湿原を彩っていた花がオヤマノリンドウでした。直前に冷えた日があったのかややしおれ気味の草花がが見られましたがオヤマノリンドウは光を浴びてとても綺麗でした。オヤマノリンドウはエゾリンドウと違い花がほぼ頂部にのみ付く種です。
面白い景観がでてきました。水中で生活するオヤマノリンドウです。まるで水草。しかし、水中では初が発芽できないと思いますからこの沼はオヤマノリンドウが初が生育してやや大きくなったころに水位が上がりこんな景観になったのでしょう。あまり生育が良くないようですからまるまる水に浸かった生活は苦手なようです。
八幡平の駐車場の近くにダイコンソウが生育していました。海抜1600ⅿは超える高原ですから北方系のダイコンソウが出てもいいと思うのですが、最初に目についたのが里山にも見られるダイコンソウです。かなりの高所にでも生活できない訳ではないとは思いますが、歩いた範囲には他にダイコンソウは気づきませんでした。生育している場所などから推測して低海抜地域から種子が運ばれて芽生えた可能性があると思いました。
今回の目的は草紅葉の八幡平を歩くこと。今年は天候に恵まれっぱなしで東北の山旅に出かけた3日間は見事な晴天。ナナカマドの紅葉はまだですが、湿原の草紅葉はちょうど盛りであまり人も多くない時期ですから自分のペースでブラ歩きができました。
八幡沼を中心にした周囲は高層湿原のパノラマです。9月中旬は草紅葉の季節。オヤマノリンドウなどはまだしっかりした色がありましたが、多くの野草は実の季節も過ぎて枯れ始めて最後の姿を見せているものも多くあります。暫くは八幡平で見つけた草花の秋の姿を観ていきたいと思います。
八幡平を貫く観光道路アスピーテライン沿いには針葉樹の森が広がります。強い風のせいか枝の張り方が風下に伸びて至りあるいは枯損している木々も多く厳しい環境が予想されます。八幡沼付近の針葉樹は多くがアオモリトドマツでやや窪地のせいでしょうかのびのびと育っている樹が多いように思います。
玉川温泉の荒地にはイソツツジの大きな群落が形成されていました。「磯」という名がついているにもかかわらず、海岸にはなく今まで出会った場所はいずれも火山地帯の荒地です。資料によれば福島の浄土平が南限だそうですからこれより北に自生するツツジ科の低木です。花の季節は6-7月頃ですから、白い花が一面に咲き誇る景観は素晴らしいものがあります。これだけの規模での群落ですから見ごたえのあるものになるはずですが、玉川温泉とイソツツジという組み合わせの宣伝文句が見られないのはなぜでしょうか?