森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カリガネソウ

2017年10月31日 | 自然観察日記
長らく出会いたいと思っていた花に出会えました。深山の湿潤地に見られるカリガネソウです。県内での自生も極めてまれで産地も限られているようです。やや大型の草本でシソ科の多年草。花の形が何とも言えない造形で見とれてしまいます。

カリガネソウの花

2017年10月31日 | 自然観察日記
カリガネソウの花は夏から秋にかけて咲く花。ちょうど先初めのタイミングで出会ったことになります。青い花が沢山つくと圧巻なのですが、まだぽつぽつと花がある状態。それでも、造形の美しさに見とれてしまいます。この花、実はハナバチなどの昆虫が吸密に訪れるとしべが虫の背中にスタンプのように押し当てられる仕組みになっていてなかなかの巧者(曲者)なのです。おまけに花の咲く頃から開花期は何とも言えない匂いがして、花の美しさには似つかわしくないのです。仕方ありません、人のためにある花ではなくあくまでポリネーターを引き寄せ受粉させる目的での花ですから。

カリガネソウのつぼみ

2017年10月31日 | 自然観察日記
ボクシングのグローブのような形のつぼみがたくさんありました。これらが一斉に咲く所を見てみたいところですが、まだまだ先の段階。林の中にあった株で個体の密度も多くありませんから、花序は横に広がったような形状でした。

オオナルコユリ

2017年10月30日 | 自然観察日記
平標小屋からの下りは沢筋の道です。尾根筋に見られる植物とはかなり異なる種が続々と出てきます。その一つがミヤマウドですが、同じようなものにこのオオナルコユリも当てはまります。草丈1mはあろうかという大型のナルコユリ。付近の山地や里山にもみられるミヤマナルコユリの栄養が良い個体ではなく別種です。あまり群生する種ではなく数本くらいがかたまって生えていることが多く、かなり湿った場所を好みます。山菜として珍味だとか個体の多い種ではないのであまり食べる対象にはしたくない種です。

オオナルコユリの果実

2017年10月30日 | 自然観察日記
花は6月に咲いたのでしょう。それから少し時間がたっていますがまだ花冠が残っている状態。ちょっとユーモラスな景観で、実が沢山ぶら下がっていました。各腋に2~3個の実がついています。径7~8mm。鳴子のように見えなくもありません。

ミヤマウド

2017年10月29日 | 自然観察日記
上信越の県境の亜高山から高山にかけての森林の林床でときどき見かけるミヤマウドです。ウドほど大形にはなりません。実は県内で見たのはこれが初めてで志賀高原やその近辺で何回か出会った程度です。県内の採集記録をみても多くはなくといえるでしょう。

ミヤマウドの果実と花

2017年10月29日 | 自然観察日記
花の季節は終わっているものがほとんどですが、わずかに花が咲いているものを探して映しました。ややボケていますが5枚の花弁が写っています。手前のものは若い果実。その奥には花弁が落ちてしべが残っている状態のものが見えます。

ネコシデ

2017年10月28日 | 自然観察日記
平標山の家から下は樹林帯になります。そんな樹林帯の縁にネコシデがありました。雪のためでしょうかやや伏した樹形になっていてササなどに触れながら生活しています。

ネコシデの実

2017年10月28日 | 自然観察日記
実が沢山ついている個体で観察にはちょうどいいものでした。̪四手といってもこの種は垂れ下がらないものです。サワシバなどの垂れ下がるものはカバノキ科シデ属、この種はカバノキ科カバノキ属。別名ウラジロカンバともいいます。

ネコシデの実 拡大

2017年10月28日 | 自然観察日記
シラカバなどのカバノキ属の果実も柄が長いため垂れ下がりますが、ネコシデは柄が短いので上に立つ形状をしているようです。実が沢山上を向いて並んでいる様はなかなか面白い景観です。