秋に咲く高山植物の代表的な種でしょうか。名前の響きもあって忘れがたいものです。最も私がこの種に最初に出会った場所がこの三国山でした。今回も予想通りに花を見せてくれました。もう数十年もたっていますが印象として個体数が増えているように思いました。高山のガレ場に見られる種ですが、ガレ場ばかりでなくかなり草の多い場所にも幼植物が見られました。
インチンという名前は漢方の名前から来ているようです。カワラヨモギをインチンヨモギというのだそうでこれに似ていて岩場に生育する本種に名前がついたとのこと。それはそうと、イワインチンが増えているという印象を持ったのは三国山の山肌が荒れてガレ場が増えてきていることに繋がりますから、喜んでばかりはいられないということになってしまいます。
先日、新潟群馬の県境にある三国山で自然観察会がありましたので参加してきました。大きな被害を出した台風15号がまさに上陸しようとしていた日でした。三国峠に出ると新潟県側は青空の多い空模様で群馬県側は暗いどんよりした雲で覆われた空という具合でなかなか面白いものでした。峠に出ると風も強く雨の洗礼も覚悟しましたが幸い下山するまでは事なきを得ました。
三国峠には上州の赤城神社、越後の弥彦神社、信州の諏訪神社を合わせた三社神社が祀られています。ここをお参りすれば三つの神社を参拝したのと同じ御利益があるとのこと。なかなか便利です。ところでこの三国峠は越後と上州をつなぐ街道の一角でこの街道は車の通れない国道という位置づけもあったとか。
いろいろなところでアワブキを見てきましたが今回は花後の若い実の時期。大木になってよく観察できないことが多いのですが、この株は枝折れで目の高さに丁度いい被写体があるという条件でしたから存分に観れました。惜しむらくはこのタイミングでなく花の咲いているタイミングだと花の面白い構造が見られたのですが。
新潟では見られないオオバショウマが自生していました。仁田沼の散策道の雑木林の林床にオヤリハグマなどとともに生育しています。この種も花の咲く前で葉の大きさに比非常に細い花軸に小さなつぼみが見られる時期でした。