葉だけをとらえた種で、花やつぼみなどもないので没にしようかと思いましたが、栂池自然園では忘れてはならない種ですから最後に取り上げることにしました。ミソガワソウというシソ科植物。青紫色のやや大きめの花をさかせるなかなか素敵な種ですが、残念ながら花の季節には少し早かったようです。
ミヤマハンノキが花をつけていました。雄花と雌花が同時に撮れることも少ないので記録として撮りました。しかし、ピンが甘く写真としてはだめですね。ミヤマハンノキは亜高山帯以上の高山に普通に見られる灌木です。高海抜の地に来れば出会える種。しかし、この木に寄生するオニクという植物を探すのですがなかなか出会えません。昔、糸魚川市の焼岳に登った時に見たオニクを思い出して、ミヤマハンノキを見るとついつい枝をかき分けて地際を覗いてしまいます。
シダ植物もたくさん見られましたが、比較的覚えやすい特徴的なシダがミヤマメシダです。何といっても真っ黒い鱗片が特徴で他にないので、芽出しから成長した葉でもこの真黒な鱗片を頼りに判別ができます。この種も亜高山以上に生育する種です。
実は栂池自然園の最深部の湿原や残雪が遅くまで残る窪地周りにはハクサンコザクラの大きな群落があるのですが、今回はそこまでは行けませんでしたがきっとハクサンコザクラもどこかにあると思い探した結果ようやく見つけたのがこの写真です。ワタスゲ湿原の一角に数個体の花が認められました。それも、木道からかなり離れた場所で望遠でようやくわかる程度。まだ季節が速かったのか個体数がもともと少ないのか、期待していた景観ではありません。
群落というほどのものでもありませんが、引き伸ばしてみました。ここしばらくハクサンコザクラの大きな群落を見ていません。若いころ山登りにいそしんでいたころにときにあちこちで目にしたものですが・・・。無性にハクサンコザクラの大群落が見たくなりました。今年こそ思いを遂げるべく計画を立てたいと思います。
葉に丸みがあります。これはヒロハカツラに間違いありません。カツラより高所に生育する種として知られています。果実などがあればその特徴も明瞭に示せるのですが、灌木状態の個体ですから。葉だけの紹介です。極端な大木にはならないようです。
カツラの樹が好きで若いころに妙高高原の河原で幼木を見つけて家に持ち帰り庭の片隅に植えこみました。この種は比較的成長が早くあっという間に大樹に育ち今はかなりて手こずっています。カツラでなくヒロハカツラを連れてくれば今の悩みは生じなかったかもしれません。
カツラの樹が好きで若いころに妙高高原の河原で幼木を見つけて家に持ち帰り庭の片隅に植えこみました。この種は比較的成長が早くあっという間に大樹に育ち今はかなりて手こずっています。カツラでなくヒロハカツラを連れてくれば今の悩みは生じなかったかもしれません。
アカネ科のヨツバムグラの仲間ですが、調べると稀な種であることが分かりました。エゾノヨツバムグラという北方系の種で、本州の高山にやや希に生育するものとされます。近似種にオオバノヨツバムグラというのがありこの種を小さく丸くしたようなものといえばいいのでしょうか。荒っぽい言い方ですが、葉は丸みがあり本種の特徴になっています。
7月はまだ栂池自然園では春の段階。コミヤマカタバミの花もありました。県内では例えば国上山の山麓にも見られる種ですが一般的には深山から亜高山帯に生育する種とされます。栂池自然園は高山種から低地帯にも自生する種がありとても面白い場所でした。今回観察できた範囲はごく狭い範囲ですから、園内全体を歩き回るともっともっといろいろなものが出てくることでしょう。手軽な場所ですから再び足を運ぶことにしたいものです。