森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イワガネソウ

2008年12月29日 | 自然観察日記
 枯れ山に青々としたシダがありました。イワガネソウです。普段ならあまり気にもしない植物ですが、生き生きとした色がとても印象的です。他の植物が葉を落としたこの季節に、わが世の季節とばかりに光を浴びているのでしょう。常緑という性質、これも一つの適応の形です。
 よく似た種にイワガネゼンマイがありますが、葉がだんだん先細りになるかどうかで区別します。

コシアブラ 幼個体

2008年12月27日 | 自然観察日記
 足元には、コシアブラの幼個体がまだ青い葉をつけていました。常緑でもない種が葉をつけています。枯れ落ちることがないくらいの陽気だったのでしょう。地際のせいで気温も高めだったのか、あるいは幼個体は耐寒性があるのでしょうか。
 しかし、今頃は深い雪の下になっているはず、やがて離層が発達し切り落とされることでしょうね。

コシアブラ 短枝

2008年12月27日 | 自然観察日記
 とうとう来ました。冬将軍!積雪はそれほどでなくとも、風が凄いですね。気温も数日前に比べて急降下。まるで、この夏以降の金融ショックの下降曲線みたいです。暗く寒くなる話ばかりが飛び交っていますが、自然の話でもすれば多少気持ちが癒されるのではないでしょうか。
 先日の小春日和の時の写真です。山菜で有名になったコシアブラの冬芽です。それも、短枝という先に付いているものです。このずんぐりむっくりの短枝、なかなかユニークでしょう。こんな季節でないとあまり気づかないのではないでしょうか。

シュンラン 果実2

2008年12月25日 | 自然観察日記
 揺すると割れ目の隙間から細かな種子が飛び散ります。この果実の中にはどれくらいの種子が入っているのでしょうか。万の単位くらいはあるのではないでしょうか。
 とにかく細かな種子で、カキの種子のような胚乳というものがありません。発芽後に必要な栄養はどうするのかというと、ラン菌という菌類の援助をもらって行っているのです。他には見られない特殊な性質ですね。
 それで、なんでこんな細かな種子を作るのかという一つの考えとして、ラン科植物は熱帯雨林などの森林帯で着生植物として進化したというものです。種子が細かいと風などで他の樹木に容易いに移動でき、そこでラン菌の助けを借りて発芽し着生植物として生活するというものです。植物界にあってもっとも進化した一つの形なのだそうです。

シュンラン 果実1

2008年12月25日 | 自然観察日記
 これは珍しい!シュンランの果実です。葉が刈り込まれていて、ここを管理する人が刈り払ったようで、その後に花を咲かせてここまで成長させたのでしょう。シュンランは里山にはよく見かけるものですが、果実を目にしたのは初めてなのです。幸運ですね。早くに葉を失った個体ですからなおさらです。

ヤマウルシの葉痕 2

2008年12月24日 | 自然観察日記
 これもなかなかいい味を出しています。見れば見るほど感心しますね。自分でもかなりお気に入りです。
 暖かい師走でしたが、いよいよ明日から寒波襲来で、野遊びが当分できなくなるようです。残念というより、これも越後の常。素直に受け入れましょう。

ムシカリの裸芽 1

2008年12月22日 | 自然観察日記
 裸芽で越冬する植物が結構あります。このムシカリ(オオカメノキ)もその代表で、「何も着ないで寒くないのかなぁ・・?」と思ったりします。しかし、結構毛深いのでそんな心配はないのでしょう。
 それはそれとして、今回は踊っているような格好の冬芽が面白くてカメラに収めてみました。

葉痕 2

2008年12月21日 | 自然観察日記
 これもオオカメノキの葉痕です。この秋に落葉した跡で、やはり若い「妖精」の感じがします。ちょっとわんぱくそうですね。

葉痕 1

2008年12月21日 | 自然観察日記
 今晩から荒れるということですが、今日も今のところはとても気持ちのよい日和です。冬の自然の楽しみ方に葉痕を観察することがあります。老眼気味の方には少し大変かもしれませんが、樹の種類によってなかなかユニークな顔をしていますから是非試みて欲しいものです。
 昨日見つけた「顔」をいくつか紹介しましょう。これは、オオカメノキで見られたもので、2年ほど前に落葉した跡でしょうか。いい味を出していますね。秋に大島小学校の生徒を案内したときに、「森の妖精がいるんだよ」といって紹介したものです。本当にそんな気がしますね。

ブナの大木に癒されて

2008年12月20日 | 自然観察日記
 長岡にもブナの大木が点々と残っています。ブナ平というにはほんの数本が目立つくらいで、それほどボリュウムがあるところではありません。このブナもそれほどの巨木というものではありません。鷺巣町の定正院脇にある大木に比べればずっと見劣りがします。
 しかし、年の瀬に思いもかけずブナ平に来れた喜びと、見上げるブナの雄姿に心休まる思いがしました。


ミヤマウラボシ

2008年12月19日 | 自然観察日記
 オサシダの隣の岩に常緑のシダが付着していました。2~3cmほどの楕円形の葉をしています。シダはあまり詳しくないので、家で調べてみましたがしっくり行きません。
 以前、知人とこの辺りの採集に来たときにミツデウラボシのことを聞いたことがありますが、この岩に生えているものは皆単葉で三出葉のものが見当たりません。葉先も尖っていなくて、らしくないのです。ミヤマウラボシが葉の感じが似てはいるのですが、単葉というのがどうも・・・。もっとそれらしい種がないかと何度も図鑑を見ていますが、行き当たりません。
 そういえば、若かりし頃こんな作業を山ほどしたものです。現場で植物を観察し、家で図鑑を調べる・・・。何度も何度もしていると、不思議とものが見えてくるのが楽しかった・・・。早く再びこんな生活にどっぷりとつかりたいものだと考えています。