中部以北の深山の沢筋など少し湿った場所に見られるオニシモツケです。大型の多年草で白いふわふわした花穂が目立ちます。普通は群生していますからなかなかの存在感があります。個人的にはこの種も深い山に来たなぁと実感するものの一つです。その昔、磐越西線の日出谷駅から長いルートを大日岳に向かい、その後飯豊山・北股岳・門内岳を経て湯の平に出たとても長い山行を行ったことがあります。私の山人生の中でも最大級のイベントでした。天候が悪く散々な思いをしたものでした。湯の平の山小屋で河原の露天風呂に入って一息入れたのもつかの間数時間後には増水によりこの露天風呂が水没するという怖い思いもしました。翌日も雨の中で、これも長い加治川沿いの下山道を延々と歩いてようやくこの山行を締めくくったものです。この加治川沿いの沢を渡るところに群生していたオニシモツケが妙に記憶の中に刷り込まれています。苦しくつらいイベントがようやく終わったという癒しをこの花が与えてくれたようです。
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