森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

カリン

2005年11月25日 | 自然観察日記
 今年もカリンは沢山実をつけて、来客を癒す玄関の芳香剤になっている。毎年カリンは上手くいくのに親戚のマルメロは虫にやられて満足な収穫には至らない。袋かけをして防衛しても素人の悲しさ、間隙をやられてしまう。福島の只見地方では道なりある民家の庭先にマルメロがたわわに実っている。特段工夫された栽培ではなさそうだが、この景色を眼にしているから、越後との違いはなんだろうといぶかっている。
 それはそうと、今年からカリンの砂糖漬けを作りはじめた。そのエキスは喉の病に効くというから、近頃喉の痛みが気になる己のための薬である。こんなカサカサの実からエキスなど出てもたかが知れていると思っていたが、案外多く出てくる。不思議である。自分の喉の痛みも治まるだろう。

ラズベリー

2005年11月24日 | 自然観察日記
 今年の庭木の冬の準備は一応済んだ。丁寧な雪つり状態での冬囲いは、手間ひまと技術の関係でできない。支え棒を立ててそれに縛り付ける方法で庭木の冬囲いを済ませる。不恰好に縛り付けられた庭木を見ながら、つくづく雪国の悲哀を感ずる。この姿が無ければ冬の風情も全く違うものになるだろ。自然に枝葉を伸ばして咲くサザンカを愛でたいものだ。
 そんな思いをしながら作業をするなか、片隅に赤い実を見つけた。今年二度目の実を結んでくれたラズベリーである。つぶつぶの赤い実は程よい酸味と甘さがあって、気の重い体に活力を与えてくれる。ここかしこに叢生する株の頂にぽつぽつと着く実は私一人が独占できる晩秋のご馳走である

ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科)

2005年11月10日 | 自然観察日記
 高山植物の代表格。嘴の長い鳥が群れて舞っている様なあでやかな草姿。シオガマの仲間は半寄生植物が多い。「ずるい」とはかんがえないことにしょう。栄養の乏しい高山などの地に住み着いた知恵なのかもしれない。