オオイタドリです。本土の山地帯から亜高山ではしばしば大群落形成していて、草丈2m以上などということはごく普通にありますね。ところがこの弾崎ではなんと50cmにも満たない状態でした。比較的湿ったところが好きな種ですから、今年の夏は極めて雨が不足気味でさらにやや開けた場所で水分条件は悪そうな場所。そして、ここは風が強そうなところですから、環境に適応した結果矮性の状態で生活していると考えたほうがいいでしょう。それにしても、あの高茎の草がこんなに小さいとは驚きです。自然の不思議さを感じる一場面です。
カシワの林から少し内に行くとオニグルミの木々が混ざる林があって、その林床にツルボがちょうど花盛り。久しぶりに出会う花でしたね。特に珍しいものではありませんが、人里近いところに花を見せてくれる、どことなく懐かしい花という感じです。ユリ科の種で小さな花が房状になって咲きます。これは、下から順次咲いていきます。下から上に咲き進んだり中央から外側に向かって咲き進む場合、無限花序といいます。
クサボタンの花もありました。風のせいでしょうか、葉や花はかなり痛み気味で全体にくすんでいます。もっと環境の良い場所ならば沢山の花をつけて人目を引いたことでしょう。しかし、近寄って見ると花はなかなか素敵です。キンポウゲの仲間ですから花弁ではなくがくが4枚です。しべは沢山あります。
キク科にもタムラソウという種がありますがこれはシソ科のタムラソウで、ハルノタムラソウ、ナツノタムラソウとアキノタムラソウという種が確認されています。紛らわしいですね。春・夏・秋とありますが季節に明確に対応しているわけでもなく紛らわしいことこのうえもありません。名前の由来も判然としなくて最もそれらしいのは「紫色の花を沢山つける」ことから「多紫草」がなまったとする考え方です。秋というより夏のうちから咲き出し秋の初め頃まで花が見られるというところでしょうか。似たような種類がいくつもあって判別に苦労します・
シソ科のタムラソウのなかでは草丈も大きめでもっとも大きな花がつきます。色も良いですね。そして、タムラソウの中では最も普通に見かけるものです。
ハルノタムラソウはまだ見たことがありませんし、ナツノタムラソウは確か上越地方の山中で1度見た気がしますが、場所が定かではありません。
ハルノタムラソウはまだ見たことがありませんし、ナツノタムラソウは確か上越地方の山中で1度見た気がしますが、場所が定かではありません。
天然スギの散策道の途中、「野生のフジバカマ?」と勘違いするほどよく似た株がありました。よく観察するとヨツバヒヨドリでしたが、らしくない部分がありますね。そういえば、里山にあるサワヒヨドリも最初見たときは疑ってかかったものです。この仲間は案外変異が多い種だと思います。大体、野生のフジバカマが新潟にあるとかましてや佐渡の山中にあるなどということはないのですから、変異の個体と考えるべきですね。
この季節、佐渡はセンニンソウの季節で車から見える道路脇に生えている白い花はほとんどセンニンソウでした。ここ二つ亀の展望台の脇にもごく普通にあって夏の終わりを飾っています。センニンソウは新潟の本土では海岸線に見られ長岡など内陸部には見られない種です(同属のボタンズルが繁茂していますが・・・)。あるいみ住み分けをおこなっているような感じがします。佐渡ではボタンズルを見ませんでした。さらに、天然スギが生育する山地にもその道路沿いにセンニンソウが生えていましたから、全島センニンソウで占められているのではないでしょうか。
弾崎の灯台を見ようと灯台方面に伸びる道を行き、そこから灯台目掛けて歩きました。しかし、夏草が著しく生い茂りここからの前進は無理と判断して断念(脇のホテルの庭から行けたのだそうです)。
映画にもなった弾崎灯台、行けずじまいが心残りでしたが、足元にはガガイモの花があって、私はこれで満たされました。(同行者はどうだったろ?)
映画にもなった弾崎灯台、行けずじまいが心残りでしたが、足元にはガガイモの花があって、私はこれで満たされました。(同行者はどうだったろ?)
海岸林にはカシワがよく群落を作ります。柏餅に利用される葉ですが、これがカシワだよと教えると意外な顔をされ感心される方が多いですね。ましてや、ドングリがつくと知ると驚きはひとしお。ごく身近な自然をしっかりと観察することは大切です。案外そういうことからものの大切さなどを再認識したり人とのつながりや暮らしを豊かにするヒントがあるような気がします。
棘のある種が続きました。今度は毒のあるヤマトリカブトです。ちょうど花の時期に出くわしたため綺麗に花を見せている株があちこちにあって時にはかなりの群落を形成し、この季節の主役になっていました。
この株は特に花数が多くゆうに50個はあったと思います。見事です。そして綺麗でした。つい出合ったと樹は歓声を上げてしまいました。
この株は特に花数が多くゆうに50個はあったと思います。見事です。そして綺麗でした。つい出合ったと樹は歓声を上げてしまいました。