森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

身近な野の花

2007年02月28日 | 自然観察日記
今日も身近な野の花です。春が早いせいで次々に草花が存在感を示し始めました。
 ハコベ(ナデシコ科)は春の七草としても馴染みのあるもの。一見花びらが10枚ありそうですが、よく見ると5枚で一つの花弁が深く切れ込んでいるために10枚に見えます。他の近似種も同じような性質があって、切れ込みますが、種によってやや浅いのもあります。
 

暖冬の証

2007年02月27日 | 自然観察日記
 今日も昨日ほどでないにしろ、朝もやの中煙突から煙が真っ直ぐに上がっています。2日続けての快晴の朝です。越後では考えられない現象ですね。
 地に目を伏せれば、レンゲツツジの枝にカマキリの巣がありました。地際から30cm程度のところに立派な巣が作ってありました。カマキリの巣の位置でその年の積雪を予測するという説もありますから、この位置のカマキリの巣は小雪を意味することになります。まさにその通りになったこの冬ですから、この説もあながち捨てたものでないと思うのですが・・。

ヤナギも芽吹きだしています

2007年02月26日 | 自然観察日記
 放射冷却の朝、高い煙突から煙が真っ直ぐに上がっていました。全国的に快晴の日になりそうです。
 ヤナギの芽吹きも早春の風物詩。帽子を脱いで綿毛が出ています。日を追うごとに膨らむのでしょう。
 これはイヌコリヤナギと思いますが川原や荒地にごく普通に出現する低木です。もともとこういう低木は裸地⇒草原⇒低木林⇒陽樹林⇒陰樹林(極相)と進む自然界の遷移の中で草原から低木林に移行させる主要な樹種です。
 おもにヤナギの仲間は土壌の安定しない環境に住み着いている種ですから、遷移における不安定な時期に向いているんでしょう。

フクジュソウとフキタンポポ 2

2007年02月25日 | 自然観察日記
 少し離れてフクジュソウに似た花がいくつか咲いています。花弁が細いことから直ぐに別種と判断できますが、雰囲気がとてもフクジュソウに似ています。フキタンポポという外来種で最近普及しているようですね。こちらはキク科でフクジュソウとは全く類縁がありません。
 私は春先鉢植えで花を見たことがあってもこのフキタンポポの成葉をしっかり見たことがありません。タンポポというからにはギザギザの葉をしているのかな・・それとも、フキというから広い葉をしているのかな・・程度です。さてどちらなんでしょうか。葉が成長したこともう一度出かけて見ます。
 分布域が異なり全く別種で同じようか形態になるときは生態的地位が同じといいますが、この両種もたぶんそういう関係に近いのだと思います。その両種を混在させると激しい競争が発生する理屈になりますから、仮にフキタンポポの生活力が強く野生化したらフクジュソウは生きていけないでしょうね。
 もっとも、その前に野生のフクジュソウは人の手で絶滅させられる可能性の方が高いのですが。

フクジュソウとフキタンポポ 1

2007年02月25日 | 自然観察日記
 公園の地植えのフクジュソウが咲いていました。落葉樹の根元に他に何もないからとても目に付きます。これも、はるを代表する花。キンポウゲ科の植物です。
 私が知る野生のフクジュソウの生育する環境は人里から少し入って比較的大きな木が生育する雑木林です。見つけたときが夏場ですから、下草も生い茂ってフクジュソウの花を見る頃の何もない状態とは全く雰囲気が異なります。フクジュソウも結構葉が成長していて愛らしい花に似合わない感じがします。早春の花の時期に訪れればこの公園の景色に近いものがあるのでしょうか。少々雪深いところですから、花が咲く時期に訪れたことがないのでいまだ確認していません。

裸芽

2007年02月24日 | 自然観察日記
 オオカメノキの冬芽です。多くの種は冬芽を何枚もの苞で包み寒さを防ぐ形式が多いのですが、この種は何もありません。展葉する葉に毛を沢山付けて越冬します。こういうものを「裸芽」といいます。服を着ないで冬を乗り切るわけですから寒さに強いんですね。
 中央の部分に花芽も抱いていますから、子供が頭の上で手を組んでいるような姿が面白いですね。
 オオカメノキはスイカズラ科の亜高木。丸い大きな葉も特徴で、5月頃沢山集まって白い大きな花が咲きます。越後の里山の重要な住人ですね。

ホトケノザ(シソ科)

2007年02月23日 | 自然観察日記
時に雑草扱いされるホトケノザもこの時期は愛でられますね。ゆっくりとつぼみが伸びだし咲き出しました。
 もともと秋に発芽し春に開花結実し、暑い夏には見られませんから1年生の草本なんですね。寒いけれど秋から春の時期に出来るだけ地に伏した形で生育し光をたっぷり受けて栄養を蓄えているようです。早春の花は他の植物が休眠状態で光をさえぎるものがない期間を狙って生育しています。ホトケノザもそういう性質を持って進化したものが森から野に進出してきたと考えてみました。無理があるかな?
 もちろん春の七草の「ホトケノザ」ではありません。春の七草のほうはキク科のタビラコの別称ですね。

