そろそろ終わりになっているキバナアキギリの花に潜り込んでいるマルハナバチをとらえた1枚です。ここと思えばまたあちらでなかなかいい写真にならないのです。この秋は結構マルハナバチを観察していました。そこで確信したことはこのハチと共進化しているのが秋の代表的な花であるツリフネソウとアキギリではないか・・・と。いずれもマルハナバチが入れるようなぽっかりとした穴を開けている構造の花です。それもマルハナバチにサイズを合わせて・・・。マルハナバチが最も活動的になる8月以降に花の盛りを持ってきている種ではないかと・・・。ツリフネソウは8-9月、キバナアキギリは9-10月。この里山では実にうまく両種が絡んでいるように見えるのです。もっとも春にはマルハナバチはいるはずです(あまり気づかない)が、短日性の花はマルハナバチと手を組んだ一群が繁栄の一翼を担っています。これ以外にタデの仲間はどうもミツバチ系と手を組んでいるのではと推測しています。
ツリフネソウ(白花)に来ているマルハナバチを狙ったのですが上手くいかないので、ピンボケの写真でスミマセン。マルハナバチが花に潜らなくて、花の後部に口吻を差し込んで盗蜜する話は有名ですからご存知の方も多いと思います。ハチの動きを見ているととても面白いですよ。確かに盗蜜するものいますが、真面目に潜り込んで吸蜜し受粉に一役買っている者もいます。ひょとしたら別種なのかもしれませんが、盗蜜する個体は決して花に潜り込むことはしません。ハチは一度決めた行動はなかなか修正がきかないのだと思います。
ところが、気温が低くなってくるとツリフネソウの花が小さくなってきます。そうするとどんなサイズのマルハナバチでも入れなくなってきて、ハチにとっては盗蜜するしか蜜を手に入れる手段がなくなる時期が来ます(実はこの頃にはキバナアキギリが咲きだしていますから、ハチは浮気をしてツリフネソウからアキギリに乗り換えていますが・・・)。マルハナバチと縁が切れたツリフネソウはそれで終わりかというとそうではなくて、実はもう一段階のドラマがあるのです。ツリフネソウは1年草ですから種子を残さないと種は続きません。ハチによる他花受粉ができなくなると自家受粉のみで種子を形成するのです。花は小さいのに立派な実を付けるのが実に多くあります。それどころか完全な花にならないうちに結実し花を落としてしまいます。枯れそうなツリフネソウでも茎の下の方にか細い枝が出ていてそこに小さな実を付けているのを見たことがありませんか?
近縁種のキツリフネは「閉鎖花」を普通につけることが知られていますが、ツリフネソウもほぼこれに準じて種子生産を行っているのですね。寒さで限界になるまでこの営みは続いています。一つでも多くの種子を作って死んでいくのです。自然って本当にすごい!
ところが、気温が低くなってくるとツリフネソウの花が小さくなってきます。そうするとどんなサイズのマルハナバチでも入れなくなってきて、ハチにとっては盗蜜するしか蜜を手に入れる手段がなくなる時期が来ます(実はこの頃にはキバナアキギリが咲きだしていますから、ハチは浮気をしてツリフネソウからアキギリに乗り換えていますが・・・)。マルハナバチと縁が切れたツリフネソウはそれで終わりかというとそうではなくて、実はもう一段階のドラマがあるのです。ツリフネソウは1年草ですから種子を残さないと種は続きません。ハチによる他花受粉ができなくなると自家受粉のみで種子を形成するのです。花は小さいのに立派な実を付けるのが実に多くあります。それどころか完全な花にならないうちに結実し花を落としてしまいます。枯れそうなツリフネソウでも茎の下の方にか細い枝が出ていてそこに小さな実を付けているのを見たことがありませんか?
近縁種のキツリフネは「閉鎖花」を普通につけることが知られていますが、ツリフネソウもほぼこれに準じて種子生産を行っているのですね。寒さで限界になるまでこの営みは続いています。一つでも多くの種子を作って死んでいくのです。自然って本当にすごい!
