森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マンネンスギ

2013年05月31日 | 自然観察日記
少し高度が高いと5月はあまり植物の動きがありません。まだまだ冬枯れの状態。それでも、地表には高度に合わせた種が緑色の葉を茂らせて自生しています。これはシダ植物ヒカゲノカズラの仲間のマンネンスギ。低山よりも深山や亜高山によく見られますね。

マンネンスギ 胞子葉

2013年05月31日 | 自然観察日記
シダ植物ですから花は持ちませんが、胞子を形成するのに他のシダ類とは違った性質があるとされます。胞子に大胞子と小胞子があって、大胞子からは雌の前葉体が小胞子からは雄の前葉体が形成されると教わりました。実物を見たことがないので確信を持って言えないのですが、雌雄を区別しない多くのシダ植物とは系統の異なる一群でもあるのです。

ノリウツギ

2013年05月30日 | 自然観察日記
白根山を下り草津温泉に向かうの途中にある自然散策路を歩いてみました。硫黄の臭いが立ち込める原があり、まだ残雪さえある場所ですから一見荒涼とした場所です。有毒ガスの発生する場所とあって立ち止まり禁止の看板があって驚きましたが、そんな中でひときわ目立つ低木がありました。何の樹か近づいてしげしげ観察しノリウツギと判断しました。樹の形や雰囲気が越後で見慣れている姿と異なるためにこれにも驚きです。所変われば何とかで、同じ種であっても生活のスタイルが異なるのだということを改めて感じましたね。

オオカメノキ

2013年05月30日 | 自然観察日記
ここはまだ早春でオオカメノキがようやく展開し始めたばかり。高度を下げると十分に展開したオオカメノキがありましたから僅か200mほどの高度差で尾根筋とかなり違うものです。いくつかの個体を観察した範囲では、葉の大きさも花序の大きさも小ぶりなような気がします。私のいる丘陵公園の里山のそれはもっと大きいようです。色も褪せていてやや白っぽい・・・・。もう少しすると色も濃く大きくなるのかもしれませんが。

オオカメノキの若葉

2013年05月30日 | 自然観察日記
展開し始めたばかりのオオカメノキの若葉です。裸芽として有名な樹です。葉の展開もユニークです。それはそうと、この姿「土偶」の目に似ていませんか?私はガイドするときにこの葉が出てくるとそんな問いかけをします。だいたいの方は頷いてくれますね。(もう少し若いときが最もそれらしく見えます)

ダケカンバ林

2013年05月29日 | 自然観察日記
雪消えの志賀高原を車で走ったときのこと、芽吹き前のダケカンバが青空に映えてとても印象的でした。何度も志賀高原には来ているのですが、ダケカンバの多さに今頃気づきました。葉があるとむしろわかりにくいのかもしれません。ダケカンバは陽樹でまた先駆植物。この樹が多いというのはこの地がそれほど安定している場所ではないことを意味していると思います。コメツガなどの針葉樹との混交林を作っていますから、徐々に置き換わっていく過渡期のような気がします。

志賀高原遠景

2013年05月29日 | 風景
志賀草津道路を取り巻く山々の遠景です。茶色に見える部分はダケカンバ、緑のところはオオシラビソやネズコなどの針葉樹。一望した限りでは半々の占有です。下部の方が針葉樹の面積が多く上部はダケカンバが多いところです。長い年月が必要でしょうが、徐々に針葉樹の占有面積が上部に向かって増加していくことでしょう

雪の壁 志賀草津ルート

2013年05月29日 | 風景
雪の壁というと立山の雪の壁が有名ですが、小さなものが志賀草津道路にありました。5月中旬に通った時のこと。高さ4~5mはあったような気がします。今年は積雪が多かったようですね。

ハルザキヤマガラシ

2013年05月28日 | 自然観察日記
一見、ナノハナと見まがう種ですが、ハルザキヤマガラシという帰化植物です。一面を覆い尽くすほどにはびこっている場所もあるという話も聞きますが、私はまだ見たことはありません。丘陵公園も数年前から確認していますが、健康ゾーンの一角に見られる程度でまだ大暴れしているという状態ではありませんが、里山フィールドミュージアムでもとうとう出てきました。このエリアにはふさわしくない種ですから見つけ次第駆除しています。ちょっとした工事を行っただけでも外来種の移入が認められますから生態系の維持を考慮しなければならない場所の工事は慎重な計画がなされなけレバならないと思います。

オオイワカガミ 濃桃色の花

2013年05月27日 | 自然観察日記
もっと注目されてもいい里山の花にオオイワカガミがあります。カタクリの花で盛り上がるのに比べテンションは下がります。何故でしょうね。越後の里山には結構この種は多く自生していますし、花の姿や彩など素晴らしいものだと思うのですが・・・。多くはもっと赤みの薄い桃色系統の花が主で、このような濃桃色の花はそれほどおおくはありません。たまたま、藪をこぎながら散策していた時に見つけました。

オオイワカガミ 白花

2013年05月27日 | 自然観察日記
純白の花も時々あります。丘陵公園の里山フィールドミュージアムに自生するオオイワカガミの色の変化は濃桃から白ということになります。このイワカガミを観察していてネックになるのが病気の発生です。褐斑病という葉をボロボロにする厄介な菌がいるようでこれにやられると株が大きく痛み場合によっては群落が消失するようです。不思議と手をかけないで放置しているやや乾燥気味の南斜面にいい花を見せていることが多いので、人を嫌う性質でもあるのでしょうか。それはともかく安定的に展示するには難しい種であることにはかわりなく、いまいち人気の出ない理由にもなっているようです。

アカカエデ 若い実

2013年05月26日 | 自然観察日記
出先で見つけた移植されたカエデです。ルクセンブルクから取り寄せたというアカカエデという種だそうです。まだ春が早いのにもう花というより実が強烈な印象を与えていました。鮮やかですね。カエデの仲間は多かれ少なかれ赤みを帯びることが多い雌花ですが、このカエデは翼が大きく色がとても鮮やかでした。世界に目を向けるともっともっと不思議な植物があるものだと思い知らされました。

フラミンゴカエデ

2013年05月26日 | 自然観察日記
同じ場所に植えられていたカエデで「フラミンゴカエデ」という名前がついていました。ニュージーランドから取り寄せたものだそうで、種名は不明ですが緑葉と葉緑素が抜けた葉がまだらに出る個体のようです。葉緑素がない葉はフラミンゴを思い起こさせる桃色の葉になります。