久しぶりのシロバナタンポポ

2007年02月22日 | 自然観察日記
 植物園の植え込みにシロバナタンポポが咲いていました。越後で見るのは久しぶりです。大雑把に言って在来種は西日本のタンポポは「白」、東日本のタンポポは「黄」ということになっていますから、越後では白いタンポポというと驚きますし、九州当たりでは黄色のタンポポを珍しがります。
 写真のものは植え込みに使った素材の栽培地がシロバナタンポポの分布域であったのでしょう。根元にこぼれた種子が運ばれて発芽したものと思います。この個体が引き金になってこの近辺にシロバナタンポポのコロニーが出来る可能性もありますね。
 タンポポという種は大変難しい種で、分類するとヨーロッパでは2~300種にもなったという話を聞いたことがあります。日本のものも厳密に調べると大変なことになる気がします。

タンポポも

2007年02月22日 | 自然観察日記
 例年に比べ10度も気温が高い予報。もう春は走り出していますね。タンポポも見つけました。地に這いつくばっていますが暖かい日差しを浴びています。
 アカミタンポポという種でしょう。最近セイヨウタンポポと肩を並べて繁殖しています。もちろん外来種です。

路傍の花も

2007年02月21日 | 自然観察日記
ごく普通の路傍の花、タネツケバナです。温度さえあれば年中咲いているものです。アップしてみると結構鑑賞できようになりますね。アブラナ科の花ですから十文字の形状をしているのがわかります。
 又今日も穏やかな日です。もうここまでくると冬はない「年」なのだなぁと信じるようになってしまいます。雪国に冬が無いことが喜びだけでなく不安を抱くことになるとは皮肉です。

蓑虫とイラガのまゆ

2007年02月20日 | 自然観察日記
 一部をアップしたものです。蓑虫とイラガの繭が並んでいました。同じ蛾の仲間といえども繭の作り方が違うものですね。単純に「蛾」とひとくくりには出来ないものかもしれません。

蓑虫が一杯

2007年02月20日 | 自然観察日記
 植物園のシデの木に蓑虫が沢山付いていました。隣の木には全くいないのに、その対比が面白いですね。おそらくこの木に卵が沢山産み付けられて、隣の木には産み付けられなかったためでしょう。
 ミノガでなく例えばアメリカシロヒトリの発生なども、隣の木は被害が少ないのに丸坊主にされた木が時折見受けられます。親がどの木に飛来し産卵するかという偶然が引きおこす現象です。狙われた木は堪らないですね。

もう早春の花が

2007年02月19日 | 自然観察日記
 新津の植物園を散策。もう早春の花が沢山・・・。やっぱり長岡と違うなぁ。「津」という地名が付くくらいですから、この当たりまで海が広がっていたのでしょう。この当たりの丘陵は結構暖地性のものが見られます。
 今年初めて確認したオオイヌノフグリですが、場所によってはもう咲き乱れている状態でしょう。ゴマノハグサ科のクワガタソウの仲間で、愛らしく綺麗なコバルト色がとても印象的でいいですね。でも名前だけがどうも・・・。
 それはそうとこれからはいろいろな花が忙しく咲き出します。ようやく題材不足から開放されそうでホッとしています。

芝生の中のノボロギク

2007年02月18日 | 自然観察日記
 越後ももう花の時期に入ってしまったのかなぁ。いろいろなものが咲き始めてきましたね。もちろん「おっかなびっくり」でちょっと開いては寒波のぶり返しで直ぐ閉じるような用心深さで・・。そしてこの時期、地面に這いつくばっていたものがむくむくと盛り上がって来て、心なしか芝生に緑色が戻ってきたような気がします。
 ノボロギクはヨーロッパからの帰化植物で極々普通にある雑草ですが、早春に見つけると感激します。雪の降らない地方なら年中咲いている代物ですから愛でられることは少ないのかな?ここは越後の雪の里、同じものに向かう想いはかなり違ってきます。「厳しさ」を経験すればするほど気持ちが豊かになるということもあるような気がします。 

今年初めてのフキノトウ

2007年02月17日 | 自然観察日記
 暖冬もここまで来ると怖い感じがします。先日の大荒れの次はなんともいえない穏やかな日。外に出ても寒さを感じません。
 フキノトウを採取したなどという話題はもう驚きもしません。でも、これは私が今年初めて出会ったフキノトウです。春、山菜の定番で越後ではとても人気のあるものですね。
 ところで、フキノトウの正式名称はフキ(キク科)ですが、このつぼみ(から花)をフキノトウと言っているようです。この花に2種あることは以外に見落としがちなこと。雄花と雌花ですね。雌雄異株の種です。摘んでいるフキノトウが雄か雌か、特に気にすることでもない問題ですね。