この秋山野を散策して印象的なものの一つがカメムシタケに出会えたことです。冬虫夏草に出会えることはなかなかできませんが、その中でこのカメムシタケの出会いは初めてでした。海抜1000m位のブナ林の中でした。
偶然黄色い胞子のうが目に留まったので冬虫夏草かな?と思いそっと基部の枯葉を取り除いてみるとカメムシが出てきました。この時にこの冬虫夏草はカメムシタケだと確信した次第です。冬虫夏草の生態は不思議です。生きているカメムシにどうしてとりつくことができるのでしょうか?自然の奥深さにただただ感心するばかりです。
これは変形菌といわれる一群の生物の中のムラサキホコリカビという種です。変形菌は変わった生活史をとる生物で移動する時期と固着する時期があます。異動期はアメーバ状の細胞で木などの表面の細菌などを食べながら成長しやがて集合し固着期に入り胞子を作る体になっていきます。この絵の茶色の細長い部分が固着期の胞子を作るところです。その下に白くなっているところが異動期のアメーバー状の細胞が移動していた痕跡です。
色が薄いのが気になるのですがキシメジと判断しています。秋、地上に発生する黄色いキノコです。かつては普通に食用キノコとして扱われていたようですが、有害成分が含まれていることが分かっていますから安易に口にしない方が良いようです。