森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

モズ

2009年12月31日 | 自然観察日記
 「キキ」という甲高い声で見上げると、我が家の杉の梢にモズが留まっています。急いでカメラを持ち出して、上手い具合にキャッチしました。鳥をカメラに収めるというのはなかなか難しいもの。今回は幸運です。
 モズのはやにえ(主にアマガエル)が比較的低い木々の枝先にありました。確認はしていませんが、たぶん先日のドカ雪で埋もれその後の暖気でまた顔を出しているはずです。大雪になれば埋もれてしまいそうな高さで、どういう基準でその位置にするのか興味深いところ。モズは積雪量を予測できる力を持っていると考えて、はやにえの位置でその年の積雪量を予測するという向きもおられます。そうするとこの冬は少なそうですよ。今日は大晦日、再び大型の寒気が近づいて来ましたが長岡にはあまり降らない?期待しています。

クマシデの残果

2009年12月30日 | 自然観察日記
 沢を挟んで対岸に枯れ葉が付いています。いやいやよく見るとクマシデの種子を落とした後の実が垂れ下がっている姿です。果柄の基部に離層という切り離し装置を持っていないんでしょうか。少なくとも葉よりは切り離す能力がないことは確かです。結実後種子をばら撒くにはそう簡単に落下しては困るのでしょう。
しかし、もう12月ですから用はないはずですね。冬の強い風に晒されちぎり採られることですっきりした姿になり、春を迎えるということでしょうか。

未知のキノコ

2009年12月29日 | きのこ・菌類
 ミミブサタケかなぁと思いながら撮影したキノコですが、どうも違うようです。地上性でなくて枯れ木の上から出ていました。色具合もかなり明るい感じです。チャワンタケのなかまであることは分かるのですが、それ以上のことは今の私にとっては追求する術がありません。いつか専門家に話を聞くことにします。
 キノコは今までの経験上採集しても出回っている図鑑などで追跡しても分からないのが多いのです。大学などの研究機関では資料が揃っているのでしょうが、未知の種も多いと聞きます。キノコとはそういう世界なんです。素人に毛の生えたくらいのレベルでは自然の菌界を相手にするにはおこがましいようです。

初冬のワサビ

2009年12月28日 | 自然観察日記
 雪の降る直前の散策で出会ったワサビです。ほとんど枯野と化している中にあって青々としています。別の生育地では確か夏場には葉が枯れているのを見ましたから、この個体は秋になって発芽成長したのでしょうか。それとも、枯れずにここまで来たのでしょうか。早春には新鮮な芽を出し花をつけますが、このまま越冬して花を持つことになるのでしょう。ワサビの生育について知っているようで知らないことが分かりました。

越後の降雪前の冬の沢の風景

2009年12月27日 | 風景
 三条市(旧下田村)にある小さな沢に入ってみました。まだ降雪前の沢の様子です。高木は皆落葉して案外明るい景観です。下層の植物は案外緑葉をつけているものが多いことに注目してください。寒地=落葉という図式は当てはまっていません。常緑というのは温暖な地方の適応形とばかりはいえません。雪国越後に住む植物の大切な手段なんですね。寒い時期でも葉を働かせるしたたかな仕組みを作り上げているのです。

モミジガサの種子

2009年12月26日 | 自然観察日記
 モミジガサの種子がまだ風に飛ばされないで残っているものがありました。これまでに何度か嵐の日があったでしょうに、思い切りの悪い子どもたちですね。まごまごしているとこのまま雪の重みでその場に押し付けられてしまいそうです。何のために冠毛という素敵な羽をもらったのでしょうね。意味を成さなくなりますよ。
 それにしてもこの個体、この手の種子が一杯付いていました。案外親のほうが種子を遠くに飛ばそうとしていないのかもしれません。

長く残るテンナンショウの実

2009年12月25日 | 自然観察日記
 ヒロハテンナンショウの実がまだ色あせない赤い色を持っています。本当に長い間森に彩を添えてくれます。こんなにアピールしているのに誰も振り向いてもくれないということでしょうか。森の住人には人気がない存在なんですね。美味しくないのか、毒でもあるんでしょうか。

