山の小さな水溜りにヒシが一株。水草としてはそれほど珍しいものではないとはいえ、久しぶりに見つけたものですからとても新鮮な気持ちです。ヒシの花の時期にはまだ先ですが放射状に展開した葉の幾何学的な美しさがなんともいえません。棘のある実が水鳥などについて運ばれるといわれますが、結構大きな実ですから本当に事実なのかちょっと考えさせられますね。
たまには里山とは違った艶やかなバラ園の雰囲気も紹介します。29日から国営越後丘陵公園の春のバラ祭りです。気温が高いせいか予想より1週間早い満開になりました。百花繚乱、ほんとうに色とりどりの花が咲いています。
ここの公園は「香り」でグループ分けしたバラ園が特徴で注目を集めています。6種の香りに区分して、国際的な香りのバラコンテストも開催され、国交省大臣の表彰があります。そのほか市民の投票もあって審査員とは別の視点での評価も下されます。
ここの公園は「香り」でグループ分けしたバラ園が特徴で注目を集めています。6種の香りに区分して、国際的な香りのバラコンテストも開催され、国交省大臣の表彰があります。そのほか市民の投票もあって審査員とは別の視点での評価も下されます。
高台から見るとふんわりと紫色をした樹がありました。拡大した写真で見るとそれはマルバアオダモの若い種子の色づきで、緑の葉の海に渋い彩りを添えてくれるものでした。この仲間はあまり主張しないものが多いのですが、マルバアオダマは花も目を引きますし実も存在を主張しているようですね。
偶然見つけたスギの気根です。私はスギが気根を出しているのは始めて見ました。おそらくスギが気根を出すのは珍しいのではないかと思います。もっともスギの仲間は湿地に強いものが多く、ヌマスギなど気根を作る能力が高いですからそんな性質をこの仲間は受け継いでいるのでしょう。
林の中にすっくと立った大型のナルコユリ。残念ながらまだ開花とまでは行かないようです。いま林床では小型のミヤマナルコユリが白い花を付けていますが、それと比べると大変大きい感じがします。里山のガイドをすると目ざとく見つけられて「あれは何ですか?」という質問が来ます。ナルコユリは小型のものと思い込んでいる方が多いのでこの大きさには感激されますね。
実は私の庭にもう2~30年も昔からはびこっているデワノタツナミソウがあります。まさに雑草状態。日向も平気で種子をどんどん作っては鉢などにも住み着いてきますから、この半日陰に生育している個体と同じものとはなかなか思えないですね。(これは越後丘陵公園の里山ミュージアムの園路沿いに咲き出した株です)
ギフチョウが乱舞した森は静かな時を迎えています。そんな中カンアオイノ葉をかじって成長をはじめたギフチョウの幼虫。虫食いのカンアオイノ葉を裏返すとご覧のとおりの真っ黒な芋虫がへばりついています。ちょっといじめてやるとアゲハの仲間の特徴である黄色の角を出して反応します。そんなしぐさが面白くて、数回つついて遊んでみました。蛹になる頃にはこのカンアオイの葉はみんな食べられて無くなってしまうんでしょうね。
ウツギといってもバラ科の植物。全国的に分布している種のようですが、越後ではパラパラと報告されているものでどちらかといえば貴重種。分布図集によれば弥彦山や西山丘陵や上越などの報告がありますが、面白いことに谷川岳近辺からも(群馬県側)報告されています。どこにでもありそうな種なのですが他の地域からは見つかっていないという変り種。なぜだろうなぁ?変わった分布をする植物です。それはその植物の歴史があるわけで、そういうものを考えると一味違った楽しみ方ができますね。花そのものは控えめで可愛いもの。ちょうど咲き出したところです。
野山にキイチゴの仲間が沢山あって区別がなかなか難しいのですが、花が頼りないこの種はクマイチゴです。棘があって嫌われ者の一つ。赤い実が熟し、もちろん食べれますが味も食感もいまいち。黄色のモミジイチゴに比べると数段落ちますね。
半寄生植物とされるツクバネ。これは雄株ですから雄花ですね。小さすぎて花が開いているのかどうか分かりにくいのですが咲き始めたようです。地味な花ですが、葉の色が黄緑色と特徴がありますから気をつけてみているとすぐに気づきます。低山には比較的よく見つかる種です。