■「Vフォー・ヴェンデッタ/V For Vendetta」(2005年・アメリカ=ドイツ)
監督=ジェイムズ・マクティーグ
主演=ナタリー・ポートマン ヒューゴ・ウィービング ジョン・ハート
第三次世界大戦が終わった後、アメリカ合衆国は崩壊し、イギリスは独裁政権の国家となっている。独裁者の圧政に人々が苦しんでいるイギリスで、テロ行為を行う人物”V”が現れる。彼は裁判所の建物を、チャイコフスキーの「1812」を流しながら花火とともに派手に破壊するのだ。この曲を聴くとコージー・パウエルの顔が浮かぶロック・ファンでなくても、この場面にはやたらと興奮させられる。芝居じみたVの登場後、”本当に面白いのか?この映画”と勘ぐっていた僕は、これで考えを改めた。面白い。オーウェルの「1984」を思わせる古くささが何ともいい雰囲気だ。
それにしても革命が成就するまでの過程をエンターテイメントにするなんて今までにない発想!。ウォシャウスキー兄弟の着眼点はなかなかだ。日々の生活を安穏と送る僕らに、Vと同様に”今のままでいいのか?”というメッセージを送りつけているかのようですらある。我々の現実社会でも、テロのニュースは数日おきに流される。政治が様々な面で問題があり、乱れているからこそ、そうした事件が引き起こされる。この映画は、ある意味9・11が生んだ映画なのかもしれない。そう思うと、けっこう考えさせられる。
一切素顔を見せずにVを演じきったヒューゴ・ウィービングの潔さに拍手。クライマックスで同じニヤけたマスクを町中の人がつけて現れるところ、エージェント・スミスを思い出さずにはいられなかった。また増殖かっ!(笑)。
第三次世界大戦が終わった後、アメリカ合衆国は崩壊し、イギリスは独裁政権の国家となっている。独裁者の圧政に人々が苦しんでいるイギリスで、テロ行為を行う人物”V”が現れる。彼は裁判所の建物を、チャイコフスキーの「1812」を流しながら花火とともに派手に破壊するのだ。この曲を聴くとコージー・パウエルの顔が浮かぶロック・ファンでなくても、この場面にはやたらと興奮させられる。芝居じみたVの登場後、”本当に面白いのか?この映画”と勘ぐっていた僕は、これで考えを改めた。面白い。オーウェルの「1984」を思わせる古くささが何ともいい雰囲気だ。
それにしても革命が成就するまでの過程をエンターテイメントにするなんて今までにない発想!。ウォシャウスキー兄弟の着眼点はなかなかだ。日々の生活を安穏と送る僕らに、Vと同様に”今のままでいいのか?”というメッセージを送りつけているかのようですらある。我々の現実社会でも、テロのニュースは数日おきに流される。政治が様々な面で問題があり、乱れているからこそ、そうした事件が引き起こされる。この映画は、ある意味9・11が生んだ映画なのかもしれない。そう思うと、けっこう考えさせられる。
一切素顔を見せずにVを演じきったヒューゴ・ウィービングの潔さに拍手。クライマックスで同じニヤけたマスクを町中の人がつけて現れるところ、エージェント・スミスを思い出さずにはいられなかった。また増殖かっ!(笑)。
徹底したファシストを演じきったジョン・ハートも見事としか言いようがない。ジョン・ハートつながりだから思うのかもしれないが、全体的にマイケル・ラドフォード監督の「1984」みたいな陰鬱としたムードのシリアスな作風だったら、もっとイギリス的暗さが漂う違った映画になっていたかも。閑話休題、僕はこの映画のあるシーンで衝撃を受けた。それは人体実験のむごいシーンではない。それは、どピンクのロリータファッションで登場するナタリー・ポートマン!。スキンヘッドの熱演も素晴らしかったけど、この場面が頭から離れないんだよなぁ。