森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤナギイチゴ

2017年02月28日 | 自然観察日記
温室に植栽されているものはすべて外国産のものと勘違いしてしまいますが、このヤナギイチゴは南関東以南の海岸に自生するれっきとした在来種です。といっても私にはまったくの認識もなくもちろん見た経験もありません。イラクサ科の草本のような低木という扱いです。果樹温室に展示されているわけで、その果実は食用になるものです。桑の実を食べるようにヤナギイチゴを食べるのだと思いますが、そういう話をされた方が私の周りにはおりません。
自生している地域の人のこの果実に対する接し方はどういうものなのでしょうか。「果実は甘い味ですがやや酸味が少なく、果実の中の種子が大きいので、食べるというよりも口に含んだ果実を舌で潰して汁を吸うと言う感じです。小学生や中学生のころ学校の帰り道でよく食べたものです。」という記述をネット上で見つけました。機会があったらぜひ食べてみたいものです。

ヤナギイチゴの花

2017年02月28日 | 自然観察日記
花は冬場咲くようで、枝に沢山ついています。イラクサ科の花ですが、判然としませんが雄花と雌花がそれぞれ球形の別々の花序を作っているようです。白っぽいのが雄花、緑色のものが雌花の花序ではないかと思います。雄花の花被片は4裂するようです。

ヤナギイチゴの若い果実

2017年02月28日 | 自然観察日記
花がみられる一方果実もできていてそれも若いもの。図説では花は4月果実は6月というのが載っていましたが、温室内ではその時期がかなり早まっているのだと思います。熟すとオレンジ色のイチゴ状の果実になり甘いものだそうです。

キャニモモ

2017年02月27日 | 自然観察日記
熱帯果樹室に入りました。果物の大好きな私ですからとても興味のある温室で何が実っているのかワクワクします。知っているものもありますが、知らないものが多くあります。若いころにはいつか南国に行って果物をたくさん食べたいなどと夢見るころもありました。
キャニモモという名板がついていました。初めて認識する果物です。別名タマゴノキともいうそうで黄色く熟す卵大の果実ができるそうです。ただ、あまりおいしいものではなく生で食べることは少ないとのこと。シャーベットやジャムなどに加工して食べるものだそうです。

キャニモモの葉

2017年02月27日 | 自然観察日記
フクギ科という分類になるそうで、近縁種にマンゴスチンがあります。キャニモモは成長が早く根がしっかりしているのでマンゴスチンを栽培するときの台木に利用されているのだそうです。マンゴスチンは熱帯果樹の女王とも評されますから「女王様の台木」という紹介がなされていました。

ハイドゥンツバキ

2017年02月26日 | 自然観察日記
ベトナムツバキともいうそうで、ベトナムの王家で栽培され門外不出だったそうです。旧正月を祝う花という話もあります。日本のツバキとはまるで質感が違います。しかし、ヤブツバキとの交雑が可能で園芸種が作出されているようです。富山県中央植物園の雲南温室はツバキ類が多数展示してあるのですが、開花前でどのツバキもつぼみの状態。残念ながらそれぞれの種の特徴など理解することができない状態で、唯一このハイドゥンツバキツバキだけが赤いつぼみをつけていました。

ハイドゥンツバキのつぼみ

2017年02月26日 | 自然観察日記
外国産のツバキを見る機会があまりなくこんなつぼみをつけるツバキがあるとは知りませんでした。なんといっても花(つぼみ)は裸であることに驚かされます。肉厚の花弁のようで花はあまり大きくなとのこと。開花したものを見たいと思うのですが・・。出直さなければなりません。
ところで、雲南省はツバキの宝庫のようで様々な種があるようです。この地方の民族衣装に花が描かれているのですが、そのほとんどがツバキをデザインしたものと知り驚きました。民族衣装の花で飾ったあざやかさは脳裏ありましたが、今までなんとなくボタンだろうぐらいの感覚。注意力がなかったといいますか、観察眼のない自分を恥じた次第です。

コンロンカ

2017年02月25日 | 自然観察日記
白い苞葉が特徴的なコンロンカです。温室の定番の一つ。アカネ科の低木。花序に隣接する苞葉が真っ白になるという性質はなかなか優れた形質のようにみえます。森林内の自生地ではこの白さが昆虫などを引き付けるのに役立っていることでしょう。

コンロンカの花

2017年02月25日 | 自然観察日記
鉢物で見るような花とやや異なった感じはするのですが、5数性の花です。花筒が長い。別名ハンカチの花ともいうそうですが、ハンカチノ木(ミズキ科)とは別系統です。

コンロンカの葉

2017年02月25日 | 自然観察日記
ネット上での話。コンロンカを説明するサイトに結構間違いがありますね。白い葉を「がく」とか「花」といった言葉で普通に使っています。苞葉が正しいと思いますが、花より葉に近い形質と思います。