森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハシバミの果実

2016年01月31日 | 自然観察日記
昨年は長野の国営アルプス安曇野公園の大町地区に行く機会がありました。国営越後丘陵公園と云わば姉妹関係の公園でときどき関係者の行き来があり私も対応することがありますが、このときは里山のボランティアの研修を目的にアルプス安曇野公園を視察したものです。十分な時間がなくまた自由な行動もできませんから興味深いものが沢山あったにもかかわらず指をくわえて素通りするばかりでした。そんな中でわずかに手に入れた絵を元にいくつかを話します。
まず印象に残ったことが隣県でありながら森の様子が大変異なることです。管理の方法が異なることもありますが生態系の差、景観でいえば林床が極めて貧弱なことでしょうか。雪による影響があっても軽い雪、越後の重い大量の雪によるそれとは大きな差があるようです。
植えたものではないと考えてはいますが、新潟では見られない種もいくつかありました。そのなかで園の入口近くに生えていたハシバミを見つけました。新潟ではハシバミといえばツノハシバミですから正真正銘のハシバミはなかなか見る機会はありません。9月の訪問ですから花の季節でなく実の季節。ツノハシバミのようなくちばし状の苞はなく鱗片様の苞片が何枚かあってこれで包まれた果実でした。

ハシバミの葉

2016年01月31日 | 自然観察日記
樹形は株立ちに近く3m~4mのものでしたがかなり年数を経ているような気がしました。葉はツノハシバミに比べ脈の先端が突出し凹凸が大きい感じです。

アルプス安曇野公園 大町松川地区の森

2016年01月31日 | 自然観察日記
北アルプスから流れてきている烏川の扇状地を取り込んで作られた公園で、アカマツやミズナラなどの林にカラマツなどが植林されたエリアもあって古からの安定した景相を持つ森ではなく遷移の真っただ中にあるようです。しかし、比較的明るい感じがする森ですが林床は疎でさらに園内では熊の対策上見通しのよさを管理の柱に置いているようですから実にすっきりした景観になっていました。

シロテングタケ

2016年01月30日 | きのこ・菌類
昨年発生したキノコの中で多いと感じた一つがシロテングタケです。地上に現れるときは褐色の皮をかぶっているように見えますが、これが破れて中から純白な肌をしたキノコが現れます。褐色の皮は残ることが多く傘に付着しています。やや大型、かなり粉っぽく感じるキノコで傘の縁から糸~膜状に垂れ下がるものがあります。テングタケの仲間ですから有毒なキノコと考えても間違えがないでしょう。見て楽しむキノコと範疇です。

エビラフジの果実

2016年01月29日 | 自然観察日記
秋、鋸山に出向いた際見慣れているものの中に今まで気付かなかったものがりました。その中でエビラフジの果実がありました。エビラフジは日本海側に分布する種であまり浅くない沢沿いでときどき見かけるのですが決して多い多い感じではありません。果実は黒く先がとがった形状でマメというよりアカバナの果実の形状にも似ています。

エビラフジの葉

2016年01月29日 | 自然観察日記
マメ科のツル性多年生草本。奇数複葉でなく偶数複葉で6枚くらいの小葉があります。ナンテンハギという種がありますが一見似ていますが、こちらの小葉は2枚で大きな違いになっています。花は夏に青いマメ科特有な蝶形花を咲かせます。

ネナシカズラ

2016年01月28日 | 自然観察日記
クズのツルに絡まっていたネナシカズラです。10月の時ですから花が見当たらずすべて実の状態です。しかし、まだ勢いがあり盛んに絡まっている様子でした。

ネナシカズラの果実

2016年01月28日 | 自然観察日記
完全熟すと黒色になり頭部の「蓋」がとれて中から種子が出るそうです。ヒルガオ科の一年生の寄生植物。日当たりのよい山野に見られます。寄生する種は特に決まっていないようです。

クリフウセンタケ

2016年01月27日 | きのこ・菌類
別名ニセアブラシメジ。優秀な食菌です。久しぶりにたくさん見ることができました。シロがあれば毎年発生するはずですが、なぜか出会えていませんでした。シロを把握しているわけではありません。気まぐれに出歩くたちですので同じ場所にはなかなか行かない山歩きです。プロのキノコ採りの人はどこに何が出るかを把握していますから無駄な動きはしないでしょうね。私は出会ったものを少しだけ自分で消費できる範囲で採集することに心がけています。沢山採集しても上さんはキノコの相性が悪く胃に負担を覚えるタイプ。私一人で食べてもたかが知れていますから、結局人にあげることになってしまいます。

クリフウセンタケ 裏面

2016年01月27日 | きのこ・菌類
綺麗なキノコです。黄銅色の表面に白い茎。裏面は白く密な襞があります。落ち葉に埋もれていることが多く案外見つけにくいのですが、菌輪を作りまとまって生える性質がありますから1本見つければその近くの木の葉を取り除いていくとかなりの収穫になることがあります。

ケロウジ

2016年01月26日 | きのこ・菌類
一瞬コウタケかと色めきだったのですが、よく調べてみると残念ながら別種でケロウジという不食のキノコでした。コウタケを採集したことがなかったのでやっと巡り合えたかと期待したのですがね~。かじってみるとかなり苦く香りもダメ。食用の対象ではないことは明らかです。しかし、表面のささくれや色彩はよく似ていて同じ仲間です。今年はケロウジもかなり発生していてそれなりの塊がいくつか見られました。