森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ワタスゲの花

2014年12月31日 | 自然観察日記
ワタスゲは果実期の方が有名でワタスゲというと「白い花」を連想する人が多すぎます。誤った概念が広がってしまうとなかなか直すのが大変です。そればかりか、けっこう知識のある人でさえワタスゲの花を知らない人がいて驚きました。「スゲ」といってもスゲ属ではなくワタスゲ属という全くの別属です。ワタスゲは両性花ですからスゲ属のようなら雌雄異花ではありません。綿毛は花被片が花後細く伸びたものだそうです。種子を抱いて散布に一役買います。

エンレイソウ

2014年12月30日 | 自然観察日記
エンレイソウの一塊がありました。花をつけて瑞々しさにあふれています。垂直分布が大きい種で外花被片が3枚で内花被片が無いため花弁は3枚と言いたいのですが、外花被はがくの扱いをするようです。この外花被の変異がいろいろで、栂池自然園のものは外花被の色がしっかりとした濃紫色でした。里山で見るぼやけた色彩のものに比べ魅力的です。成長が遅いとも言われ有毒植物としても扱われます。

イワイチョウ

2014年12月29日 | 自然観察日記
高山の湿地に生えるイワイチョウです。高山の湿地を尋ねれば普通に見られますからすごくなじんでいる種です。ところで高山の種と言えど多くのものでも比較的海抜の低い場所などでも見ることがあるものですが、イワイチョウについていえば深山の沢地などでは見た記憶がないですね。同グループとされるミツガシワはもう少し低山帯に適応したものなのでしょう。腎形の葉からイチョウの名が付いたとされます。

イワイチョウの花

2014年12月29日 | 自然観察日記
純白で整った花姿です。秋には黄色に色づくのは知っていますが、イワイチョウの実を確認したことがないのに気づきました。秋遅くに高山の湿地を歩くことが少ないせいなのでしょう。図鑑で見るとリンドウの仲間に似た果実を作るようですから、リンドウ科に分類されたことも頷けるのですが・・・。

クロクモソウ

2014年12月28日 | 自然観察日記
クロクモソウです。面白い名前が付いたものです。この花に出会ったときもくもくとわく黒い雲にでも出会ったのでしょうか?真偽は定かではありませんが亜高山の沢など湿った場所に観られますから黒い雲がわくようなロケーションにはなりにくいと思うのですが・・。それはそうと、この種は葉でも分かりますので時々は確認しているのですが、なぜかよい花の季節には巡り合わせがなく今回も空振りです。独特な雰囲気を持った花は名前を無視しても神秘的です。

ヤマトユキザサ

2014年12月27日 | 自然観察日記
ヤマトユキザサが目に留まりました。花軸が濃紫色で容易に判別できる個体です。ちょうどいい花の時期で久々に満開の花を見せてもらった感じです。木道から少し入った場所ですから降りて写真を撮るわけにもいかないので拡大してもピントが合っていますようにと祈りながらの撮影。そういえば、今年の春に那須高原に行ったときにミドリユキザサを見ています。茎の色で判別するのが最も簡単だというのが再認識されました。雌雄異株。

ヤマトユキザサの花

2014年12月27日 | 自然観察日記
やはり拡大しても細部がよくわかりません。きちんと接写をしないと無理なようです。雄花のようですが断定はできません。不謹慎かもしれませんが、ユキザサ類は優れた山菜だと思っていますので、過去に沢歩きを盛んにして山中で野営をするときに時々いただいたことがありました。癖がなくおいしいと思います。

オオバタケシマラン

2014年12月26日 | 自然観察日記
栂池自然園ではタケシマランに比べてひときわ大きいオオバタケシマランもあちこちで群落を作っています。両種が混在する場所は気づきませんでしたが、同じ場所で2種を対比しながら観察できたことがとても幸運でした。オオバカケシマランの方がもっと深山に生育している種のイメージを持っていためですが、改めて両種の違いを実物を見ながら納得です。

オオバタケシマランの花

2014年12月26日 | 自然観察日記
草丈が大きいことがまず気づく違いですが、花の付き方というか花柄の様子があまりにユニークなので強い印象になります。中途に節があって屈曲します。偶然でしょうがこの個体の曲がり方が面白いですね。絵では分かりませんが、葉が茎をだく性質もあります。