もっと沢山実がついていると思っていたのですが、どうも今年は不作のようです。以前、樹全体が赤く色づく実で圧倒された印象が強く残っているせいで、パラパラとしか見えない実では拍子抜け。落胆しています。違う里山に行けば鈴なりの樹に出会えるかもしれません。出直しとします。
里山の田に水を少し温めて送るために温水田という水溜があります。そこを覗くといろいろな動物や昆虫が出てきます。ふわ~っと浮いてきたのがこのサンショウウオ。まだ、子どもでいわゆるウーパールーパー。えらがまだ外に出ていました。成体は皆森の中に帰って見られませんが、子どもはまだ水溜りの中にいました。
小さなシジミチョウが林の中を飛び交っています。ゴイシシジミでした。この蝶は6月頃にはもう発生しているはずなのですが目に留まるというか気がつくのがなぜか秋です。数匹が入り乱れて飛んでいるところをみると種の保存のためのこうどうなのでしょう。この季節はそんな時期なのかもしれません。
絵の中央に細長い物体、ヘビです。実はマムシ。道でバッタリと出くわして、棒など何も持っていませんでしたから少し固まりました。しばらくしてカメラに気づいて取り出している隙に彼も驚いたのかそそくさと草むらに逃げ込んだためこんな写真が精一杯でした。頭が見えませんが胴体の文様で理解してください。マムシに出会ったのはこれで二度目、あまり多くないんです。
タデの中でもとても小さな花です。葉に黒い斑紋が浮き出るのが特徴で、これを知っていれば間違えることのないタデ。葉を噛めばヤナギタデのような辛味はありませんからあまりいい意味ではない「ボントク」が付けられたといいます。これも半日陰の湿り気のあるところを好んで生えています。
「タデ食う虫も好き好き」というタデはこのヤナギタデ。水田放棄地などの湿地に普通に生えています。葉を噛むとピリッとした辛さが特徴で、種の判定は噛むことに限ります。この葉を細かく刻んでキュウリなどの漬物に合わせていただくとなかなかおいしいですね。刺身のツマに利用されるのはこの芽生えです。ボントクタデのような葉に黒い斑紋は出ませんからこれでも判別はできます。
杉の林にはオオワライタケが出ていました。とても大きくなるキノコですがまだ発生したばかりで小さいですね。地方によっては食用にするといいますが、生のものをかじってみるととても苦い。この苦味、水溶性なのでしょう。漬けておくと取れるためか保存食として利用するのだそうです。でも、まだ私は食べたことはありません。
少し早い発生のようですがキシメジのようです。一気に涼しくなってキノコが気になりだしたこの頃、野山を歩くとついついキノコ眼になって姿を追い求めます。落葉に被さりながら出ていたものを目ざとく見つけたものです。さて今度はどんなキノコが迎えてくれるのか楽しみが増えてきました。
越後では有名なアマンダレ(ナラタケ)より少し早く発生するナラタケモドキです。広葉樹の古株の根元などに時々発生を見ます。目に付きやすいところで公園のサクラの古木の根回りがあります。アマンダレより味は劣るとされていますが、今回はチャーハンの具になりました。
偶然出会ったツリフネソウの白花。自然界には時々見かけるという話は聞いてはいたものの出会ったのは初めてです。紫色の花が群生する中にぽつんとあるとこの花は清楚な感じがします。ツリフネソウは一年草、この種子をとって撒くと必ずしも白花にならないといいます。白色は劣性形質で、マルハナバチなどによって紫の花の花粉が運ばれて優勢の紫色の遺伝子が入り込み白い色の形質は連続しないのでしょうか。自家受粉をさせると白い花が継続されるかもしれませんね。
タデの花はどれもおんなじようで、花だけ見ているとなかなか区別が付きません。これは茎や葉に逆棘がいっぱい付いていてとてもざらざらするアキノウナギツカミといいます。確かにこの逆棘なら鰻も捕まえられそうです。実際はこの棘で周りの草に寄りかかって自分の姿勢を正すための道具で、自らはしゃきっと立つことはできない軟弱者。湿り気多いところに普通に見られます。