ミネウスユキソウかと思いましたがこれも「ハッポウ」の名前がついているものでハッポウウスユキソウです。言われてみれば確かに全体に白っぽく感じます。白い綿毛が多い種で八方尾根の変種とされています。草丈20cm程度で八方池付近でぽつぽつと生育していて至る所に見られるというわけではありません。
ミヤマクワガタといっても昆虫ではありません。今ではオオバコ科ルリトラノオ属に分類される高山植物です。かつてはゴマノハグサ科になっていましたが・・。新しい分類にはまだまだついていけていません。それはそうと岩がごろごろしている間にクワガタソウが咲いている光景は言葉にできない感動があります。小さな草丈でも花は比較的大きく見えますからとてもかわいく感じます。
この種はカライトソウとワレモコウの雑種だそうです。八方池の上部に一塊の群落があって花もちょうど見ごろでした。カライトソウ程派手さはなくワレモコウにしてはあでやかです。人工的に交配したのではなく自然にできたものですからおのずと見る目が違ってきます。自然の交配で新しい種が生じた・・・。生物の進化をこういう現象から考えた人もいるくらいです。不思議な現象です。
小さな花ですがとても魅力的な花です。ハッポウタカネセンブリ。タカネセンブリという種を知りませんので何がどう違うのかは判然としませんが、どうやらこの薄紫色の花弁がものをいうような印象です。八方尾根を中心に狭い範囲で生息しているようです。
八方尾根には「ハッポウ・・」という種がいくつもあります。いかにこの地域が変異を生じやすい地域かを物語っています。それほど環境の圧力が強く種に影響を及ぼしているとみることができます。
八方尾根には「ハッポウ・・」という種がいくつもあります。いかにこの地域が変異を生じやすい地域かを物語っています。それほど環境の圧力が強く種に影響を及ぼしているとみることができます。
花の大きさは1cmに満たない数ミリ範囲。しかし、茎頂にたくさんの花が付きますから、なかなかいい感じです。決して多い花ではありません。登山道わきにところどころ花を見せてくれています。でもどれだけの人がこの花に気づいているのでしょうか。
ダイモンジソウの高山種とされる花ですが、渓流沿いで見るダイモンジソウとは趣がかなり違います。湿り気が好きなダイモンジソウというイメージがありますが、八方尾根の稜線では十分な湿度が保たれているのか少し不思議な感じがします。もっとも、高山帯は絶えず雲や霧に覆われる場所ですから時々日差しが強く風当たりも強い時があっても乾燥はそれほど脅威ではないのでしょう。
ダイモンジソウに比べ全体に小型です。花が咲いてしばらくすると雌しべの子房が赤味を帯びてくることを認識しました。全国的に見ればダイモンジソウは様々な変異があるようで園芸種がいろいろ作られています。自生の花でも白い花ばかりでなく桃色のものもあるようです。
マツムシソウの高山型変種ということですが、実際のところマツムシソウとの区別が個人的にはできていません。矮性で花が大きいのは一目瞭然なのですが個体変異の範囲と考えればそれも受け入れられます。結局のところ生育している場所で今回は収めています。八方ケルンのに差し掛かったあたりの草付に美しい花を見せてくれました。草丈の割には大きな花で色鮮やか。優れた高山植物一つであることは間違いありません。
マツムシソウ科として分類されますが、キク科と近縁でキク科の頭状花によく似た構造をしています。内側の管状花は外側から咲きだすのではなく中心部から咲きだしているように見えます。実際は周辺部にも開花している管状花があります。このあたりの規則性が明確になっていない種なのでしょうか。
シナノオトギリです。高山に来るとイワオトギリも見られるのですがこの種は中部高山帯に生育する種になります。花が幾分大きいのと葉が大き目でイワオトギリと漠然と違いを感じます。八方尾根ではイワオトギリらしい個体も見ましたが多くは本種の様でした。