森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

タガネソウ

2010年04月30日 | 自然観察日記
 スゲの仲間も春早く開花します。細長い葉の植物は見極めが難しいこともあってどうしても敬遠がちです。そんな中でも、里山に普通に生えているタガネソウは覚えやすい種類です。脇役ですが、あちこちの雑木林の林床に見られます。スゲの中でもやや幅広の葉を持った株立ちにはならないものですね。
 スゲ属の花の多くは雄花と雌花がそれぞれ集まって穂状になった「小穂(しょうすい)」と呼ばれるものが葉腋に着く(最上部に雄花、下部に雌花)のですが、タガネソウは一つの小穂に雌雄両方の花が混ざるちょっと変わった形をとります。


テンナンショウ

2010年04月30日 | 自然観察日記
雪解けの早い遅いで咲く花の時期が微妙に違います。少し早く雪が溶けた場所にヒロハテンナンショウが早くも花を見せていました。花といっても、見えるものは苞と呼ばれるもので、本当の花はこの苞の内側にある筒状のものに雄花と雌花分かれてびっしりと並んで着いています。

テンナンショウの新芽

2010年04月29日 | 自然観察日記
 にょっきと出てきたのはヒロハテンナンショウの新芽。半日陰のやや腐植の多い厚めの土壌に出てきます。新緑が目立ち始めた中で赤い色素を持った細長い塔は不思議な世界をかもし出します。まもなく仏縁苞をもった独特な花を咲かせます。サトイモ科。

エンレイソウ

2010年04月29日 | 自然観察日記
 越後のエンレイソウは北海道のエンレイソウ(オオバナノエンレイソウ)に比べて見栄えがしませんね。北海道の人がうらやましい限りです。里山のあちこちにちょっとした群落を作ってはいますが、花弁のない花は寂しいですね。このガク片では多くの昆虫を呼び寄せることは難しいと思うのですが・・。特に匂いも感じられません。

キタコブシ

2010年04月28日 | 自然観察日記
 寒暖の差が大きく例年とは花の咲き方、主にその順番が変です。しかし、次第に里山も花が増えてきましたね。ようやくコブシの花が目立つようになっています。
 コブシの樹は結構多くありますが、花数が少し少なめかな?つぼみがまだありそうなので今後の推移を見守ります。

エドヒガン

2010年04月26日 | 自然観察日記
 福島県三春町の日本三大桜のひとつ滝桜は、種名で言うとエドヒガンということになります。枝垂れる品種と枝垂れない品種がありますが、滝桜は枝垂れるタイプのエドヒガンということになります。色が紅が強いことからベニシダレとも言いますが、品種レベルの変異としていいでしょう。日本では主に西日本の深山に点在して自生している種とされます。花のガク筒の基部がプクッと脹らむのが特徴です。

滝桜 1

2010年04月26日 | 風景
 福島県三春町の滝桜は樹齢1000年以上の老木で天然記念物に指定されています。数年前に大枝が折れて心配されましたが、その傷跡も余り分からないほどの花を咲かせました。本当に圧巻ですね。その空間にいるだけでとても幸せな気持ちになります。
 (例年多くの方が出掛けますから、滝桜を鑑賞するにはこの場所にAM6時頃着く予定を立てるといいですよ。少しタイミングを逃すと駐車場は満車。直ぐに数キロの渋滞になってしまい、かなり苦労します。)

滝桜 4

2010年04月26日 | 自然観察日記
樹齢1012年という記されたものがありましたが、かつては1500年とも言われたこともありました。花を支える幹の迫力も感動ものです。長寿に対する畏敬の念を抱くことは自然なこと。小さな社が根元に目立たぬようにあります。しかし、けばけばしい幟を立てられては、花の美しさを自然のままで鑑賞したい人には少々興ざめなことですね。

ヤナギの雄花

2010年04月26日 | 自然観察日記
 これはオノエヤナギの雄花です。花粉が出る前の葯は赤い色を帯びていますから、この頃の種は比較的判別しやすいですね。でも、この色をしている他のヤナギもいますから絶対的なものではありません。ただ、赤みを帯びたものは雄花ですから雄木ということはいえますね。

ヤナギの雌花

2010年04月26日 | 自然観察日記
 サクラなどに押されて端のほうに押されがちですが、ヤナギの木々も盛んに動いています。里山にも何種類かのヤナギが分布していますが、これは葉が比較的長いオノエヤナギの雌花です。びっしりと雌しべだけが並んでいます。
 ヤナギを見極めるのは難しいのですが、雌雄異株で雄木と雌木がある風媒花です。雄花と雌花があるわけですが、形や大きさはよく似ていますから雌雄の違いは余り気づきません。しかし、近づいてしっかり見るとその違いが見えてきます。この雌花、受粉し種子が出来ると基部から綿毛が発達してふわふわの状態になります。

クロモジの雄花

2010年04月25日 | 自然観察日記
(オオバ)クロモジの雄花です。というより、この種は雌雄異株ですからこの花が咲く株は雄株で沢山咲いている花が全部雄花ばかりです。クロモジには雌花が混ざるという話も聞きませんから、雌雄異株が徹底しているのでしょう。この時期林の中を散策すると良く目にする花ですね。枝先を折ったり新葉をもんでさわやかな香りを楽しみます。