高清水自然公園の管理等の脇にひときわ目立つグミの大木が、というより2~3m位のこんもりとした塊が数個連なっていて、これがこの公園のシンボルの様でさえありました。同じ種類かと思いきや、前列と後列では種が違います。はて何だろうと持ち帰って調べましたが、マメグミという種にたどり着きました。自然界では関東以西に分布する種のようですが、ここは植栽されたもの。しぜんに分布していないと言えどなかなか立派に育っているように思います。
葉が丸く小さいことと花も一回り小さめで、果実も小さいのでマメグミと呼ばれるようです。実は食べられるそうですが小さい分食べごたえがないとのこと。ルーペで確認していないのではっきりとは分かりませんが褐色の鱗毛が点在していて一つの特徴になっている感じです。
園内にも自然状態で生えていましたが、管理棟脇にはマメグミと対をなすように一列大株になったものが植栽されていました。マメグミとの比較の意味で花を取り上げてみましたが、やや大きく褐色の鱗毛がかなり少ないことが分かります。
僅かな湿り気を持った場所にはモウセンゴケも見られます。時々全体が赤く色づいていることがあってこの時もそういう個体が多く見られました。比較的ヒアたちが良い場所であることから、紫外線などから身を守る仕組みのようですね。食虫植物として有名ですが絶滅危惧種に指定されている県もあるそうで、湿り気の多い山肌などに普通に見られるという意識を変えていかなければならないようです。
葉にはたくさんの毛がありその先端に甘い香りのする粘液をだして虫を誘うのだそうです。捉えられた虫が見えます。栄養のない場所に生活するために、主に窒素源を昆虫を捕えて補給するなどという進化をした極めて特異なグループです。不思議な存在ですね。根が十分発達していないそうで、根から栄養を吸収する能力が落ちているようです。湿地で生活してきた適応形なのでしょう。
春もみじという言葉がありますが、ヒトツバカエデもその構成の一つに十分なります。ここで見かけた個体はごく小さい個体で、比較的大きく成長した個体はすでにコナラなどと同化して林内で識別することはできませんでした。それにしても、早春は花ばかりでなく葉の彩が素晴らしいですね。ここは初夏と早春が混在しています。
日当たりのいい切通の斜面にはアカモノが見られました。この種が出てくるところはかなりの深山、あるいはやや標高の高いところ。主に日本海側に生育する種とされ1ています。高清水自然公園の一つの地理的環境が分かります。
サクラが咲いている傍らでレンゲツツジが花盛りです。公園や街路樹、庭木にも普通に使われているレンゲツツジですが新潟県内にはあまり自生は多くありません。先日ようやく丘陵公園の自生株を見つけて大喜びをしています。そういう種でも場所によっては有り余るほどあって雑木として刈り払われてしまいます。この種は有毒植物としても知られていて、牧場では牛が食べないためレンゲツツジの大群落になってしまいます。また、養蜂家はレンゲツツジがあるところでは蜜を集めないようにしているとか。レンゲツツジの蜜で中毒例もあるのだそうです。
ヤマツツジも咲いています。丘陵公園ではオクチョウジザクラとの差はひいき目に見ても3週間は差があります。一般的には一月以上の差があるという認識なのですが、高清水は一緒です。この個体はなかなか色彩がよくこのままでも十分園芸的にも利用できそうです。明るい桃色の個体でした。
高清水の自然公園を出てすぐにオクチョウジザクラが自生していました。花付がまばらなため遠くからでも見当が付きます。マメザクラとの比較もできて好都合でしたから、幾分狭い道でしたが車を止めて観察しました。この株は花がほとんど白く丘陵公園にある幾分桃色がかった個体に比べて差がありました。