セリ科の種でも見慣れてくるとその違いが見えてくるようになります。ミヤマトウキの葉は小葉の先が鋭くなっていることや光沢がある葉身や何といっても独特な強い香りを持っていることが他の種と区別できるポイントです。
甚之助避難小屋付近だと思いますが珍しいツツジに出会いました。バイカツツジです。高山というより深山に見られる種で過去に2回ほどしか出会っていません。最初は福島いわきの山地で高山というような環境ではありません。調べてみると本州・四国・九州の山地とあります。白山の高山帯というわけではありませんが、かなりの高海抜に自生していたことがとても印象的でした。
花は梅の花に似ているというのでバイカツツジといわれるのですが、春に枝の先に輪生するように数個の花がつくことが多く、花が咲くのに合わせて目も伸びだしてくるので花が咲くころには放射状に延びた若枝の付け根から顔を出すような格好になってしまいます。もちろん単独で枝についている花を見ることもあります。ツツジですから果実は蒴果で熟した後は乾燥して果実が割れ中から細かい種子が出てきます。
雨に濡れたシナノオトギリがありました。シナノオトギリというのも大体の見当で判断していて、細部を確認してはいませんからとんでもない間違いをしているかもしれません。可能な範囲でカメラに収めたものの必要なカットが十分にありません。
南竜山荘の近くの沢にタテヤマアザミの立派な株がありました。難しいアザミの中でも比較的理解しやすい種のように思います。分布が白山から北アルプス北部と妙高山とやや限定的な種とされます。立山などでは大きな群落を作り草原の一角を占めている姿を見たことがありますが、今回は足元ばかりを見て歩いたせいか木道の脇の個体に気付いた程度でした。