八方尾根を歩く楽しみの一つがこの雪割草に出会うことです。八方尾根では花は7月中旬に咲きますからこのタイミングに合わせることが多いのです。資料では全国の亜高山帯から高山帯に見られるということになっていますが、各所に出向いてはいるつもりですが八方尾根以外では出会ったことがありません。この時も素敵な花をたくさん見せてくれました。
ヒロハヘビノボラズはメギ科の低木です。滑稽な名前が付いているので強い印象が残っているのですが、自然界ではあまり出会えていません。ましてや花の季節は皆無で今回もようやく出会えたものの花はすでに終わっていました。いくつかのタイプがあるようでこの個体は若枝が赤くなっているものでした。
以前佐渡で観た記憶が強いので「じねんじょ会」が調べまとめた「新潟県植物分布図集」を開いてみました。県内の分布は佐渡と弥彦山塊に多く笹川流れや津川当たりの阿賀野川沿い、あとは頚城の黒姫山周辺での記録がありました。そのほかの地域には採集記録がないという変わった分布をする種であることを再認識しました。しかし、本種は北海道から九州まで点々と自生している種であるようですから県内の空白域にも今後見つかることもあるのかもしれません。
ヘビノボラズという種があるようです。この種も変わっていて中部から近畿に分布している地域限定の種です。この種に比べ本種は葉が広いのが特徴ですからヒロハヘビノボラズと名付けられています。いずれも棘が著しく蛇も登りにくいことでしょう。