タニギキョウです。多くは適湿の林床に群落を作っていることが多いのですが、今回見つけた場所が変わっていて車道ののり面です。開放的な場所でそこそこの日当たりがあります。乾燥しそうなところは嫌いなのではと思っていますが、見た目とは異なってこの場所はあまり乾燥しないのかもしれません。
今年もヒトリシズカに出会えました。コース内では二カ所で見られました。もともと一つの個体だったと思われますがヒトリシズカは名前と異なり普通株立ちで多数の個体が一塊で生育しています。県内各地に自生しているとはいってもこの塊が多数ある場面にはなかなか出会えないものです。名前の響きが素敵ですから春の散策に出会いたい花の一つでしょうか。
深山に多いオオカニコウモリがポツンと自生していました。この種は珍しいものではありませんが、国上山の山麓に自生していることが興味深いことです。弥彦山の山塊は様々な種で不思議な分布をしている地域であることが以前から知られています。オオカニコウモリもそのうちの一つでしょうか。
珍品です。私は初めて実物を観ました。ラン科植物で貴重な種の一つです。今回の国上山の散策で最大の感動ものです。たった一枚の葉でしかないのですが、この種はこういう性質で6月頃に花茎をのばして花を咲かせるという種です。花はまだ先ですから、その時にはまた来ようかと思います。
葉裏は奇麗な紫色をしていました。全体にしわしわの葉でそれも大きな特徴ですが、葉裏の色も大きな特徴です。「ほくろ」というのがなぜ付くのか明確に説明してある資料が見つかりません。唯一シュンランを「ほくろ」といい葉が一つであることからヒトツボクロというようになった可能性があるというものです。
国上山の一帯は細かく土地の所有者がおられるのだそうです。そこを花を愛でる散策路にしようといろいろと話し合いがもたれて協力して整備されているのだそうです。中には積極的に雑木林の間伐を自力で行い林床も手入れされている場所がありました。そこにはフデリンドウが沢山発生していて小さい花ながらなかなか見事な景観です。その全体をカメラに収めようとしましたが、明るすぎことが対象が小さすぎることで絵になりません。仕方なく複数の株が入るアングルを探しての記録です。
よくハルリンドウと間違われるのですが、県内でハルリンドウを確認したことがありません。決め手は地際にまとまって出る葉(袴のような状態になる)が見られるかどうかで、県内に自生している種はどれもそれを持っていないフデリンドウです。