、カターレはアウェイ戦として移動を伴う側。さらに、カターレの側だけが、天皇杯3回戦・新潟戦の再開試合を経ての中2日。残り15分だけの対戦であったとはいえ、心情的には公式戦1試合分とまったく変わらず。条件的には不利であったことは否めません。
試合のほうは、前半終了間際の2ゴールで優位に折り返したまでは良かったものの。
後半開始早々にイエロー2枚目で柳下が退場、およそ40分も1人少ない状況を強いられてしまうことに。
ただでさえキツいコンディションであった上に、81分には1点を返され、さらにピンチ。まさに絶体絶命という厳しい状況でしたが。
それでも、勝った。数々の逆境に屈することなく、しっかりと勝ちきった。価値ある大きな勝利であったことが思い出されます。
あれから4か月近く経って、今度は寒さすら意識せねばならない時期の試合となりますが。
やるべきことは、変わりません。そう、勝利あるのみ。
その前回対戦以後も、持ち味の堅守でもって上位に喰らいついていった奈良ではあったものの。ここまで12勝12分10敗。昇格の可能性も消えてはいないものの、数字上のもの。この富山戦に勝てなければ即終了です。
奈良のリーグ戦ここまで失点29は、27のFC大阪に次ぐリーグ2位。前々節こそ3失点したものの、リーグ後半戦、つまりは前回の富山戦以来、複数失点はその1試合のみという手堅さ。守備に確たる自信をもっているチームといえます。
攻撃面では、絶対的エースであるFW浅川 隼人がリーグ2位の15ゴールを挙げる奮闘ぶりでチームを牽引。7ゴールのFW酒井 達磨が7ゴールで続くこととなりますが、この2人合わせて22ゴールは、ここまで全39ゴールの奈良の過半数を占めることとなります。特定の選手にかかる比重が大きい、といえるかと。
カターレが最多でもシルバの8ゴールでありながら、総得点は51。そのバラけ具合は、ある意味対照的かもしれません。
その両チームの差が顕著に出ているのが、引き分け数に表れているのかも。
リーグ最多・鳥取の13に次ぐ12引き分けの奈良に対し、最少5のカターレ。
もちろん、カターレの側が、引き分けにせねばならない試合で負けてしまった数が少なくないという面もありますが。奈良にしても、負けを引き分けにした試合もありましょうが、勝ちきれずに引き分け止まりだった試合もまた多かった、ということでもあるかもしれません。
前々節、首位の愛媛と対戦し、先述のように3失点を喫する完敗。そして前節は、2位の鹿児島を相手に先制を許すも、しぶとく追い付いて引き分けに持ち込んでいます。
そして、今節。図らずも1位、2位ときて3位の富山との対戦となりますが。
奈良にとっても、ここが意地の見せ所でしょう。それでなくとも、富山は前回対戦で敗れた相手。リベンジを期して乗り込んでくるはず。
迎え撃つ、カターレ。
前々節終了時点では2位の鹿児島に勝ち点差4をつけられ、残り試合も少なくなってきたなか、1試合あたりでは逆転できない差となっていたなかで。
前節、奈良が鹿児島に引き分けてくれたおかげ、というべきか。その差を2に縮めることに。
迎える、今節の直接対決。せっかくもらったチャンスは、最大限に活かすことにしましょうか。
ここで奈良にリベンジを許してしまうことになっては、元の木阿弥。残り試合数からしても、悪化でしかありません。
今節カターレが勝つことが、すなわち奈良の昇格の可能性を消すことに、息の根を止めることを意味することにもなるわけですが。
もちろん奈良も必死でしょうが、それとカターレの昇格とは関係がない。
返り討ちにするまでのこと。J2復帰という悲願成就のために。
上り調子であることは、見て明らかーーーカターレファン・サポーターの共通認識でしょう。
それを、結果につなげること。勝つこと。
それでなくとも、ホームでは沼津戦、岐阜戦と、それぞれ無念の結果が続いています。
ホーム残り2試合、地元で勝つことの意義を再確認する場にせねばならない。
必勝の気概をもって、奈良の挑戦を粉砕せねば!蹴落とさねば上がれぬというならば、粛々とやり切るのみ!勝ちきるのみ!
期待したいのは、マテウス。
前節の琉球戦では追加点を挙げて勝利に貢献、このところの好調ぶりをゴールという結果につなげてみせました。
やはり、スタンドから見ていても、同じく応援するファン・サポーターのマテウスのプレーへの期待、ワクワク感というものが伝わってきます。「そうそう、俺らが見たかったのはコレだよ!」というような。
相手と競り合っても簡単に負けることがない上手さ、そして必死にボールにくらいついていく積極性。それらの持ち味が、この後半戦にきて洗練されてきた印象があります。
それを今節のホーム戦勝利にも、是非ともつなげてほしい。2試合連続ゴール、大いに期待したいです。
そして、ここ最近は途中出場となることが多いですが、大野の活躍にも期待。
奈良との前回対戦では先制となるPKを決めて勝利に貢献しているだけに、今節もまたゴールでもってカターレを勝利に導いてほしいところ。
なにより、前回対戦の、あの過酷な条件下での試合を勝ちきった経験を、今節の勝利にフィードバックしてほしいという思いも。
5連戦の5戦目、アウェイ初めての地、そして酷暑、さらに1人少ない数的不利。
それらを耐えきり、勝利につなげた経験。
リベンジに乗り込んでくる奈良を返り討ちにするにあたり、その経験は、なににも勝る武器ではないかと。勝つべくして勝つ、その根拠となり得るもの。
勝たねばならない理由しかない試合ならば、なおのこと。
奮戦、期待します。
過去9シーズン、リーグ終盤戦のこの時期には、力尽きていました。
たとえ終盤まで争ったとしても、数字上の可能性を残すだけの状態から、その消滅をただみつめるのみ、といったような。
けれども。
今シーズンは、今は違う。
自分たちの頑張りが直接的に昇格につながる、J2復帰につながるという手応えがある。だからこそ、頑張れる。
ならば。
やればできるーーーそう、これまで勝てなかったアウェイ琉球戦で、初めて勝ったことも然り。
できるかどうかじゃない、やるかどうか。
そう、やればできるんだ!
昇格したいなら、奈良に勝て!
勝たれ!!!富山!!!!!