無念の敗戦を喫し、今季初黒星となった八戸戦。わずかに中2日で、持ち越しとなってしまっている今季初勝利に向け、なにがなんでも白星を掴み取らねばならないホーム戦。
迎え撃つは、ツエーゲン金沢。
これまで交わることのなかった北陸の2クラブが、Jリーグ公式戦で初めて対戦することとなる、北陸ダービー。
ただでさえ、ホームゲームで負けるわけにはいかない。
ただでさえ、隣県対決で負けるわけにはいかない。
ただでさえ、現状同勝ち点・負ければ順位を入れ替えられてしまう相手に負けるわけにはいかない。
長いリーグ戦のなかの単なる1試合と割り切るには、背負っているものがとても多い試合ではありますが。
ここが、意地の張りどころ。プライドの見せどころ。
求めるは、勝利の歓喜のみです。
およそ1ヵ月前のゴーゴーカレースタジアムオープニングマッチで、Jクラブ同士として史上初の対戦となった両クラブ。
結果は、カターレが4-1と圧倒。シーズン開幕を間近に控え、その勝利を手応えを自信に変えて、リーグ戦でもやってやるぜ!
・・・そう、思っていたのですが。
蓋を開けてみれば、3試合連続引き分けからの敗戦、未だ勝利なし。正直言って、甚だ遺憾というか、こんなはずではないのに、と。
一方の、大敗を喫した金沢。
沼津や今治といった一筋縄ではいかない相手に、厳しい結果になるかもよ?という見立てをしましたが、それが的中したかたちで。
開幕から複数失点の3連敗と、厳しいスタート。
それでも、前節の宮崎戦では2-0で勝利し、シーズン初の無失点、勝ち点3獲得に成功。ほっと一息、さぁ次も勝って連勝だ!との意気込みで乗り込んでくることとなります。
それぞれの、1か月。
今節・第5節の時点で、暫定14位と15位の対戦となってしまうなどとは、まったく思っていませんでした。
いろいろな見方は、あると思います。
連敗を脱出し、連勝をかけて乗り込んでくる金沢ではありますが。勝った相手が、新監督の下でチーム作りが固まっていないであろう、ここまで未勝利の宮崎。もちろん勝ち点3の価値にどこからの勝利かは関係ないことは自明ですが。宮崎を腐すつもりはないにしても、それでも・・・調子の上がらない相手からの勝利、という見方はされてしまうところもあろうかと。それによって、直ちにそれまでの3連敗が無かったことにはならないぞ、というような。
とはいえ、勝ちは勝ち。そこからしか得られない養分というものは、きっとある。それを成し遂げていない富山にとやかく言われる筋合いは無い!と言われてしまえば、どう返したものか、と。
一方の、カターレ。
実際のところ、未勝利、かつここまで2得点止まりというのは深刻です。讃岐にしても奈良にしても八戸にしても、昨季敗れた借りを返さねばならなかった試合であった、そのモチベーションで勝利を奪い獲らねばならなかった試合であったはず。
それを、成し遂げられなかった。
およそ、優勝をねらうクラブにはふさわしくないとしか言えないような、開幕ダッシュの失敗と断じる向きもありましょう。
それでも。
なにもかもがダメで、救いようがないから未勝利かと言えば、さにあらず。
格上・J2の山形に敢然と立ち向かい、逆転勝利をおさめたルヴァンカップ。そんな底力、ポテンシャルまでもが否定されるものでは、決してないはず。
確かに、現状は不本意極まるものですが。それでも、それを針小棒大に煽り立てて今年はもうダメだ!などと喚くのは、違うだろうと。
1ヵ月ぶりの、再戦。
カターレにとって、リスクはあります。とびきりでかいリスク。
ここまで勝ちなしの状態で、プレシーズンマッチながらも圧勝した金沢に、やり返されて敗れるようなことがあったなら。
もちろん、相手もプロクラブであり、そうなる可能性も決して低くはない。なにより、直近の試合で勝利し、連敗の呪縛を解いているわけで。
けれども・・・それをふまえてなお、実際に敗れたとしたら。
昨シーズン、あと1歩まで迫りながら成し遂げられなかったJ2復帰。今年こそ!という期待は、あるいは近年でも最大であったろうなかで。
それを裏切られた反動というものが、ここでの敗戦が決定的なダメージとして、深刻な影響をもたらすことは想像に難くないでしょう。
それでなくとも、負けるわけにはいかないホーム戦。北陸ダービー。
かかるプレッシャーというものは、「リーグ戦全38試合のうちの1つ」で片づけられるものではないでしょう。
しかし、だからこそ。
ここで挫けてしまっては、この先の逆転優勝など、有り得ないだろうと。
もちろん、あきらめてなどいないだろう?
