食虫植物のサラセニアの捕虫葉のアップ。いわゆるつぼの縁ですね。もっとつるつるなのかと思いきや案外ざらついている風。これでは昆虫が鋭い足をかければ引っかかりますから、滑ってつぼに落ちるということはあまりないのではないでしょうか。これは結構成葉で出来たばかりのつぼというようには見えませんでしたから、昆虫がこの中に落ちて餌食になるというのはもう少し違った要因があるような気がしました。落ちている虫は結構小さいものですから、自らの質量で落下するというのは考えにくい気がします。
御用済みのハエトリソウの葉ですが、その形をとどめたまま端のほうにひっそりと・・。もちろん個体の中心部には新しい葉がどんどんと作られていて小さいものからそれが成長している各段階の葉が見られます。食虫植物は貧栄養の環境で昆虫から栄養を取ろうとし大胆に進化したグループですから、興味深深なことは当然なことですね。まもなく形なく朽ちるのでしょうが、枯れる前に必要な栄養資源を再利用するということを考えると、この完全に近い形が残るのは奇妙なことに思えます。枯れたように見えるこの状態から必要物を分解し再吸収するのかなぁ・・・。
典型的な5数性。合弁花のペンタス(クサンタンカ)というアカネ科の種です。形が星型で綺麗に整っています。5数性の花は基本的なスタイルの花ですが、これに類したものは案外身の回りには少ないなぁというのが感想です。もっともアカネ科の花にも変わり者も結構ありますから、5数性が基本ということも一概には言えないことですが・・。
小さな可愛い花です。花弁が6枚というのが気になって立ち止まって観察です。ミソハギ科の仲間でこのグループの花弁は4とか6、あるいは8などというのがあって、双子葉に多い5数性をとらないようです。アブラナ科は4数性ですからこちらとは何かしらの関係があるのでしょう。そんな細かいことはどうでもいいですね。同じ仲間にサルスベリがあるのだそうです。そういえば、花弁がなんとなくサルスベリのそれに似ています。クフェアという名で流通しています。
アオイ科のアブチロンです。ハイビスカスもアオイ科ですから近縁ということになります。このしべが面白いのでアップで撮影しました。先に出る何本かの赤く細長いのが雌しべ、その下部を丸く包み込んでいる塊が雄しべ群ということになります。先端には黄色の葯が認められます。この構造からどんな昆虫(かな?)がどんな行動をして受粉を手助けするのでしょうか。ちょっと想像してみましょう。根元には目的を果たせない花が沢山散っています。
ヘゴの仲間には葉痕がはっきりしています。現存するシダで木性のものはヘゴの仲間くらいだったでしょうか、シダ類でも葉痕をはっきり残すものがあるということがわかります。一応離層を形成すると考えたほうがいいのかもしれません。もっとも枯れた葉はなかなか落ちないで長く幹に付着したままですから、被子植物がつくる離層とは異なったものでしょう。
かつては古生代石炭紀などに繁茂した巨大な木生シダ(ロボクやリンボク)がありましたが、その子孫のヘゴの仲間、多少形質などを変えたとは思われますが基本は太古の形質をそのまま温存しています。そういう目で見るとヘゴも魅力的な植物だと感じざるを得ません。
かつては古生代石炭紀などに繁茂した巨大な木生シダ(ロボクやリンボク)がありましたが、その子孫のヘゴの仲間、多少形質などを変えたとは思われますが基本は太古の形質をそのまま温存しています。そういう目で見るとヘゴも魅力的な植物だと感じざるを得ません。
シダ植物が続いています。今回はオオタニワタリの胞子のう。葉の裏に綺麗に並んだ胞子のうの列が見られます。ビカクシダのように「面」でなくてこちらは線状、こんもりと盛り上がり整然と並んだ姿はこれはこれで魅力的です。
