森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホツツジ 

2008年08月23日 | 自然観察日記
 林の中ではホツツジが咲いています。ツツジらしからぬツツジとして有名です。暑い日差しの中にもなんとなく秋を感じるようなときに出会うことが多いせいでしょうか、私はこの花を見るとどことなく寂しさを感じてしまいます。日常のさまざまな事象が押し寄せてきて、ことさらそんな思いを強く感じています。
 

コバギボウシ

2008年08月22日 | 自然観察日記
 山の斜面から流れ落ちる側溝の溜め枡に、種子でも流れ着いて成長したのでしょう、コバギボウシが咲いていました。どことなく哀れな環境で健気にも頑張ってこんなに成長しました。しかし、そろそろ「私の季節も終わりです」といいたげにぽつんと咲いているのが印象的です。

イヌゴマ

2008年08月21日 | 自然観察日記
 これから秋に向かうにつれてシソ科の小さな野草が次々に開花してきます。まず目に付いたのがイヌゴマです。特に存在を主張しているわけでなく、湿り気のある場所で夏草の中に埋もれていました。

アキカラマツ 2

2008年08月20日 | 自然観察日記
 カラマツソウの花には花弁がありません。花弁のように見えるのはガクで、それより目立つのはおしべです。このおしべの様子が落葉針葉樹のカラマツの葉の様子に似ているというのですが、そう見えますか?

アキカラマツ 1

2008年08月20日 | 自然観察日記
 この季節の野の花はみんな派手さがないですね。どことなくぼんやりした色調です。アキカラマツもその仲間。比較的大きな草ですがあまり目立ちません。しかし、この淡い色調は嫌いではありません。

ナツズイセン

2008年08月19日 | 自然観察日記
 ちょうどこの頃、私の町内の庭先にナツズイセンの花が咲き乱れています。このナツズイセン、植えられてているお宅は比較的古い民家が多いように思いますね。古い時代に中国から来たとされています。キスゲに似てユリ科のようにも見えますが、ヒガンバナ科に分類されます。花期に葉がないなど、じっと見ているとヒガンバナに近いことが分かります。種子を見たことがありません。

ヤブカンゾウ

2008年08月18日 | 自然観察日記
 薬草に「甘草(カンゾウ)」というのがあります。ひところは「甘草」とはこのユリ科のヤブカンゾウの仲間と思い込んでいました。生薬でいう「甘草」はまったく別種で日本には自生しないマメ科の種であることを知って、内心恥ずかしい思いをしたことがあります。ユリ科のカンゾウは「萓草」と書き、「萓」はスゲの意味で、一重はノカンゾウ、八重はヤブカンゾウ。薬効は分かりませんが、山菜として利用可能です。

オトコエシ 2

2008年08月17日 | 自然観察日記
小さな花を拡大してみれば、5弁のかわいい花です。オミナエシは「女郎花」、オトコエシは「男郎花」と書くのですが、漢字にすると違和感が出てしまいます。凄い名前だなぁ・・。


オトコエシ 1

2008年08月17日 | 自然観察日記
 お盆も16日の送り火で終わりましたね。あいにく各地でゲリラ的な雨が降っていていましたから、古来からのしきたりをきちんとこなすにはなかなか大変ではなかったでしょうか。
 お盆のころから咲き始める晩夏の定番オトコエシです。オミナエシと対にされる野草です。野生のオミナエシはめっきり少なくなって見ることが稀になりましたが、オトコエシはまだまだどこにでもあります。

ベニシジミ

2008年08月16日 | 自然観察日記
 春から秋遅くにかけてよく見られる蝶ですね。年何回か世代交代をするせいでしょう。すばしこいので、カメラの性能が良くないせいかなかなか焦点をあわせることが難しい・・。
 花の生態を追っているとそこに遊びにくる昆虫を見つけるととてもうれしくなります。どこにでもいる蝶とはいっても、決して個体数が多いとは思えません。ベニシジミばかりでなく多くの蝶が少なくなりました。
 そういえば、家の脇にいたホタルの姿は今年は見かけませんし、カブトムシやカナブンもしばらく見ていません。増えて迷惑しているのは、害虫のヒメコガネとカラスでしょうか。

アメリカネナシカズラ 2

2008年08月15日 | 自然観察日記
 発芽後体を支えるという目的でなく栄養を奪い取るという目的で他の植物に巻きつきます。やがて根を失い、細い蔓が縦横無尽に伸び手当たり次第に巻きつきながら広がっていきます。光合成という方法を放棄し、寄生という方法を選択した変わり者の植物です。ネナシカズラの仲間は決まって日当たりのいい場所にいます。光が不足していたわけではないはずですが、いったいどういういきさつがあったのでしょうね。

アメリカネナシカズラ 1

2008年08月15日 | 自然観察日記
 日本には在来のマメダオシやネナシカズラなどの寄生植物が分布しています。いずれも、人里近い藪などで他の植物に巻きついて生活していたとされます。しかし、最近見かけるものはほとんどアマリカネナシカズラのようです。微妙な形態の差異でにわかに分かりにくいのですが、マメダオシなどは害草どころか絶滅危惧種に近い存在になっているという話を聞きました。

ツチカブリ

2008年08月14日 | 自然観察日記
 キノコも気になりはじめました。サクラが植えられている林の地上にモコモコとツチカブリの大発生です。ここでは「土かぶり」というより「落葉かぶり」で、葉を取り除いての撮影です。毒キノコとして扱われますが、かじって味を見ればとにかく辛い。刺激的な味がします。

ツリガネニンジン 2

2008年08月13日 | 自然観察日記
 かわいい花です。キキョウの仲間で、根が太くて薬用にするそうです。此花が咲くともうすぐ秋ということになります。季節は巡って気が付けばもうそこまできているんですね。ハギも咲き出しています。

ツリガネニンジン 1

2008年08月13日 | 自然観察日記
 ツリガネニンジンの青い花が目に付くようになりました。「山で美味いはトトキにオケラ、里で美味いはウリ、ナスビ」のトトキがこのツリガネニンジン。でも、私はそんなに美味しいとは思わないのですが・・。むしろ、「木の芽」や「ウド」の方が上だと思います。
 ところで、上記の「オケラ」を「オクラ」とよく間違えて使っています。結構知識の高い人でも間違えているんですよ。「オクラ」はアフリカあたりが原産の最近入ってきた外来野菜、「オケラ」はれっきとした在来の野草です。といっても、私は写真以外では見たことがない結構貴重種です。アザミに似た種ですね。