これは越後丘陵公園の里山フィールドミュージアムの水辺に生息する貴重なフサタヌキモです。約10年ほど前にヨシ原の湿地の改造が行われいくつかの池が作られ、その際に植栽された植物に紛れて移入されたものと考えています。もちろん絶滅危惧種で県内では極めて貴重な存在ではっきりと自生していると確認されている池はほとんどないと思われます。種を絶やさないように気を使いながら観察しています。食虫植物の一種で葉に捕虫嚢(のう)をつくりここで小さな水性の虫などを捉えて栄養の一部にしています。
フサタヌキモはイヌタヌキモに似ているのですが葉にごく少数の捕虫嚢(のう)をつけることが特徴です。イヌタヌキモがびっしり捕虫嚢をつけるのとは対照的です。先端の葉がまとまっている所を殖芽といい次年度の成長の起点となる部分で水中で越冬するところです。
日本に自生するタデ科の種に似たようなものはありません。世界に目を向けると途方もない植物の世界が広がっていることを痛感します。外来の植物がどんどん入ってくる昨今どんどん学ばないとついていけなくなります。
リンゴと同属の種として扱われます。秋に小さな赤い実をつけコリンゴとも言われ酸っぱい味から「ズミ(酢味)」といわれているという説もあります。(染色に利用されることから「染み」から名づけられているという説もあるようです)