党内の選挙の難しさ | トップページ
この頃の国際面のニュース報道を見ていると、
人類が退化しているような気がします。
技術の進歩は、必ずしも人を賢くはしません。
インターネットで情報流通コストが安くなって、
ゴミのような情報や害のある情報がたれ流され、
それに脊髄反射的に反応する事件が多いです。
アメリカで頭のおかしいキリスト教の牧師が、
イスラム教の聖典のコーランを燃やした事件は、
世界中のイスラム教徒を怒らせました。
仏教徒の私も怒りを感じます。
アフガニスタン駐留米軍への攻撃が激化したりと、
アメリカの国益を大きく損なう蛮行でした。
良識ある普通のクリスチャンやアメリカ市民は、
おかしな牧師に共感するはずはありません。
おそらくこういう頭のおかしい人は、
昔からときどきいたと思います。
ただ、誰も相手にしなかったでしょう。
しかし、ユーチューブという無料ツールのせいで
いかれた牧師の映像が世界に流れてしまう時代です。
おそらく世界中のキリスト教徒の99.9%は、
この牧師の主張を相手にしていないでしょう。
しかし、残念なことに多くのイスラム教徒の若者が、
このいかれた牧師の映像に激高してしまいました。
アメリカがどれだけODAでアラブ諸国を援助しても、
こういったおかしな個人の行為で台無しになります。
さらにイスラム教を冒涜する映画を製作した変人、
あるいはテロを起こすことを意図した悪人がいて、
イスラム世界に反アメリカ感情が広がっています。
アメリカ政府も気の毒です。
いまほど世界平和を安上がりかつ簡単に壊せる時代は、
これまでなかったかもしれません。おかしな映像を
インターネットのユーチューブに投稿するだけです。
イスラム世界の側も脊髄反射的に反応するのではなく、
アメリカにも頭のおかしな人はいると大らかに考え、
アメリカ政府に対して精神病院に収容することを要請し、
冷静に対応することが必要ではないかと思います。
中国でも別の脊髄反射的な事件が広がっています。
在留日本人が中国人から暴行を受ける事件が多発し、
上海だけで6件の事件が報告されているようです。
中国当局も暴行事件には厳しく対処すべきです。
日本政府としても中国側に強く申し入れて当然です。
他方で、それに日本側も反発し、中国人に対して、
同じような暴行や暴言で返すのは避けるべきです。
お互いの国内の領土ナショナリズムを煽るのはやめ、
売り言葉に買い言葉で対立感情を高めるのは愚策です。
日本の政治家も中国の政治家も、人気取りのために、
強硬な発言をするのは避ける理性を持つべきです。
アメリカとカナダといった同盟国同士の間でも、
領土問題は存在しているケースがあります。
尖閣問題があるから日中対立は必然とは限りません。
日本人も中国人も冷静になって考えるべきです。
日中戦争が起こることは、双方にとって大打撃です。
これだけ密接な経済関係がある両国が対立することは、
どちらにとっても大きな不利益です。
第一次世界大戦直前のイギリスとドイツの貿易額は多く、
経済的に相互依存していました。それでも戦争は起きました。
日中の経済的相互依存関係が深いから戦争は起きない、
ということはありません。決して油断はできません。
まず、不毛な領土ナショナリズムの応酬をやめにして、
偶発的な武力衝突を回避する仕組みをつくるべきです。
何よりも日中の外交当局と政治家が冷静に話し合って、
問題解決に向けてお互いに冷却化すべきです。