優勝する意気込みを、捨ててなどいないだろう?
ならば。
むしろ、チャンスと捉えるべきで。
38試合のうちの1つで片づけられない重要な一戦であるなら、それを勝てば、単なる1勝以上の価値があるということ。勝ち点3以上の価値を得られるということ。
だったら、そのチャンスを逃すわけにはいかないでしょうよ。
今回だけじゃない。プレッシャーを跳ねのけて勝たねばならないシチュエーションなんて、シーズンこの先、いくらでも出てくること。それは確実。
その、乗り越えるべき試練のひとつが、今だということで。
クリアするよりほか、ありますまい。
期待したいのは、ショウセイ。
前節の手痛い敗戦を、バネとして飛躍につなげられるか。それが問われる試合ともなろうかと。
八戸のオリオラ サンデーに、警戒しなければならないとわかりきっていたのにやられてしまったという現実。そこから、なにを学び取るか。
チームとしての戦術・方針もありましょうが、「とにかく前線のオリオラに任せておけ」というスタイルであった八戸。それに応えてみせたかたち。
カターレに置き換えてみれば。その役割を担うのが、ショウセイなわけで。
オープニングマッチで2ゴール1アシストと大暴れしたショウセイを、金沢が厳重警戒してくることは火を見るよりも明らか。
しかし、だからこそ。
そこで、「わかっていたはずなのにやられてしまった」という活躍でもって、ゴールを奪わねばならない。それこそ、八戸のオリオラのように。
なんなら、今度もまた2ゴール、いや、それを超えるハットトリックをかます勢いで。自身の活躍がチームを勝利に導く力になるーーールーキーだからとか経験がどうとかは、関係ない。大事なのは、結果。
得点王を目指すという意気込みが、出まかせやハッタリではないならば。
ルヴァンカップ・山形戦での同点ゴールからも、非凡な実力というものは証明済み。それを、いかにここまで成し遂げられていないリーグ戦勝利につなげるか。
ここが、北陸ダービーという舞台が、活躍すべきステージ。
ショウセイのショータイムに、期待したいです。
今シーズンのスローガン・「覚悟」
負けるダメージがただの1敗に止まらない、ハイリスク以外の何物でもない試合。
それでも、屈することなく必勝を期し、成し遂げるべく総力を挙げる。そして、勝利を掴み取る。
そのための、覚悟。
3月も春分の日とあれば、暑さ寒さも彼岸までとも言われますが・・・当日は雪予報さえも出ている厳しいコンディションとなる見込み。
上等だ。楽に乗り越えられるものは、試練とは呼ばないだろう。
プライドをかけた、ダービーマッチ。
勝たねばならない理由しかない。勝利しか有り得ないなかで、何点獲って勝つか?出遅れをどう反攻につなげていくか?ただそれだけ。
史上初のJの舞台での北陸ダービーと言いますが。
J3では、今年1年で終わり。最初で最後。
なぜなら、カターレは昇格して来年はJ3に居ないから。
ホーム・県総で、勝つ。そのあたりまえを、あたりまえにやりきるのみ!!
遅れに遅れたシーズン初勝利、必ずや、ホームのファン・サポーターに届けろ!
金沢サポーターがどれだけ来場しようが、関係ない。富山の覚悟を、示すのみ!
必ず、勝つ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!