森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハシカンボク

2013年02月28日 | 自然観察日記
懐かしい花がありました。自然の状態で展示してあるコーナーを出て企画展として展示されている一角があってそこに設置されていた立体花壇。その中にハシカンボクを見つけました。南方系の種で箱根のような高地にはなじまない種ですが、このコーナーは南方種を集めたところですから許されるとしましょう。
ハシカンボク、もう30年も昔になりますが、屋久島に行ったときに見つけて路傍にあった1株を家に持ち帰ったことがあります。以来10年ほど鉢の中で生き続けていつしか見えなくなってしまいました。栽培はそれほど難しくはなかったのですが、あまりにもいろいろな種があると扱いがぞんざいになってしまうもの。以来、家に連れてくることを控えて今に至っています。

ハシカンボク 花

2013年02月28日 | 自然観察日記
家に持ち帰った時は花はなく変哲もない低木で何が咲くのかそれほど関心も持たずにいましたが、翌年開花した花を見て少々驚いた印象があります。なかなか捨てがたいきれいでかわいいのです。こういう種が屋久島の田舎の道端(山手の)に自生しているのですから、屋久島はいいところだなぁとつくづく思った次第です。ノボタンの仲間です。

シマカンギク

2013年02月27日 | 自然観察日記
かな?キク属で黄色い花は初めて。西日本に自生しているシマカンギクではないかと思っています。あいにく表示がなく細部にわたる特徴を抑えきれていませんから、図鑑と写真を比較しての判断です。
黄色い菊は鉢物ならいくらでもありそうですが、野生の種となるとぜんぜんないですね。というよりいままで私が動いた範囲では全く経験がないのです。そういう意味で意外な存在で、近くにありそうでなかったものという感じです。こういう野菊が普通に生えているところはどういう場所なのでしょうか。いつかゆっくりと西日本の山野を花を訪ねて旅をしてみたいですね。

リシリゲンゲ

2013年02月26日 | 自然観察日記
北海道の高山植物。花は見られませんでしたが、白い花が咲くマメ科植物です。絶滅危惧種指定されている貴重な種。裸地化した場所に植え込まれていましたが、何故か生き生きした葉の様子。この様子からはこのまま緑の葉を維持した状態で越冬するのではないかと思われました。自生地では高山の礫の間に生育するはずで、大量の雪で覆われるとはいうものの尾根の雪消えは早めで雪消えで顔を出したらすぐに光合成をすることができるように対応しているように思います。


レブンソウ

2013年02月26日 | 自然観察日記
リシリゲンゲに並んでレブンソウです。同じマメ科。これも絶滅危惧種の貴重種。花の時期に来て見たいですね。北海道に渡らなくてもここで見られるのですから・・・。

ユキワリコザクラ

2013年02月25日 | 自然観察日記
箱根仙石原湿性植物園の園内には高山植物エリアもあって北地の植物の様子も鑑賞できます。まだユキワリコザクラの花が残っていてカメラに収めることができました。あまりいい状態ではありませんが、もの珍しさと記録ということで撮りました。
サクラソウの仲間ですが、ユキワリソウの名前を持つ種です。越後では雪割草というと普通オオミスミソウを指しますから少々まごつくかもしれません。しかし、ミスミソウを雪割草というよりはハクサンコザクラなどのサクラソウを雪割草とした方が実態に合っていると思います。ミスミソウの仲間で雪を割って出てくるものを見たことがありません(雪をかぶっている姿はよくみます)。
このユキワリコザクラの本種はユキワリソウで、この種は県内でも県境の尾根筋の湿地などに点々と自生しています。しかし、数はすごく少なく大切に保護しなくてはいけない種です。このユキワリソウにくらべもっと特殊な種がこのユキワリコザクラになりますが、北地のごく限られた場所にみられるそうです。

ダンギク

2013年02月24日 | 自然観察日記
ダンギクと思われるものがありました。表示板はなく花もありませんから、昔どこかで見た記憶を呼び覚ましての同定です。自然に生えている雰囲気がこの種の自生環境なのかなと思い帰って調べてみると、九州に自生がわずかにあるだけで大陸系のもののようです。日当たりのいい草地や崖に生息するとあり、仙石原植物園のダンギクが生えている環境にはなんとなくミスマッチです。ダンギクではないのかな?

ダンギク 花後のようす

2013年02月24日 | 自然観察日記
クマツヅラ科の種でもちろんキク科ではありません。このように花が節に密生し段になって咲く種はダンギクしか思い当たらないですね。園芸的によく利用されているということですから、いろいろなところで目にしているのでしょう、自生は少ないにも関わらず物珍しさを感じません。

コキンバイザサ

2013年02月23日 | 自然観察日記
初対面の草花が次々に出てきますから、少々目が回りそうです。太平洋側にまれに自生するコキンバイザサ。2cm位の黄色い花、細長い花は20cm位。帰って調べたところアヤメ科に分類されるのだそうですが、コキンバイザサ科という分類もあるとのこと。コキンバイザサ科という名称はこの時初めて知りました。そこそこ植物のことを調べていたつもりですが、初めて知ったというのも恥ずかしい話で、いかにこの世界の奥の深さというものを感じた次第です。正直言って現地での十分な観察がなされていないのでカメラに記憶したものでの観察。あいにくボケたものが多くて、いい写真が少ないのが残念です。

キイイトラッキョウ

2013年02月22日 | 自然観察日記
始めてみる種で、「キイ」は「紀伊」のようで西日本の渓谷まれに自生している種のようです。草丈20cm位の可愛い花です。私の経験ではネギ属の花はほとんど自然界で見ることがなくて、せいぜいノアサツキ(自生種なのか?)とかシロウマアサツキ(高山種)くらいで、野生のネギ属の花はなじみがないのです。この植物園には全国の貴重な種も集めて栽培しているところなのですね。改めて理解した次第です。

キイトラッキョウ 花

2013年02月22日 | 自然観察日記
アサツキとラッキョウは同じネギ属でも花の様子がかなり違います。もっともわかりがいいのが花の色と花柄の長さでしょうか。アサツキは薄い紫色で柄は短く花が垂れ下がるようにはなりませんが、ラッキョウは赤紫色で柄が長くうつむき加減に咲きます。花の開き方も大きく開かないようです。

サクラタデ

2013年02月21日 | 自然観察日記
タデ類もすっかり花の量を減らしていた時期ですが、サクラタデがまだつぼみの状態でこれから花を咲かせようとるる個体がありました。ようやく1輪花を見つけての撮影。花糸が長いのでサクラタデと判断。花も大きめです。そういえば昨年佐渡の海岸で近縁のシロバナサクラタデの比較的まとまった群落を見かけましたが、このサクラタデどこでもありそうなのですが、案外見ていない種です。ひょっとしたら個体数が減少しているのかもしれませんね。