ブナ林の縁、常緑の低木が生えていました。地面から50~60cmほどの枝が出ていてつぼみもつけています。周囲にこれといった親木なども気づきませんから偶然ここに実生で発芽し成長した個体でしょうか。葉の様子からはマサキに見えるのですが、葉はやや大きくなにしろこの程度の個体にすでにつぼみが沢山ついているのが解せません。成長したマサキは観ていますからそのギャップが大きいので「?」がついてしまいました。そう言えば、垣根や公園などではごく普通に見られますが、自生のマサキを県内で記憶がありません。暖地性の種とされますから自生個体は県内ではとても珍しいものかもしれません。
若木で地面から単木で出ています。実生個体と考えるのが妥当でしょう。この株は何年生きているのか気になります。成長がよさそうな木のようにも感じていますが、耐陰性が強くゆっくりと成長する性質もあるのでしょうか。ほぼマサキとは思っているものの今まで感じたことのない生態を観た思いです。
声はすれども姿をしっかり観たことが少なくのですが、研修会に参加した方々は執拗に探してくれました。黒い体色ですからなかなか目に留まりませんが、一度分かると次々に見つかります。案外足元にもいてその個体数の多さに驚きでした。
新潟では「ミズ」といい山菜として利用しているものですが、和名はウワバミソウといいます。個人的には、この名前よりミズ(あるいはミズナ)の方がいいのではと思っている一人です。湿り気の多いところではどこにでもある雌雄異株の柔らかい多年草。
シナノキの仲間が2種。オオバボダイジュとシナノキが見られました。いづれもヘラを持つ花序を認めるのですが、カメラに収まる状態ではなく遠目の記録になりました。オオバボダイジュはかなりの大木になりますが材が柔らかそうなのでシナノキほどの大木にはならない気がします。それでもこの株は15ⅿ以上です。
シナノキには何種かの虫こぶが見られますが、これはシナノキハツノフシというものではないかと予想。ダニの仲間だそうです。個体によって全く見られないものと著しくついているものがあります。この差はどうして起こるのでしょうか。