見た目が似ていても花穂を並べると一目瞭然ですね。左からカンガレイ、サンカクイ、フトイです。花軸がほとんどないのがカンガレイ、長いのがフトイ。その中間がサンカクイということになります。この3種はいずれも葉がほとんどないか目立ちません。ですから葉のはっきり付いているアブラガヤとは簡単に見分けが付きます。
この3者を特徴づけるものに茎の断面があります。花穂で紛らわしくとも断面を見れば区別は簡単です。左から正三角形のサンカクイ、円いフトイ、中央がへこみ角が尖るカンガレイです。考えてみれば、なぜ似たようなものが同じような環境に生育しているのでしょうか。わざわざこんな進化をしないで、一種でこと足りるという考えは浅はかなかんがえでしょうか。彼らにはそれなりの歴史があってこうなったということなのですが、種の多様性とは不思議な現象です。
水辺の好きなトンボで水面上か直ぐそばで優雅に舞っています。しかし、縄張りがあるのでしょうときどきいさかいあう2匹が激しく追いかけあっています。水気の少ない庭でよく見かけるハグロトンボよりは翅は幅広です。自然度が高くなってくると見られるトンボではないかと思いますから公園の里山フイールドミュージアムは着実に自然度が回復してきているのではないかと思っています。
アオイトトンボといいそうですが、種名はオオイトトンボだそうです。しかし、他のイトトンボに比べて大きさは余り変わりません。2匹がいますが前の個体は雄、後ろが雌ということになるのですが雄が緑色に近く、雌が青色になっています。トンボの世界も奥が深くてなかなか全体を理解することが難しいものです。このイトトンボ、キイトトンボと同様に里山の湿地には沢山生息していて、今は彼らの天国ですね。
オニヤンマでしょうかヤゴの抜け殻が細いせせらぎの脇に生えていた草の先に止まっていました。大きさ6―7cm。他のトンボ類に比べ格段の大きさです。僅かな水の流れしかない川ですが、こんな中にも豊かな生き物の世界があるのだなぁと関心させられました。いったいこれまで大きくなったのは何を食べていたのか不思議に思います。
テングタケの仲間であることは間違いないのですが、色が少し違い確かではありません。そこで文献を調べるとベニテングタケに黄色型があるとありますから、このタイプのものと判断しました。色を除けばベニテングタケそのものです。
ベニテングタケの黄色型が発生していたところから数十mくらいにテングタケが出ていました。すこし傘が開いていて典型的なスタイルでないので分かりにくいかもしれませんが、傘の上の皮膜やツバやツボの有無で見分けます。ベニテングタケ同様有毒キノコとして知られていますが、甘み成分を含んでいて外国では毒抜きをして食用にされると聞いています。
そのテングタケの近くに奇妙な姿の「キノコ」が投げ捨てられていました。2つに折れたものを繋ぐと写真のような姿になります。これはタケリタケといって何かのキノコ(テングタケの可能性あり)に別の菌が寄生しごらんのような姿になったものとされます。菌類は他の動植物(遺体なども)に取り付くものと考えがちですが、他の菌にも取り付く菌があるのです。それにしても、「タケリタケ」という名前が凄いな・・。
数センチの棒状のキノコです。小さいながらもオレンジ色のキノコは良く目立ちます。キノコらしいキノコではないものの、この先端部分の表面に胞子を沢山作ります。ホウキタケの仲間に同じような色の種がありますがそれは有毒とされます。本主は一応可食です。かって口にしたような記憶もあるのですが、美味しいというキノコではなかったような。
松之山の比較的明るい林の中を流れる沢沿いに高茎草本の群落がありましたが、その中に黄色の花を咲かせているものが点々と見られます。近づいてみるとメタカラコウの花でした。大型の葉に角があることで近似種のオタカラコウと区別します。
メタカラコウの花を拡大して見るとキクの花特有の花序をしています(頭花、頭状花序)。これは花弁が発達する舌状花と発達しない管状花とで構成されていますが、メタカラコウは舌状花がかなり節約されて、各頭花には1・2個くらいしかないですね。そんなわけで豪華さに欠けます。しかし、今どきのエコタイプの花といったところでしょうか。
暑い炎天下の中キツリフネの群落に出会って少々面食らいました。松之山温泉近辺の山手の道沿いに、今を盛りと花が咲いています。長岡、特に丘陵公園では早くても8月下旬の花と考えていましたから、個人的にはこの季節では少し早く感じ、ツリフネソウは秋の花になっています。
資料では6月から見られる花となっていますから盛夏に咲いても不思議はありませんが・・。鮮やかな黄色の花は存在感があります。不思議な形をした名花だと思います。そういえば、園芸店では世界各地の「インパチェンス」が売られていますが、これは日本の代表的な「インパチェンス」です。