森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

フジの年輪

2010年04月04日 | 自然観察日記
 年輪といえば同心円になっていて、南と北方向で幅が違うというのが一般的な考え方ですね。でも、そういう概念にはまらないものがあるのです。この辺りが生物の面白いところ。例外が一杯あって、型にはまらない思考ができるというもの。
 ところで、このフジ同心円になっていません。南と北の方向も全く無関係。どの方向に成長するかはそのときの条件できまるようで、結構気まま。中には島状になった年輪様成長痕が良く見られます。
 私の家の隣にある神社のケヤキの大木に絡み付いている大フジがあります。子どもの頃は太さが60cm以上はあって、10mくらいはよじ登ったものです。それが片方の面が腐り始めて、キノコが発生する始末。長い年月を経て腐った部分はどんどん剥げて今では径15cmくらいの幹周りしかないのです。なかなかしぶといという見方も出来るのですが、つる植物の生活の知恵かもしれません。このフジを切ってみるとおそらく年輪は摩訶不思議な形になっているのではないかと思います。

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