立派な花穂をつけている株です。低木帯はミズナラやテツカエデなどが見られるのですが雪のせいかそれほど大きな木はなくみんな同じ程度の樹高です。ただ、つる性の植物も混じっていて林床はかなりごちゃごちゃ。ハナヒリノキもそんな環境で頑張って生きているようです。
ツツジ科の低木、ウラジロハナヒリノキです。尾根筋の岩が混ざる低木林の一角を占めていました。もう少し低海抜の場所でも見かけることもありますが、経験上いつも荒れた場所に生育している個体に気づきます。ハナヒリノキは低地から亜高山帯まで見られますがウラジロハナヒリノキはハナヒリノキよりも高所の荒地に適応しているようです。
名前の通り葉裏が白っぽくなっています。しかし、ハナヒリノキとの明確な区別をいうのは結構難しく、全体を観察して判断しなければなりません。小型でやや葉が小さ目で、葉裏だけでなく表側も白っぽくなっていたりすることや花がやや扁平なことが認められれば間違いないものとして判断できるでしょう。
リフト上駅付近にあった群落です。草丈60cm程度でしょうか、2ケタの株がありました。アザミについてはやや門外漢で最近の分類区分についていけていない自分がいます。資料に姥が岳周辺に自生しているアザミはナンブタカネアザミとされています。これに従うしかないのですが、頭花の総苞の形質が必ずしも典型ではありません。
葉はオニアザミに似た鋭い棘が顕著です。ただ、頭花は点頭していませんからオニアザミではありません。ナンブタカネアザミの分布域はごく限られているそうです。ヒナザクラと同じ山域の高山風衝草原に生育するとされています。
定番の高山植物です。チングルマと同様山を愛する人で知らない人はいない花です。そうはいっても個人的にあまり印象がない種なのです。数十年前の白馬大雪渓を登り切ったあたりにハクサンイチゲの大群落があった記憶を思い出すのですが、それ以外の印象があやふやです。毎年どこかで見ているはずなので印象に残らないほどごく当たり前の種ということなのでしょうか。
この花はがくに切れ込みがあります。普通の花は苞は披針形で切れ込みはなし、がくも切れ込みを持たない丸みを持ったものになります。丁寧に探すと変わり花はもっとありそうでかなり変異する習性がある種ではないでしょうか。もっとも、キンポウゲの仲間の多くが変異しやすいグループに見えますから特に驚くことではないかもしれません。