民間から内閣府の行政改革担当部署に出向して、
政権交代後に元の職場に戻った人と話しました。
その人とダメな政治家の行動パターンを議論しました。
いくつか気づいた「ダメ政治家」の症例をご紹介します。
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1.霞が関依存症:霞が関の情報だけに依存
・特に自民党に多い。民主党政権時代は民主党議員も感染。
・やたらと役所の説明(=通称「レク」)を聴きたがる。
・逆に役所以外の情報源にあたらない(裏取りをしない)。
・役所の情報操作に易々と乗っかり、族議員化してしまう。
・客観的に見れば「族議員」以外の何物でもないのに、
本人は「自分は政策通だ!」と思い込んでいる。
・役所にしょっちゅう「お願い」「陳情」を聞いてもらい、
本人は「オレは役所に顔がきく」と思い込んでいるが、
実態としては役所の餌付けの対象になっているだけ。
【処方箋】
(1)もっと学者やNPO、ジャーナリスト等とつきあって、
霞が関以外の情報源にあたりましょう。
(2)社会学や歴史学などを学び、批判的精神を身に着けて、
政策の国際比較や時系列比較(歴史的考察)をした上で、
役所の言うことを鵜呑みにしないようにしましょう。
2.会議・パーティー依存症:与党議員ほどかかりやすい
・党本部の部会、議員連盟の総会、業界団体のレセプション、
各国大使館のパーティー、他の議員の政治資金パーティー、
派閥の会合等に出て、仕事をした気分にひたる。
・一晩に2つも3つもパーティーや会合に出ることが、
国会議員の仕事だと思い込んでいる。
・忙しいのが好きだが、目的や成果が明確でないイベントに
時間のほとんどを割いていて、具体的な成果はない。
・華やかな仕事が好きで、にぎやかな場所にいると落ち着く。
寂しがり屋でひとりで晩ごはんが食べられない。
【処方箋】
(1)毎晩のようにいろんな会合に出て何かと忙しくしていると、
仕事をした気になりますが、実際は何もしていません。
そのことを自覚しましょう。
(2)いろんな団体から案内が来ると偉くなったと錯覚します。
業界団体が意味もなくアプローチすることはありません。
既得権に取り込まれます。新人議員ほど要注意です。
(3)ひとり静かに本を読み、深く考える時間を持ちましょう。
3.知りたがり症候群:権力志向の人に多い
・やたらと内部情報が好き。内部情報を耳打ちされるだけで、
いい気分になり、役所に取り込まれてしまう。
・役所から来る「〇月△日16時まで公開厳禁」みたいな文書が、
大好きで、インサイダーになった気分で舞い上がる。
・逆に役所から事前に知らされてないと「オレは聴いてない」
という理由だけで、強硬な反対派になってしまうことも。
事前に知らされないとヘソを曲げるため、役所も気を使う。
【処方箋】
(1)内部情報を事前に知っているか否かよりも大事なのは、
その政策が公共の利益になるか否かです。
(2)情報の早さで勝負するより、情報の分析や解釈の質、
あるいは情勢判断の的確さで勝負しましょう。
4.優等生コンプレックス:劣等感がある人に多い
・東大出の財務省キャリア官僚などの頭の良い人が大好き。
そういう人からレクを受けると、すぐ信用してしまう。
・より高位の役人から説明を受けると満足する。
逆に若手の役人から説明を受けると「オレをバカにするのか」
といった意味不明のフレーズでキレることがある。
・例えば、本省の課長補佐が法案説明に来ると機嫌が悪くなり、
本省の審議官クラスが説明に来るとニコニコになる。
相手の役職の高低で、自分の評価が決まると思っている。
・こういう人は、世襲議員も好きです。要するにブランド志向。
総理の息子や娘は、嫉妬をかわず、チヤホヤされます。
・ちなみに劣等感がある人とは、劣っている人ではありません。
むしろ何の欠点もないように見える人が、意外と劣等感を持ち、
それが政治行動のパターンに現れます。
【処方箋】
(1)奇妙なプライドは捨てましょう。
(2)相手を学歴や役職、出自で判断しないようにしましょう。
5.勉強はできるのに残念!症候群:エリートに多い。
・超高学歴で華々しいキャリアなのに、成果を出せない。
・高校三年生の時の成績、あるいは、公務員試験の成績で、
一生が決まると思い込んでいる。私大出は相手にしない。
・東大出は当たり前だと思っていて、中高の学歴にこだわる。
どの政治家がどこの高校出身かといったことも知っている。
・頭が良いので、杞憂も含め、いろんなリスクを想定できる。
いろんなことを先回りして心配し、減点になることはしない。
蛮勇を奮って変革する勇気はなく、リスクはとらず、前例踏襲。
・変なリスクをとらなくても、出世できると思っている人ほど、
前例踏襲になり、理屈で逃げ切ろうとする。
・もともと頭が良いので、役所のエリート官僚に説明されると、
すぐに納得してしまう。合理的な説明に弱い。
・泥臭い仕事はやったことがなく、庶民の気持ちは知らない。
【処方箋】
(1)東日本大震災の被災地や老人ホームでボランティアしたり、
スーダンやアフガニスタンでしばらく勤務してみましょう。
(2)高校卒業時や大学卒業時の成績より、その後の人生経験が、
もっと重要だという当たり前のことを認識しましょう。
(3)世の中には理屈だけでは割り切れないこともあります。
人情の機微とか、市民感覚とか、大事にしましょう。
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引用元http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-d488.html