キツリフネはツリフネソウ以上に自花受粉を行い種子を作ります。今年は気候の具合でしょうか「花」を見せなかった自生地が多かったのではないでしょうか。丘陵公園の里山フィールドミュージアムではほとんど「花」を見せませんでした。しかし、しっかりと閉鎖花を作って種子を作っています。
今まで認識していなかったのですが、ナンブアザミと似た種で別種が生息していました。カガノアザミと言います。秋咲くアザミは変異が多くて難解なクループとして有名ですが、園内にあるものは葉の様子などからナンブアザミと思い込んでいました。
園内には普通にナンブアザミもあって晩秋の貴重な花になっています。残念ながら葉だけでは今のところ識別ができませんが、ナンブアザミとカガノアザミの2種は確実に園内にあることがわかりました。
私の知人のYさんが昨年アザミで3種も新種を見つけ東大の先生から鑑定してもらい名前を付けました。もちろんいずれも県内の種です。その一つにヨネヤマアザミという名前がありましたが、どの形質を指すのかわかりませんが、「米山」は丘陵公園とそれほど離れてはいませんからちょっと気になる話なのです。とにかくアザミの仲間は厄介なグループという観念があって近づきたくない種です。しかし、この里山フィールドミュージアムにあるとなると知らないというわけにもいきませんから、近々話を聞かなくてはならなくなりそうです。
私の知人のYさんが昨年アザミで3種も新種を見つけ東大の先生から鑑定してもらい名前を付けました。もちろんいずれも県内の種です。その一つにヨネヤマアザミという名前がありましたが、どの形質を指すのかわかりませんが、「米山」は丘陵公園とそれほど離れてはいませんからちょっと気になる話なのです。とにかくアザミの仲間は厄介なグループという観念があって近づきたくない種です。しかし、この里山フィールドミュージアムにあるとなると知らないというわけにもいきませんから、近々話を聞かなくてはならなくなりそうです。
これも季節がかなり狂って咲いていた花です。いつもなら9月には花がみられるのに10月の半ばにようやく開花しました。小さな花で、林床の背の高い草陰に隠れるように咲いています。今年は最も遅い部類の花になってしまっています。
名前のようにもう少し桃色がかった花になることが多いのですが、気候的な要因があるのか今年の花はどれも白い色。半開の花はどんな昆虫を誘うのでしょうか。近づく昆虫の気配はありません。人知れず咲く花をじっくり愛でてあげられる幸せはこの上もないものです。自然はいつも思いがけない贈り物を授けてくれるものだとこの日も思いましたね。
ちょっとした発見です。コオニユリにはむかごがないと教えられ、これでオニユリと区別するのだと摺り込まれていました。ところが事実はそうではないようで、コオニユリにもむかごができるのです。たしかに正常な成長の過程でむかごを見たことはないのですが、刈り取られた後の頂部にむかごが形成されるのです。葉腋から新芽を伸ばすのではなく頂部にむかごを作るというのがとても興味深い現象です。もちろんこの個体だけのものでもなく刈り払われたコオニユリのすべての個体で同じようなむかごができていました。
里山にはクルミの樹が沢山あってこの季節至る所に実が落ちています。公園に遊びに来た人がこっそり拾っていく姿も見かけますが、これは禁止されている行為なのです。個人的には少しくらいいいのではと思いつつ、規則は規則なのです。
それはそうと、多くは種子の表面がごつごつとしたオニグルミなのですがこの絵のようにハート形をした実をつけるヒメグルミの樹が何本か生えています。両者は非常によく似ていて、実を見ないとオニグルミとの区別はできません。
それはそうと、多くは種子の表面がごつごつとしたオニグルミなのですがこの絵のようにハート形をした実をつけるヒメグルミの樹が何本か生えています。両者は非常によく似ていて、実を見ないとオニグルミとの区別はできません。
今月の中旬頃までは見ごろで美しい青い色の群落がみられました。同じ時期に花を見せるキバナアキギリがやや乾燥気味のところが好きなら、この種はやや湿り気の強いところを好みます。山裾の小川のヘリなどにしばしば大きな群落がありますね。
花をアップで撮ってみました。覗いているのは雄蕊で4本あるのですが、1本は奥の方にあって見えないようです。うち2本が長いのがわかりますか?シソ科の花で大きさが1~1.5cmはありますから比較的大き目な花ですね。花色はしっかりとした青色ですからたくさん咲いていると見ごたえがあります。
実はこのグループは変異の多い種で各地に生育している種にいろいろな名前が付けられて分類されています。基本種はイヌハッカという種ということになっていて、この種の葉が絵のように先端の部分が切れ込んでいて亀のしっぽを思わせる種をカメバヒキオコシと呼び(太平洋側にある)、このカメバヒキオコシより大型の花をつける日本海側に分布している種をタイリンヤマハッカと読んでいます。大した違いではないと言えばいえるのですが、扱う人の立場や用途で使い分けをすればいいのではないでしょうか。「ハッカ」といってもハッカ臭はしません。