クマ注意

2009年12月24日 | 自然観察日記
 近年安全指導が徹底しているのかいろいろな注意看板が目に付きます。下田の山にはこんな看板が山道に取り付けてあります。クマの生息するエリアですから、気をつけるとしても初冬のこの時期はクマも冬眠中です。
 ところで、今回のドカ雪、長岡に進出したイノシシにはご難でしょう。彼らは冬眠するすべを知りません。餌を確保するのがかなり難しいと思いますから民家の中に餌を求めて飛び込んできたりしなければいいのですが・・。多くの場合、多雪地では冬を越せなくなって死滅します。長く越後にイノシシやシカがいないのもそういうことが原因しているのだと聞きました。

クヌギタケ

2009年12月23日 | きのこ・菌類
 沢の倒木などによく見られるクヌギタケ。遅く一本だけ姿を見せています。何もかも冬支度でしっかりとした形を維持しているものが少ない中で、ふと目を引いたもの。そう長くこの環境で生きてはいられないのでしょうが、盛りの頃のクヌギタケとは違って、しっとりとした美しさを見せていました。自然の造詣には一瞬一瞬の感動させる何かがあります。

フユノハナワラビ

2009年12月22日 | 自然観察日記
 12月初め下田の山を散策したときのものです。フユノハナワラビは11月の初めの頃はまだ胞子を抱えていたと思いますが、この頃は胞子を出しつくして、静かに雪の来るのを待っているという風情です。栄養葉は越冬して、来春に新葉と入れ替わることでしょう。林床に暮らす草本植物は、たとえ雪国といっても高木が落葉して陽の光が十分に当たる降雪前の僅かな時間を有効に活用して生活しているのだと思います。
 

キハダの実

2009年12月21日 | 自然観察日記
 なにやら得体の知れない黒い物体ですが、これはキハダの実です。降雪のある少し前にキハダの高木の下に半ば朽ち果てた葉の中に埋もれていたのを持ち帰ったものです。
 この実を噛んでみると少し刺激的な味。あぁこれもやっぱり柑橘の仲間だなぁ・・と感じられる味ですが後味が悪い。以外かもしれませんが、キハダはミカン科の植物です。この黒い実をよーく見るとなんとなくみかんの雰囲気が伝わってきませんか。

ヤマウルシ 実

2009年12月20日 | 自然観察日記
 暖冬といっても一旦雪が降り出すとあっという間に積雪を見ます。もう私の庭の積雪は60-50cmという量になりました。数年ぶりの大雪になっているようです。ブログを継続するにはなかなか難儀な局面になってしまいました。当分は取り置きの材料を使っての繋ぎになりますね。
 というわけで今回はヤマウルシ。ヌルデの実のように塩味はしませんが、よく似ています。ウルシと聞くと引いてしまう人も多いのですが、晩秋のヤマウルシは悪さをしません(と思います。敏感な人がいて反応する人もいるかな?少なくとも私は平気ですが・・・)。外側の黒い皮を剥ぐと中から白身の表面がしわしわの種が現れます。

バッチ作りの素材に

2009年12月19日 | 自然観察日記
 これは何だろう?クルマバハグマの花がその役割を終えて、朽ち果てる前の花床(がく)の残骸。ドライフラワーのようになかなか整った形で気に入りました。小さな勲章見たいで、木の実などを利用した子どものバッチ作りの素材に使えそうだなと思っています。

冬のきのこ 3 ヒラタケ

2009年12月18日 | 自然観察日記
 雪が本格化する前のターゲットに、カンタケともいわれるヒラタケがあります。枝折れしたヤナギやナラ類にときどき見かけます。ときには大発生しているのに遭遇すると「ヤッター」と小躍りしてしまいますね。しかし、昨今はいろいろなきのこの栽培が盛んで、それも安価にスーパーに並んでいますからかっての喜びは今はないですね。ちょっと昔が懐かしい気分。