シダ植物は花を持たない植物で、形態も似たようなものが多くて識別するのに苦労しますが、決め手の一つにこの胞子のうの形態や配置があります。それでも、オオタニワタリなどのように分かりやすいのはいいのですが、判別しにくいものが沢山あります。私の苦手な分野の一つですね。
シダ植物は花を持たない植物で、形態も似たようなものが多くて識別するのに苦労しますが、決め手の一つにこの胞子のうの形態や配置があります。それでも、オオタニワタリなどのように分かりやすいのはいいのですが、判別しにくいものが沢山あります。私の苦手な分野の一つですね。
ビカクシダの古い葉の先端はレース状の葉脈が残っていてちょっとした造詣です。葉肉部分のほうが早く腐敗し脱落するのに比べ、葉脈が分解しにくい成分が多いためでしょう。高等植物のように葉を付け根から切り落とすという能力がないためにだらだらと朽ちていきます。こういう性質だと茎など中心部はなかなか綺麗にならないので、ゴミが溜まったようになってしまいます。考えようによってはここで有機質を分解して吸収できれば栄養とできます。病原菌なども発生しますから、対病性を持たないといけませんね。
ビカクシダの胞子は長く垂れ下がる葉の裏側に付きます。胞子はびっしりと付いた胞子のうの中に形成されるのですが、その胞子のうがご覧のとおり綿毛のように盛り上がるほどで、生産される胞子の数は天文学的な数字が予測されます。その中の何個が次世代の個体になっていくのかと考えると、胞子生殖というのはあまり効率的でもないなぁと思いますね。
それはそうと、胞子のう群との境目をアップで見ると地図のようで面白いですね。その景観ばかりでなく、胞子になるかならないかの「決め」はこの境目で起きているはずで、その決定過程を想像することも面白いことです。
それはそうと、胞子のう群との境目をアップで見ると地図のようで面白いですね。その景観ばかりでなく、胞子になるかならないかの「決め」はこの境目で起きているはずで、その決定過程を想像することも面白いことです。
温室植物では結構定番でどこの温室にも見られます。熱帯性の着生シダで形態がユニークなのでもてはやされいるようです。その新芽(新葉)が綺麗でカメラを向けました。このシダ、葉に二形態あり着生物に巻きつくように広がるものと外側に長く垂れ下がるものです。この新葉はどちらかを特定することは出来ませんが、発生している位置関係から巻きつきの方かな・・という感想です。その分かれ道は何に因るのでしょうか。
カメラを替えないといけないのかな。狙いどうりの絵が撮れません。予算の都合上、要検討段階で止まっています。それはそうとややピンボケ気味の像はバンダ(ラン科)のしべ柱の先端(葯帽といわれるもの)とリップという唇弁。
面倒な花の構造など今回はどうでも良くて、切り取られたものが何に見えるか・・・・。葯帽の凹凸が顔に見えて、リップの服をまとった子供のようです・・・。ウナギなどの動物のような顔にも感じられますね。
面倒な花の構造など今回はどうでも良くて、切り取られたものが何に見えるか・・・・。葯帽の凹凸が顔に見えて、リップの服をまとった子供のようです・・・。ウナギなどの動物のような顔にも感じられますね。
ちょっといい感じの葉痕がありました。樹種はエンジュ。目立ちにくいのですが可愛い表情が気に入りました。早春のガイドにでも使わせてもらおうかと思います。エンジュが植えられている辺りは動物の雪跡があってもいいのですが、今年は特にタヌキの雪跡を見かけません。雪が多いせいで街中にでも移動しているのでしょうか。
梅の花が話題になっている雪のない地方とは異なって長岡は深い雪の中。しかし、陽も長くなって一気に春めいてきた感じもします。温室の中での作業の傍ら、花をつけている「野生」を見つけました。雑草の類で、抜かれて処理される運命にはあるのですが、こんな時期だからこそ小さな白い花がひとときの安らぎを与えてくれますね。