これは藪の中に生えていたタネツケバナです。全体に徒長していて一見別種ではないかと考えましたがいろいろ検討した結果タネツケバナにしました。周囲の高径になる種と競争して自らも間延びした草姿になったものと理解しています。
裸地に生育していたタネツケバナです。典型的な姿ではないのですがいろいろ検討した結果これもタネツケバナと考えています。前出の個体と極めて印象が違います。これも生育する場所に適応した生活形の一種と考えています。
少し奥まった湿り気の多い場所に見られるアブラナ科の越年草とされます。柏崎でも少し入ると小沢などでみられます。まとまって生えていることもあって山菜としても利用しやすい種ですが私の周りでは使っている話は聞きません。かつて、魚沼の奥深く植物調査をした折木の葉を採集してサンドイッチに挟んでむしゃむしゃ食べたことがあるのですが少しピリ辛でなかなかおいしかったことを思い出しました。
この種もオオイヌノフグリ同様帰化種と考えられています。かなり山奥の里にも見られることがありますから在来種と勘違いしてしまいそうです。しかし、庭の雑草でもありますから帰化植物とされても不思議ではありません。
とにかく小さな花です。青い色が鮮やかですからその存在は分かるのですが形質は近づいて観ないとはっきりしません。近づいて観れば確かにオオイヌノフグリに似た花で同じ仲間と納得できます。オオバコ科のクワガタソウ属に分類される種です。クワガタソウ属の仲間は私にとっては深山性や高山性の可愛い花で貴重なものが多いという印象なのですが、オオイヌノフグリやタチイヌノフグリなど帰化種はごく身近な野草ということになります。