森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アズキナシ 2

2009年11月30日 | 自然観察日記
 もう十分に熟していていつ落ちてもよさそうな実が沢山あります。周りを見ると、房ごと落ちたものが林床の潅木の枝にひっかかっています。実が一つ一つ落ちるより花序ごとまとめて落ちるようです。
 小鳥の眼に留まって欲しいのでしょうが、辺りは静まり返ってなんの鳴き声もしません。親株の根元で芽吹いてもあまり意味がありません。この中で有効な育ちをする種子はいくつあるのでしょうね。
 ナナカマドの仲間ですから、「梨」といってもそんなに美味しいはずもありませんし、熟れ過ぎの様子で今回は口にすることは辞めて見るだけにしました。

アズキナシ 1

2009年11月30日 | 自然観察日記
 山沿いの雑木林の縁に赤い実がたわわに実った樹がありました。越後の里山には普通にあるアズキナシ、でもこんなに実が沢山付いた樹はそんなに出会えませんね。心地よい日差しの中でしばしみとれてしまいました。

ツクバネの実 その後

2009年11月29日 | 自然観察日記
 ブログに載せる素材に苦労する季節になりました。何かないかと探していると、ツクバネの実が目に留まりました。もう褐色に変色しています。果実に羽根があるのだから風の力でくるくる舞って遠くに飛びそうなのですが、枝先に止まったまま。考えてみればこの羽根は何のためにあるのでしょうね。ツクバネはせいぜい2mの低木、こんな小さな木では羽根の意味はないではありませんか。羽根の色も地味、この形態にどんな利点があるのでしょう・・・。

オクモミジハグマの種子

2009年11月28日 | 自然観察日記
 左がオクモミジハグマの頭状花の名残、それをほぐしたのが右。中から3個の種子が出てきました。いくつか試しても3個の種子。オクモミジハグマの管状花は3つずつでセットになっているということになりますね。花を見ているときは気づかないことでもこんな時期に気づかされます。野遊びはいつでも発見があります。

イチイの花芽

2009年11月27日 | 自然観察日記
 冬の準備のために庭にある木をみて回りました。その中に、挿し木をして5・6年のイチイの木に花のつぼみが付いていました。丸いものがそれ、一個だけ少し細身の芽は葉芽でしょう。来春はイチイの赤い実が楽しめるようです。しかし、この木は巨木になるので上手く抑制していかないと手に余るようになります。

ラクウショウ 2

2009年11月26日 | 自然観察日記
 日本のスギを基準にすると違和感もあるかもしれませんが、枝先に付いた実を見るとスギの仲間だということを納得してもらえるかもしれません。落葉する針葉樹は日本にはカラマツ(マツ科)がありますが、針葉樹は常緑という概念が強いせいで落葉するラクウショウを興味深く思うようです。よく似た種にメタセコイアがあります。これも落葉性のスギ科でラクウショウと区別するのに戸惑います。ラクウショウの別名ヌマスギ、湿地を好んで生育します。気根というものを地上ににょきにょきと出すのでこれで区別するのが簡単です。しかし、湿地でないと出しませんから、後は葉で見極めることになります。なよなよとした葉がラクウショウ、メタセコイアは少々がっしりしていて、一見複葉かなと感じます。


ラクウショウ 1

2009年11月26日 | 自然観察日記
 ある人にこの木は何かと聞かれ、お話したことがあります。北米原産のスギ科のラクウショウ。あるいはヌマスギという名で各地の公園には広く植栽されています。ちょうど紅葉の時期で、美しい景観を作っています。

ハコベの生き方

2009年11月25日 | 自然観察日記
 ハコベは寒さの中でもすきさえあれば花を咲かせ実を結びます。むしろ、この時期競争相手がいなくなったのをいいことに勢力を拡大させている風です。耐寒性を持っていれば、冬季は十分な光を得る機会があるのですから、住みよいのかもしれません。そのかわり、夏の暑い時期はお休みです。

ヒヨドリジョウゴ 3

2009年11月24日 | 自然観察日記
 ヒヨドリが好んで食べることから付いた名前とされますが、少々疑問。ナス科の植物で毒草です。ナス科の植物は有用なものも多いのですが危険極まりない毒草も多数あって、うかつに口に入れないことですね。それにしてもアップで見るとミニトマトそくり。食べてみたくなります。
 今日は観賞用に一枝持ち帰りましたが、実が重くなかなか活けるのに苦労する代物です。その作業の過程で気づいたこと、茎には天地の方向があるのですが、このヒヨドリジョウゴはその天地が分からなくなることがあるのです。天地にまごついたのは久しぶりですね。

ヒヨドリジョウゴ 1

2009年11月24日 | 自然観察日記
 小春日和の陽の光に赤く輝いている実が目に留まりました。つる植物のヒヨドリジョウゴです。霜も二・三回降りた晩秋にもかかわらず生き生きとした実がたわわについています。「綺麗な色だなぁ!」素直に実感。出会えたことに一人感激しています。

季節外れの新葉

2009年11月23日 | 自然観察日記
季節を間違えて発芽展葉してしまったウリハダカエデ。先日の寒波でかなり痛めつけられたと思うのですが、林の中で葉の痛みはありません。しかし、色はかなり薄め。淡い緑色がなんとも儚くて印象的です。まもなく本来の仕事をすることなく枯れ落ちるのでしょうが、せめてその美しさを伝えておくことにします。

アオハダの残り果

2009年11月22日 | 自然観察日記
 葉がすっかり落ちていてもまだアオハダの赤い実がついています。今年のアオハダの樹は鈴なりの赤い実をつけているものにはとうとう出会えませんでした。どの樹もパラパラという感じで寂しい年です。小鳥の餌になるのでしょうか、かなり少ないのが悪い影響を与えなければよいのですが・・・。

ミゾソバの実

2009年11月21日 | 自然観察日記
 普通にある草も知らないことが一杯あります。これはミゾソバ、実ですが花の時期の面影があります。湿り気のあるところならどこでも繁茂し厄介な雑草として扱われます。ものの本によるとこの種も閉鎖花があるとのこと、残念ながらまだそれを見たことがありません。沢山あってさわるとちくちくしてあまり良い気分になれませんから、探そうともしていません。そういう姿勢が駄目なんですね。

シオデの実 2

2009年11月20日 | 自然観察日記
 一房をアップ。大型のブラックベリーのよう。まだ口にしたことがありませんので、どんな味がするのでしょうか。あまりおいしそうではありませんが・・・。